化学電池の問題演習を行います。化学電池は入試や定期テストで頻出の問題です。確実に解けるようになりましょう。
化学電池の確認問題
- 化学変化により化学エネルギーを電気エネルギーに変化する装置を何というか。
- 塩酸に次の組み合わせの板を入れたとき、電池として電流が流れるものをすべて選べ。
ア 銅と銅 イ ガラスと鉄 ウ 亜鉛と銅 エ 鉄と鉄 オ 銅と鉄 - 次の水溶液のうち電池として電流が取り出せる水溶液をすべて選べ。
ア 蒸留水 イ アンモニア水 ウ 食塩水 エ 砂糖水 オ エタノール - 金属のイオンへのなりやすさを何というか。
- 次の金属の中で、イオン化傾向が一番大きい金属を選べ。
ア 鉄 イ マグネシウム ウ 銅 エ 亜鉛 オ アルミニウム - うすい塩酸に亜鉛板と銅板を入れて電池をつくったとき、水素が発生するのはどちらの金属板か。
- 6のとき、電子は亜鉛板と銅板のどちらからどちらに移動しているか。
- 6のとき、亜鉛板と銅板のどちらが+極になっているか。
- 6のとき、水溶液中に増加していくイオンは何イオンか。イオン式で書け。
- 電池から電流が流れる現象を何というか。
- 二次電池とはどのような電池か
解答
- 化学電池
- ウ、オ
- イ、ウ
- イオン化傾向
- イ
- 銅板
- 亜鉛板から銅板
- 銅板
- Zn²⁺
- 放電
- 充電ができる電池。
【練習問題❶】化学電池
図のように、うすい塩酸の中に亜鉛板と銅板を入れ、モーターに接続したところ、モーターが一定の方向に回転した。これについて、次の各問いに答えなさい。
(1)図の装置では、化学変化を利用して、( ① )エネルギーを( ② )エネルギーに変換している。①と②のエネルギーを答えなさい。
(2)図のように化学変化を利用して電流を取り出す装置を何というか。
(3)図の装置でモーターが回転しているとき、電流の向きとして正しいものはaとbのどちらか。記号で答えなさい。
(4)次の文は、図の装置に電流が流れる仕組みについて説明したものである。文中の亜①、②の{ }の中からそれぞれ適当なものを選び、記号で答えなさい。また、( ③ )と( ④ )にあてはまる数字や語句をそれぞれ答えなさい。
(5)うすい塩酸の代わりに、次のア~エの液体を使った場合、モーターが回転するものをすべて選び、記号で答えなさい。
ア 砂糖水 イ 食塩水 ウ エタノール エ 水酸化ナトリウム
(6)実験の電池は、充電ができない一次電池に分類される。これとは別に充電して繰り返し使える二次電池もある。下の中から二次電池になるものをすべて選び、記号で答えよ。
ア アルカリ乾電池 イ 鉛蓄電池 ウ ニッケル水素電池 エ マンガン乾電池
【解答・解説❶】化学電池
(1)①化学 ②電気
化学電池は、化学変化によって化学エネルギーを電気エネルギーに変化する装置です。
(2)化学電池(電池)
化学電池では、電解質水溶液に2種類の異なる金属を入れることで化学変化を起こし、電流を取り出しています。
(3)a
亜鉛板と銅板で、イオン化傾向が大きな金属は亜鉛板、小さな金属は銅板です。イオン化傾向が大きな亜鉛は、水溶液中に溶けだし電子を放出します。この電子が導線を移動するので、亜鉛板は-極になります。電流は電子が移動する向きとは逆向きになるので、銅板から亜鉛板に流れます。したがって、電流の向きはaになります。

(4)①ア ②ア ③水素 ④2
イオン化傾向が大きな亜鉛板がうすい塩酸に溶けだし、電子を放出します。放出された電子は導線を通り、銅板に移動し、銅板の表面で塩酸中の水素イオンが電子を受けとり、水素原子に戻り、水素原子が2個結びつき水素分子となって発生します。
(5)イ、エ
電解質が溶けた水溶液なら何でも大丈夫です。非電解質を覚えておきましょう。
❶砂糖
❷エタノール
❸デンプン
(6)イ、ウ
充電ができ繰り返し使える電池が二次電池です。一次電池と二次電池は以下のものを覚えておけば十分でしょう。
・二次電池…鉛蓄電池、リチウム電池、ニッケル水素電池
【練習問題❷】イオン化傾向と化学電池
図のように、発泡ポリスチレンの板に金属板Aと金属板Bを差し込み、うすい塩酸の中に入れた。この金属板に導線をつけ、電子オルゴールに接続し、電子オルゴールが鳴るか調べた。このとき使った金属板の組み合わせは下の通りである。次の各問いに答えなさい。
金属板A | 金属板B | |
実験1 | 鉄 | 鉄 |
実験2 | 銅 | 亜鉛 |
実験3 | マグネシウム | 亜鉛 |
実験4 | マグネシウム | 銅 |
(1)実験1~実験4の組み合わせで、電子オルゴールが鳴るものはどれか。すべて選び実験番号で答えなさい。
(2)(1)の中で、最も大きな音で電子オルゴールが鳴ったものはどれか。実験番号で答えなさい。
(3)実験1~実験4で、電子オルゴールの音が鳴っているとき、金属板Aと金属板Bのどちらから泡が発生しているか。また、発生している泡は何という気体か。気体の名称を答えなさい。
(4)実験1~実験4で、電子オルゴールの音が鳴っているとき、電子は金属板Aと金属板Bのどちらからどちらに移動しているか。
(5)実験1~実験4の組み合わせで、電子オルゴールとの接続を逆にすると音が鳴るものはどれか。実験番号で答えなさい。
【解答・解説❷】イオン化傾向と化学電池
(1)実験3、実験4
金属のイオン化傾向は、Mg>Al>Zn>Fe>Cuの順になります。マグネシウムが最もイオンになりやすく、銅がもっともイオンになりにくいです。イオン化傾向の異なる金属を電解質水溶液である塩酸に入れると、イオン化傾向の大きな金属が溶けてイオンになります。このとき、電子を放出します。放出された電子は導線を通り、もう一方の金属板にやってきます。この電子を水溶液中の水素イオンH⁺が受けとり、イオン化傾向の小さな金属からは水素が発生します。電子オルゴールは、電池の+極と+端子、電池の-極と-端子が接続されているときに音が鳴ります。

(2)実験4
イオン化傾向の差が大きな金属の組み合わせのとき、最も大きな電圧が生じます。したがって、MgとCuの組み合わせになります。
(3)金属板:B 気体:水素
イオン化傾向の大きな金属が溶けてイオンになり、イオン化傾向の小さな金属からは水素が発生します。電子オルゴールが鳴っている実験は3と4で、金属板Bの方に、イオン化傾向が小さい金属があります。
(4)金属板Aから金属板B
金属板Aがイオン化傾向が大きい金属で、金属が溶け電子を放出しています。
(5)実験2
実験2の金属でイオン化傾向が大きい金属は亜鉛、小さい金属は銅です。
コメント
練習問題2の実験3では亜鉛が負極になることがあります。問題としては不適切かもしれません。
ご指摘ありがとうございます。
早速修正させていただきました。