中学国語の「枕草子(古典)」について学びます。中学国語で学ぶ『枕草子』は、清少納言が書いた随筆文学の代表作です。しかし、「内容をうまくまとめられない」「テストに出るポイントがわからない」と悩む人も多いのではないでしょうか?この記事では、『枕草子』の要点をわかりやすく解説し、テスト対策に役立つ練習問題も用意しました。しっかり理解して、高得点を目指しましょう!
枕草子(第一段)の要点
枕草子(第一段)の四季(春・夏・秋・冬)についての清少納言の感じ方や話の流れをみていきましょう。「春はあけぼの」「夏は夜」「秋は夕暮れ」「冬はつとめて」のあとに続く、「~(が)をかし。」を省略して余韻を持たせているのがポイントです。また、「つきづきし」「わろし」など清少納言の感性を表す表現も数多くあり、読み手を楽しませてくれます。
| 季節 | 要点 |
|---|---|
| 春 | – 花の美しさ(特に桜)や新緑の喜びが描かれる。 |
| – 温かい日差しや動物の活動が感じられ、生命の息吹が表現される。 | |
| 夏 | – 蝉の声や暑さ、祭りの賑わいが強調され、活気に満ちた様子が描かれる。 |
| – 短い夏の夜の楽しみや風流が表現され、情緒豊かな描写がある。 | |
| 秋 | – 紅葉の美しさや収穫の喜びが描かれ、秋の深まりが感じられる。 |
| – 寂しさや物悲しさも表現され、季節の移ろいに対する感慨がある。 | |
| 冬 | – 雪景色や寒さ、静けさが強調され、冬の厳しさが描かれる。 |
| – 冬の楽しみ(温かい食事や火の側での団欒)も表現され、対比がある。 |
「をかし」は、登場人物や状況に対して感動や共感を表現するために使われることが多いです。特に清少納言の枕草子では、日常の中の美しさや奇妙さに対して感嘆の気持ちを込めて使われています。
春はあけぼの
春は、明け方の山ぎわが明るくなっていく様子や紫がかった雲が補足たなびいている様子に風情がある。
夏は夜
夏は夜。月のことはもちろん、闇の中に蛍が飛び交う様子や雨が降るのもいい。
秋は夕暮れ
<原文>秋は夕暮れ。夕日のさして、山の端いと近くなりたるに、烏(からす)の、寝所(ねどころ)へ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど、飛び急ぐさへ、あはれなり。まいて、雁(かり)などのつらねたるが、いと小さく見ゆるは、いとをかし。日入りはてて、風の音、虫の音など、はた、言ふべきにあらず。
秋は夕暮れ。夕日が差すころに飛び急ぐ烏(からす)や、雁(かり)の列、日が沈んでからの風の音、虫の音がまたすばらしい。
冬はつとめて
冬は早朝。雪が降るのはもちろん、霜の白さも、寒い中、炭を持って歩くのも似つかわしく、風情がある。昼になり、火桶の火が灰ばかりになるのはよくない。
【対策問題】枕草子
次の文章(古文)を読んで、次の問いに答えなさい。
春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎはすこしあかりて、むらさきだちたる雲のほそくたなびきたる。夏は夜。月のころはさらなり、やみもなほ、ほたる飛びちがひたる。また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。雨など降るもをかし。秋は夕暮れ。夕日の差して山の端いと近うなりたるに、烏の寝所へ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど飛び急ぐさへあはれなり。まいて雁などの連ねたるが、いと小さく見ゆるは、いとをかし。日入りはてて、風の音、虫の音など、はた言ふべきにあらず。冬はつとめて。雪の降りたるは言ふべきにもあらず、霜のいと白きも、またさらでもいと寒きに、火など急ぎおこして、炭もてわたるも、いとつきづきし。昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、火桶の火も、白き灰がちになりてわろし。 (枕草子 第一段)
(1)「春はあけぼの」「なるは夜」「秋は夕暮れ」「冬はつとめて」とあるが、作者、これらをどんなものとして挙げているのか。古文中から三文字で抜き出せ。
(2)古文中に出てくる、「やうやう」と「なほ」を現代仮名遣いにせよ。ただし、すべてひらがなで書け。
(3)古文中に出てくる、「一つ二つ」、「三つ四つ、二つ三つ」は、ぞれぞれ、何の数を表しているのか。古文中から抜き出せ。
(4)古文中に「いとづきづきし」とあるが、何の様子が何に似つかわしいというかたちで説明せよ。
【解答】枕草子
- をかし
- 「やうやう」→ようよう、「なほ」→なお
- 「一つ二つ」→蛍、「三つ四つ、二つ三つ」→烏
- 急いで火をおこした炭を持って廊下などを通っていく様子が、冬の早朝に似つかわしい。
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