中2数学の「証明」について、しくみ・流れから代表問題の解法パターンまでふれています。それでは、中2数学の「証明」をみていきましょう。
証明とは?
証明とは、あることことがらが成り立つことを、すじ道を建てて明らかにすることです。
仮定と結論
「AならばBである」のような形でいい表されることがらの、Aの部分を「仮定」(与えられてあらかじめわかっていること)、Bの部分を「結論」(Aから導こうとしていること)といいます。
●例題
次のことがらについて、仮定と結論をそれぞれ答えよ。
(1)2つの直線が平行ならば、同位角は等しい。
(2)xが15の倍数ならば、xは3の倍数である。
●解説
「AならばBである」のような形でいい表されることがらで、Aの部分を「仮定」、Bの部分を「結論」というので、
●解答
(1)仮定…2つの直線が平行 結論…同位角は等しい
(2)仮定…xが15の倍数 結論…xは3の倍数
証明の流れ
<合同な三角形を証明する場合>
( )=( )(根拠・理由)…①
( )=( )(根拠・理由)…②
( )=( )(根拠・理由)…③
①②③より( 合同条件 )より
△( )≡△( )
●三角形の合同条件
➊3辺がそれぞれ等しい
➋2辺とその間の角がそれぞれ等しい
➌1辺とその両端の角がそれぞれ等しい
●直角三角形の合同条件
➊斜辺と他の1辺がそれぞれ等しい
➋斜辺と1つの鋭角がそれぞれ等しい
根拠・理由になることがら
- 仮定
- 共通な辺、共通な角
- 対頂角は等しい
- 平行線による同位角は等しい
- 平行線による錯角は等しい
- 三角形の内角と外角の性質
- 多角形の内角の和、外角の和
- 平行四辺形の性質
- 二等辺三角形の性質
- ひし形の性質
- 正方形の性質
など
直角三角形の合同条件
- 斜辺と1つの鋭角がそれぞれ等しい
- 斜辺と他の1辺がそれぞれ等しい
直角三角形が合同になる証明
次の図の2つの直角三角形が合同になることを「直角三角形の斜辺と1つの鋭角がそれぞれ等しいとき、三角形は合同になること」を証明します。
△ABCと△DEFにおいて
仮定より AB=DE…①
仮定より ∠ABC=∠DEF=30°…②
三角形の内角の和は180°だから ∠BAC=∠EDF…③
①②③より 1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいので、
△ABC≡△DEF
代表的な証明パターン練習問題
【問1】次の図で、AB=CB、BDは∠ABCの二等分線です。このとき。AD=CDとなることを証明せよ。
【問2】次の図で、線分ABの中点をMとし、Mを通る線分CDを∠CAM=∠DBMとなるようにとると、AC=BDになることを証明せよ。
【問3】次の図で、AB=ACの二等辺三角形ABCで、頂点Bから辺ACに垂線をひき、その交点をD、また、頂点Cから辺ABに垂線をひき、その交点をEとします。このときAD=AEになることを証明せよ。
【問4】次の図のように、BD=CDが等しく、∠ABD=∠ACD=90°の2つの三角形があるとき、∠ADB=∠ADCであることを証明せよ。
練習問題の解答
【問1】
△ABDと△CBDにおいて
仮定より AB=CB…①
仮定より ∠ABD=∠CBD…②
共通な辺より BD=BD…③ (BDは共通でも)
①②③より、2組の辺とその間の角がそれぞれの等しいので
△ABD≡△CBD
合同な図形では、対応する辺の長さは等しいので、
AC=CD
【問2】
△ACMと△BDMにおいて
仮定より AM=BM…①
仮定より ∠CAM=∠DBM…②
対頂角より ∠AMC=∠BMD…③
①②③より、1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいので
△ACM≡△BDM
合同な図形では、対応する辺の長さは等しいので、AC=BD
【問3】
△ABDと△ACEにおいて
仮定より AB=AC…①
∠ADB=∠AEC=90°…②
共通な角より ∠BAD=∠CAE…③
①②③より 直角三角形の斜辺と1つの鋭角がそれぞれ等しいので、
△ABD≡△ACE
直角三角形の合同条件を使った証明では、次のことを頭においておきましょう。
- 斜辺が等しいこと
- 直角があること
- 1つの鋭角または、他の1辺が等しいこと
以上であれば、直角三角形の合同条件を使った証明ができます。
【問4】
△ABDと△ACDにおいて
仮定より BD=CD…①
仮定より、∠ABD=∠ACD=90°…②
共通な辺より AD=AD…③
①②③より、直角三角形の斜辺と他の1辺がそれぞれ等しいので
△ABD≡△ACD
合同な図形では、対応する角は等しいので、
∠ADB=∠ADC
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