4つの社会保障制度(社会保険・公的扶助・社会福祉・公衆衛生)の比較と違いをまとめています。入試でもこのような比較対象となるべき項目はよく出題されます。社会保障について、公民でも終盤に習うこともあって、ないがしろにされがちですので、しっかりここで覚えておきましょう。それでは、4つの社会保障制度(社会保険・公的扶助・社会福祉・公衆衛生)の比較と違いです。
日本の社会保障制度
わが国の社会保障制度は、憲法第25条の「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」(生存権)という規定に基づいて、社会保障制度が整備されてきました。
わが国の社会保障制度は、社会保険・公的扶助・社会福祉・公衆衛生の4つの柱で構成されています。
社会保障
保障 | 社会保険 | 公的扶助 | 社会福祉 | 公衆衛生 |
内容 | 個人と会社が保険料を支払い、病気になったり高齢なったりした時に給付を受ける | 生活に困ってる人々に生活費や教育費などを支給する | 自立が困難な人々の生活を保障し、福祉を向上させる | 感染症の予防などを行う |
社会保険
日常生活の中で「社会保険」という言葉が使われる場合、会社で加入する健康保険と厚生年金のことを指すケースが多いように思われます。実際には狭義での社会保険とは、「医療保険」、「年金保険」、「介護保険」の3つのことを指します。
公的扶助
生活に困窮し日常生活を営むことが難しい人に対して、国が最低限の生活を保障する制度。日本国憲法で規定されている「健康で文化的な最低限の生活を営む権利」の保障を実現するもので、生活保護がこれに該当する。医療扶助、生活扶助。住宅扶助などがあり、これは生活保護法に基づいて行われます。
社会福祉
生活困窮者、身寄りのない老人・児童、身体障害者など、社会的弱者に対する公私の保護および援助。生活保護法・児童福祉法・母子及び寡婦福祉法・老人福祉法・身体障害者福祉法・知的障害者福祉法などによって国や地方公共団体が行うものや社会福祉法によって社会福祉法人が行うものなどがある。
公衆衛生
地域社会の人々の健康の保持・増進をはかり、疾病を予防するため、公私の保健機関や諸組織によって行われる衛生活動。母子保健・学校保健・老人保健・環境衛生・生活習慣病対策・感染症予防など。
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