中学2年理科。生活活動のエネルギーをつくりだす大切なはたらきである細胞の呼吸と、植物細胞・動物細胞のつくりを詳しく見ていきます。記述で細胞の呼吸について説明できるようになること、植物と動物の細胞の違いを説明できるようになることがポイントです。
細胞とは
生物はすべて細胞からできています。ゾウリムシなどの単細胞生物もヒトのような大きな多細胞生物もやはり細胞が集まってできているのです。つまり、細胞とは生物の基本単位といえるのです。
ヒトは約60兆個の細胞が集まってできているといわれますが、最近では約37兆個という説も出ています。どちらにせよ、ものすごく多くの細胞でできている多細胞生物になることがわかります。
動物細胞と植物細胞
動物細胞と植物細胞では、植物細胞の方が複雑なつくりをしています。動物、植物両方の細胞に見られるつくりとして、次の3つを覚えておきましょう。
❷細胞質
❸細胞膜
植物細胞だけに見られるつくりは、次の3つです。
❷液胞
❸細胞壁
細胞のつくりのそれぞれのはたらきも覚えましょう。
- 核
染色体を含み、遺伝に関する大切な情報を保管している - 細胞質
液体で満たされていて、細胞の呼吸などさまざまな化学変化が起きている - 細胞膜
細胞内外の物質の移動に関与している - 葉緑体
光を浴びて光合成をする - 液胞
不要物などいろいろな物質を蓄えている - 細胞壁
頑丈なつくりで植物の体を支える働きがある
酢酸カーミン液
核や染色体を赤色に染め観察しやすくる染色液です。酢酸カーミン液の他に、酢酸オルセイン液も同じく、核や染色体を赤色に染色します。
単細胞生物と多細胞生物
ゾウリムシやミカヅキモ、ミドリムシのように1個の細胞で生きている生物を単細胞生物といいます。単細胞生物の細胞は、1個の細胞ですべての生命現象を行っているので、大きな細胞になります。
ヒトのように多くの細胞でできている生物を、多細胞生物といいます。多細胞生物は多くの細胞でできていますので、次の組織や器官という細胞の集まりも覚えてください。
組織と器官
組織とは、同じはたらきをする細胞が集まってできたものです。筋組織や表皮組織などがあります。
器官とは、いろんな組織が集まってできたものです。胃や小腸、脳、肺などが器官になります。そして、色んな器官が集まり個体ができるのです。次の順番をしっかりと覚えておきましょう。
細胞<組織<器官<個体
細胞の呼吸とは
細胞の呼吸とは、全身の細胞で生活活動を行うためのエネルギーをつくりだすことです。生み出されたエネルギーを使って、生物は筋肉を動かしたり、体温を一定に保ったりしています。
この細胞の呼吸は、細胞質で行われます。厳密には細胞質にあるミトコンドリアというつくりで行っています。
どうやってエネルギーを生み出しているのか
では、生物は細胞の呼吸でどのようにエネルギーを生み出しているのでしょうか。
細胞の呼吸に必要な物質は「酸素」とブドウ糖や脂肪のような「養分」です。エネルギーを生み出すためには、血液が運んできた酸素と養分を結びつける、つまり酸化という化学変化を起こしてエネルギーをとり出します。
細胞の呼吸でエネルギーをとり出す際に使われる養分は、ブドウ糖や脂肪などの有機物ですので、炭素Cや水素Hなどの原子を含んでいます。したがって、エネルギーをとり出した後は、二酸化炭素と水が発生します。
養分C、H+酸素O₂→二酸化炭素CO₂+水H₂O+エネルギー
細胞での物質のやり取り
全身の細胞に酸素や養分を運搬しているのが血液です。また、細胞でできた二酸化炭素などの不要物を運ぶのも血液です。
- 酸素
赤血球が運んで血しょうに渡し、血しょうが血管からしみ出し組織液となり細胞に渡している。 - 養分
血しょうが運び、血管からしみ出して組織液となり細胞に渡している。 - 二酸化炭素
細胞から組織液が受けとり、血管に入り血しょうとなって運ぶ。 - その他の不要物
細胞から組織液が受けとり、血管に入り血しょうとなって運ぶ。
つまり、酸素は赤血球が運び、それ以外の物質はすべて、液体成分である血しょうが運んでいるのですね。
細胞の呼吸記述問題
細胞の呼吸では記述問題が出されます。語群をうまく使って書けるように練習してください。
- 語群「酸化」「エネルギー」
細胞内で養分を酸化させ、エネルギーを得ること - 語群「二酸化炭素」「分解」
細胞内で養分を酸素を使って二酸化炭素と水に分解するときにエネルギーを得ること。
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