中3理科「力学的エネルギーの保存」を利用した計算問題

力と運動、仕事まで学習が終わったら、いよいよエネルギーの単元になります。エネルギーの中でも主役の力学的エネルギーについての問題です。解法をマスターして類題が解けるように練習していきましょう。

力学的エネルギーとは

計算問題に入る前に、まずは力学的エネルギーについて説明します。さらにその前にエネルギから説明します。しっかりと基本から内容を覚えていきましょう。

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エネルギー

エネルギーとは、他の物体に対して仕事ができる能力のことをいいます。わかりにくいので簡単に言い直すと、他の物体にダメージを与えることができるということです。

例えば高いところにある物体は、落下することで他の物体にダメージを与えることができます。また動いている物体は、衝突することで他の物体にダメージを与えることができます。熱を持っている物体は、他の物体にやけどというダメージを与えることができます。このように他の物体にダメージを与えることができる場合、その物体はエネルギーを持っているといいます。

位置エネルギー

位置エネルギーは、高いところにある物体が持つエネルギーです。高さと質量に比例して位置エネルギーは増加します。高ければ高いほど落下したときに大きなダメージを与えることができますよね。また、重ければ重いほどダメージは大きくなりますよね。

位置エネルギーは計算でも求めることができます。

位置エネルギー[J]=物体の重さ[N]×高さ[m]

仕事の求め方と同じですね。単位に注意して計算するようにしましょう。

運動エネルギー

運動エネルギーは、動いている物体が持つエネルギーです。物体の質量に比例し、物体の速さの2乗に比例します。交通事故で突っ込んでくる車が重いほど大きな事故になりますよね。速ければ速いほど甚大な被害が発生します。

速さの2乗に比例するとは、速さが2倍になると、運動エネルギーは22倍、つまり4倍、速さが3倍になると、運動エネルギーは33倍、つまり9倍になるのです。

運動エネルギーは計算でも求めることができます。

運動エネルギー[J]=1/2×kg×m/s×m/s

詳しくは高校の物理で学習しますが、定期試験に出題する学校もあるので参考程度に載せておきます。

力学的エネルギー

位置エネルギーと運動エネルギーの和を位置エネルギーといいます。なぜこの2つのエネルギーを足すのかというと、ふりこの運動など、何かが落下するような運動の場合、この2つのエネルギーは互いに移り変わっているだけだからです。

したがって、物体が落下するにしたがって位置エネルギーは減少し、だんだん速くなり運動エネルギーが増加します。

力学的エネルギーの保存

位置エネルギーと運動エネルギーは互いに移り変わっているだけですので、空気の抵抗や摩擦がない場合は、その和は常に一定に保たれます。これを力学的エネルギーの保存(力学的エネルギー保存の法則)といいます。

空気の抵抗や摩擦がある場合は、力学的エネルギーが保存されません。一部が摩擦熱などに変わって空気中に熱エネルギーとして出ていってしまいます。ジェットコースターが同じ高さまで上がってこれないのはこのためです。

力学的エネルギーの保存の計算

よく出題されるパターンが「〇点の運動エネルギーは△点の運動エネルギーの何倍?」という出題パターンです。何倍かを求めるので最後は割り算で求めます。

ここはミスがないようにしたいので、下図のような表を簡単に作って、各点の位置エネルギーと運動エネルギー、そしてその和である力学的エネルギーの値を勝手に書き込んでいきましょう。

力学的エネルギーの保存

  • A点
    高さが一番低いところからみて3のところにあるので、勝手に位置エネルギーを3とします。ここから動き出すので運動エネルギーーは0です。その和である力学的エネルギーは3になります。
  • B点
    A点から転がってきて一番低いところに来ました。位置エネルギーが全て運動エネルギーに移り変わるので、位置エネルギーは0、運動エネルギーは3になります。力学的エネルギーは空気の抵抗や摩擦がないので3のまま変わりません。
  • C点
    高さが2のところまで上がってきたので、位置エネルギーは2、力学的エネルギーは3のまま変わらないはずなので、運動エネルギーは1となります

力学的エネルギーの保存の練習問題

  1. エネルギーとは、他の物体に何をする能力のことか。
  2. 位置エネルギーは、物体の何と何に比例して大きくなるか。
  3. 運動エネルギーは、物体の質量に比例し、何の2乗に比例するか。
  4. 物体の質量を3倍、速さを2倍にすると運動エネルギーは何倍になるか。
  5. 位置エネルギーと運動エネルギーの和を何というか。
  6. 空気の抵抗や摩擦がない場合、5はどうなるか。
  7. 6のことを何というか。
  8. 10mの高さにある物体が、斜面を下って6mの高さA点を通過し、最下点の0m地点を通過した。最下点を通過するときの運動エネルギーはA点を通過するときの運動エネルギーの何倍か。

解答

  1. 仕事
  2. 高さと質量
  3. 速さ
  4. 3×22=12倍
  5. 力学的エネルギー
  6. 一定なる。
  7. 力学的エネルギーの保存(力学的エネルギー保存の法則)
  8. 2.5倍

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