古典の基礎である仮名遣いについてまとめています。「ゐ」「ゑ」「はう」など、昔の文章に出てくる少し不思議な仮名遣いを見たことはありますか?これは「歴史的仮名遣い」と呼ばれ、古い時代の日本語の表記法です。現代では「現代仮名遣い」が使われており、学校のテストや高校入試でも「歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに直す問題」がよく出題されます。
しかし、「どうやって変えればいいの?」「覚え方のコツはある?」と悩む人も多いはず。そこで今回は、歴史的仮名遣いのルールをわかりやすく解説し、練習問題を通してしっかり理解できるようにします。これを読めば、どんな単語もスムーズに変換できるようになりますよ!さっそく見ていきましょう。
歴史的仮名遣い
現代文に使われている仮名遣いを現代仮名遣いといい、古文に使われている仮名遣いを歴史的仮名遣いといいます。古文を読み解くには、仮名遣いの練習が必要になります。ここをいい加減にすると古文読解は上達しません。
歴史的仮名遣いを現代仮名遣いにするルール
古文の歴史的仮名遣いを現代仮名遣いにするときに、いくつかのルールがあります。
<ルール1>ハ行
単語の最初にないハ行の文字は「わ・い・う・え・お」にする!
- あはれ→あわれ
- おもひ→おもい
- 笑ふ→笑う
- かへす→かえす
- かほ→かお
語尾に来る助詞「は」は、もちろんそのままです。「こんにちは」を「こんにちわ」にしないようにしましょう。
<ルール2>ワ行
ワ行の「ゐ・ゑ・を」はア行の「い・え・お」にする!
- 用ゐる→用いる
- をとこ→おとこ
- こずゑ→こずえ
語尾に来る助詞「を」は、もちろんそのままです。「古文を読む」を「古文お読む」にしないようにしましょう。
<ルール3>ダ行
「ぢ・づ」はザ行の「じ・ず」にする!
- はぢ→はじ
- よろづ→よろず
<ルール4>マ行
「む」は「ん」にする!
- やむごとなし→やんごとなし
<ルール5>カ行
「くゎ・ぐゎ」は「か・が」にする!
- くゎんげん→かんげん
- ぐゎいじん→がいじん
<ルール6>ア段音+「う・ふ」
ア段音+「う」または「ふ」はア段音が同じ行のオ段音にする!
- やうやう→ようよう
- かうし→こうし
<ルール7>イ段音+「う・ふ」
イ段音+「う」または「ふ」は「う・ふ」を「ゅう」にする!
- りうぐう→りゅうぐう
- しんにふ→しんにゅう
<ルール8>エ段音+「う・ふ」
エ段音+「う」または「ふ」はエ段音をイ段音に変えて「う・ふ」を「ょう」にする!
- てふてふ→ちょうちょう
- てうし→ちょうし
ただし、「えう」は「よう」になることが例外としてあります。
古典の意味に注意する
- 現代語と同じ形でも、主な意味が現代では変わってしまった言葉
(例)うつくし…現代語の「美しい」は、主に「きれいだ」という意味を表しますが、古典語では「(小さくて)かわいらしい」様子を表すことが多いです。 - 現代では使われなくなった言葉 (例)あまた…「たくさん」という意味
【問題】歴史的仮名遣い・現代仮名遣いの練習問題
【問1】次の文章の傍線部を現代仮名遣いに直しなさい。
- 木の陰に下り①ゐて、②かれいひ③食ひけり。
- ①やうやう白くなりゆく②山ぎは、すこしあかりて…。
- ①くゎんぱく殿、黒戸より出でさせ②たまふとて…。
- 野分のまたの日こそ、①いみじう②あはれに③をかしけれ。
【問2】次の文章を読んで、次の問に答えなさい。
<問>
- 「なむいひける」を現代仮名遣いにせよ。
- 「寄りて見る」には、だれの動作か。4語で抜き出せ。
- 「三寸ばかりなる人」の後に補うことのできる言葉は、「が」「を」「に」「と」のどれか。
- 「あやしがりて」の現代語訳をかけ。
- 「うつくしうてゐたり」の現代語訳をかけ。
- 現代語の「まこと」という意味の古典語を、本文から抜き出せ。
【解答】歴史的仮名遣い・現代仮名遣いの練習問題
【問1】
- ①いて ②かれいい ③食い
- ①ようよう ②山ぎわ
- ①かんぱく ②たもう
- ①いみじゅう ②あわれに ③おかしけれ
【問2】
- なんいいける
- 竹取の翁
- が
- 不思議に思って
- かわいらしい様子で座っていた
- いと
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