生態系とは、生物と環境が関わり合いながら成り立つ仕組みのことです。私たちの身の回りには、さまざまな生物が共存し、食物連鎖によってつながっています。この関係を図に表したものが生態ピラミッドです。
中学3年の理科では、この「生態系」「食物連鎖」「生態ピラミッド」が頻出テーマとして扱われ、定期テストや高校入試でもよく出題されます。特に、「生産者・消費者・分解者の関係」や「エネルギーの流れ」について正しく理解しておくことが重要です。
この記事では、生態系の基本ルールや食物連鎖の仕組み、生態ピラミッドの特徴をわかりやすく解説!テストでよく出るポイントも紹介するので、しっかり復習して得点アップを目指しましょう!
生物のつながり「食物連鎖」
食物連鎖とは、食べる・食べられるという関係による生物どうしのつながりのことをいいます。すべての生物が食物連鎖に組み込まれており、複雑に影響し合いながら生活しているのです。
どの生物が、どの生物を食べているのかをしっかりと覚えておきましょう。→は有機物の移動を表しており、入試などでは、「間違っている矢印を選べ」という問題をよく見かけます。
食物網
食物網とは、食物連鎖が複雑な網の目のようになっていることをいいます。食物連鎖と間違えやすいので注意しましょう。
- 食べる・食べられるの関係→食物連鎖
- 食物連鎖が複雑な網に目のようになっていること→食物網
生態系
生物だけでなく、生物とそのまわりの大気・水・光・土などの環境までをひとまとまりとしてとらえたものを生態系といいます。
生物の周りの環境によって、どのような生物が生息できるかが決まります。特に降水量や気温などは生態系の大きな要因となります。逆に、生物も環境に影響を与えています。
生産者
植物のことを、自然界でのはたらきから生産者といいます。なぜ生産者と呼ばれるかというと、植物は自然界で唯一、光合成のはたらきにより無機物から有機物をつくり出せるからです。
生産者である植物は、食物連鎖の出発点になります。したがって、動物よりも圧倒的に数が多くなります。
生産者になる生物
生産者は光合成を行い、有機物であるデンプンを作り出せる植物です。次のようなものも生産者となりますので覚えておきましょう。
- 植物
- 落ち葉
落ち葉は、土の中の食物連鎖のスタートになります。枯れていますが有機物が詰まっているのです。
消費者
動物のことを、自然界で消費者といいます。消費者である動物は、自分で有機物をつくりだすことができないため、生産者がつくりだした有機物を食べることで生きています。
草食動物は、生産者(植物)を直接的に、肉食動物は間接的に利用しています。
草食動物?肉食動物?
どの生物が草食動物で、どの生物が肉食動物なのかわからない生徒が多いので、ここで簡単に確認しておきましょう。
- 草食動物…バッタ、ウサギ、ネズミ、ダンゴムシ、ミミズ、トビムシ、ダニ、動物プランクトンなど
- 肉食動物…カエル、イタチ、キツネ、ヘビ、タカ、オサムシ、カニムシ、クモ、ムカデ、モグラなど
昆虫がわかりずらいですが、ここで紹介しているものは頭の片隅に入れておきましょう。
生物のつり合い
自然界の中で、生物はピラミッドの形になるように生物の数が決定されています。植物が底辺で一番多く、その上の段に消費者の草食動物、更にその上に消費者の肉食動物が来る形になります。
自然界では、生物の数に少しの変動がありますが、長い期間でみると、このピラミッドの形を保つように生態数が保たれています。
生態数の変化
何らかの生態系の変化で、草食動物の数が一時的に減少した場合、次のような変化が現れます。
- 何らかの原因で、草食動物が減少する。
- 草食動物をエサとしていた肉食動物が減少する。
草食動物に食べられていた植物が増加する。 - 天敵の肉食動物が減り、エサとなる植物も増えるので、草食動物の数が増え、元の数まで戻る。
- エサとなる草食動物が増えたので、肉食動物も元の数まで増え、草食動物によって食べられるので、植物は元の数まで減少する。
一時的に、何らかの影響で生物が増減したとしても、長い期間でみると生態数が一定に保たれるようになっています。しかし、人間の活動により、環境が破壊されたり、乱獲などにより極端に生態数が減少してしまうと、生態数を保つことができなくなり、その結果、その生態系の全ての生物が絶滅してしまう恐れもあります。
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