中学歴史。人類がどのようにあらわれたのか。世界の古代文明と宗教の誕生、そして日本の起こりについて学習します。打製石器が使われた旧石器時代までのまとめを行います。
世界の人類である猿人の誕生
今から約700万年前~600万年前に、最古の人類とされる猿人が誕生します。そして、約200万年前には原人が登場します。このころは、旧石器時代に区分され、石を打ち欠いてつくる、単純な打製石器が使われていました。旧石器時代は、狩りや採集をし、移動しながら洞穴などで生活をおくります。農耕・牧畜が開始される約1万年前まで続きます。
その後、約20万年前には現在の人類の直接の祖先、新人(ホモ・サピエンス)が登場します。約1万年前には、石を磨いて作る磨製石器・土器が使用されるようになり、農耕・牧畜も開始され新石器時代がスタートします。
人類の進化●猿人(アウストラロピテクス)
アフリカで出土した最古の人類。約400万年前。
●原人(ホモ・エレクトス)
中国の北京やジャワ島で出土。石器の他に火を使用。約200万年前。
●新人(ホモ・サピエンス、クロマニョン人)
現代人の直接の祖先。打製石器を使用。
●新石器時代…磨製石器や土器を使い、農耕や牧畜が始まった時代。
人類の誕生からの年表
最古の人類とされる猿人の誕生から、三大宗教の仏教・キリスト教・イスラム教が誕生するまで年表で表してみます。
年号 | 出来事 |
約700万年前 | 猿人がアフリカに出現 |
約200万年前 | 原人が出現 |
約20万年前 | 新人(ホモ・サピエンス)が出現 |
約1万2000年前 | 日本列島の形成 |
約1万年前 | 世界では農耕・牧畜が始まる |
紀元前3000年頃 | エジプト文明・メソポタミア文明がおこる |
紀元前2500年頃 | インダス文明がおこる |
紀元前1600年頃 | 中国文明(殷)がおこる |
紀元前5世紀ごろ | シャカが仏教を説く |
紀元前4世紀ごろ | 日本で稲作が始まる、弥生時代スタート |
紀元前221年 | 秦の始皇帝が中国を統一 |
紀元前202年 | 漢が中国を統一 |
紀元前後 | イエスがキリスト教を説く |
7世紀 | ムハンマドがイスラム教を説く |
四大文明
紀元前に、世界では四大文明が起こりました。場所はアジア・アフリカです。大河の流域に文明が発達しましたので、川の名称もあわせて覚えるようにしましょう。
- エジプト文明…紀元前3000年ごろ
アフリカのナイル川流域。王の墓であるピラミッド、象形文字(ヒエログリフ)、太陽暦が特徴。 - メソポタミア文明…紀元前3000年ごろ
西アジアのチグリス・ユーフラテス川流域。くさび形文字、太陰暦、60進法が特徴。 - インダス文明…紀元前2500年ごろ
インド・パキスタンを流れるインダス川流域。排水施設が特徴。 - 中国文明(殷)…黄河流域に殷が起こる。
青銅器、甲骨文字(漢字のもと)が特徴
エジプト文明とメソポタミア文明の地域をまとめて、オリエントと呼びます。
四大文明の比較
文明 | エジプト文明 | メソポタミア文明 | インダス文明 | 中国文明 |
時期 | 紀元前3000年 | 紀元前3000年 | 紀元前2500年 | 紀元前3000年 |
大河 | ナイル川 | チグリス川 ユーフラテス川 |
インダス川 | 黄河 |
特徴 | ・太陽暦 ・象形文字 ・ピラミッド |
・太陰暦 ・くさび形文字 ・ハンムラビ法典 |
・インダス文字 ・モヘンジョダロ (排水施設がある遺跡) |
・甲骨文字 ・殷 |
中国の古代王朝
中国の王朝は、殷→周→春秋戦国時代→秦→漢と王朝が変わります。春秋戦国時代に孔子が儒教を説き、紀元前3世紀に秦の始皇帝が中国を統一し万里の長城を築きます。漢の時代にはシルクロード(絹の道)を通じて、ヨーロッパとの交流も栄えました。
- 万里の長城…北方の遊牧民族の侵入を防ぐためにつくられた。
- シルクロード(絹の道)…漢の時代。東西の文化が交流した。
殷→周→秦→漢→晋→隋→唐→宋→元→明→清→中華民国→中華人民共和国
地中海の文明
四大文明よりも後になると、地中海周辺で文明が起こります。ギリシャ文明とローマ文明を押さえておきましょう。
- ギリシャ文明…紀元前8世紀ごろ。アテネで都市国家ポリスが発達。
成年男子が全員参加する直接民主政治が行われた。パルテノン神殿。 - ローマ文明…紀元前1世紀ごろローマ帝国が成立。
道路・水道・コロセウム(闘技場)などの施設。キリスト教が国教。
ギリシャ文明とオリエント文明が融合して生まれた文化をヘレニズム文化といいます。
宗教の誕生
人々の心のよりどころである宗教の誕生についてもまとめています。三大宗教のキリスト教・イスラム教・仏教について、いつにどこで生まれたのか見ていきます。
仏教 | キリスト教 | イスラム教 | |
時代 | 紀元前5世紀ごろ | 紀元前後 | 7世紀 |
開祖 | シャカ(釈迦) | イエス | ムハンマド |
場所 | インド | パレスチナ | アラビア半島 |
【日本のおこり】旧石器時代
今から約1万年前ぐらいまでは氷河時代で、現在よりも海面が低く、ユーラシア大陸と日本列島は陸続きでした。
人々は、大型のナウマン像やオオツノジカなどの獲物を追って日本列島に移り住みます。このことは、ナウマンゾウなどの化石が、長野県の野尻湖をはじめ日本の各地で発掘されていることからわかります。時代区分は旧石器時代です。
狩りと石器
日本列島には、何万年も前から人々が住み、石でつくった道具(石器)を使い、狩りなどをしてくらしていた。このことは、日本の各地から、1万2000年以上前の石器や動物の骨や角でつくった道具(骨角器)が発見されていることからわかります。
1万年以上前の遺跡が最初に発見されたのは、群馬県の岩宿遺跡で、1946(昭和21)年のことでした。この近くに住んでいた相沢忠洋という青年が発見し、学者たちが発掘して、打製石器が見つかります。こうしてはじめて、日本列島にも旧石器時代から人が住んでいたことがわかったのです。
このころの生活
日本列島は酸性土壌のため、リン酸カルシウムの骨は残りにくく、発見された人骨の数はあまり多くはありません。また、10人程度の小集団で、一か所に長期間定住することはなく、小集団で、獲物を求めて一定の範囲を移動していました。そのため、テント式の小屋や一時的に岩かげや洞くつを住居にしたと考えられています。
日本人の祖先
1万2000年以上前、日本列島に住んでいた人々は、ユーラシア大陸からやってきたと考えられています。その後も日本列島には大陸の北や南から人々が移り住み、血がいりまじって、しだいに日本人の祖先が形づくられてきたと考えられています。
実際に、1万2000年以上前に日本列島に住んでいた人の骨が化石となって発掘されています。骨は土の中に埋まると、数百年もたてば、とけてなくなってしまいますが、化石になると、その形が残ります。1万2000年以上前の人の骨は、静岡県浜松市浜北区、沖縄県八重瀬町港川などでの発見が報告されています。
入試でよく登場する貝塚、古墳をまとめておきます。
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