高校受験理科で頻出の問題を解説します。今日は光の性質で登場する「凸レンズ」に関する問題です。実像の大きさや見える向き、焦点距離に関する問題など超頻出問題を演習していきましょう。
凸レンズの実像と虚像
[問題]下の図のように、光学台に凸レンズと電球、矢印の形に穴をあけた板を固定し、スクリーンに像がはっきりと映るように、凸レンズとスクリーンの位置を変化させる実験を行った。このとき、凸レンズとスクリーンとの間の距離が30cmのとき、スクリーンにはっきりと矢印の形と同じ大きさの像が映った。次の各問いに答えよ。
- このときスクリーンに映ったような実際に光が集まってできる像を何というか。
- スクリーンに像が映るのは、次の中のどの光の性質があるからか。
ア 全反射 イ 光の直進 ウ 光の屈折 エ 光の拡散 - この凸レンズの焦点距離は何cmか。
- このときスクリーンに映った像を凸レンズとは反対側のスクリーンの裏側から見るとどのように見えるか。上のア~エの中から選べ。
- 板を凸レンズに近づけ、板と凸レンズの距離を小さくしたところ、スクリーンに映った像がぼやけたのではっきりと映るように、凸レンズとスクリーンの距離を動かした。このとき凸レンズとスクリーンの間の距離は大きくなるか。小さくなるか。
- 5のときスクリーンに映る像の大きさは、実物の矢印の大きさよりもどうなるか。
- さらに、板を凸レンズに近づけていくと、スクリーンにまったく像ができなくなった。板と凸レンズの距離を何cm以上近づけるとスクリーン上に像ができなくなるか。
- 7のときに凸レンズを通して見える、実物よりも大きく見える像を何というか。
- 8でできた像を利用したものには何があるか。次の中から1つ選べ。
ア 光ファイバー イ カメラ ウ ルーペ エ カーブミラー - 板と凸レンズとの間の距離を初めの状態に戻し、スクリーンにはっきりとした像ができる位置にスクリーンの位置を戻した後、凸レンズの下半分を黒い板でかくすと、スクリーンに映る像はどうなるか。次の中から一つ選べ。
ア 像が半分欠ける イ 像が映らなくなる ウ 暗くなる エ 変化はない
凸レンズの実像と虚像 解答・解説
- 実像
凸レンズを通過した光は屈折し、スクリーン上で集まって像をつくります。このときできた像を実像といいます。実像は実際に光が集まってできる像でスクリーンに映すことができます。 - ウ
凸レンズは光の屈折を利用した道具になります。光を屈折させることで実像や虚像をつくりだすことができます。 - 15cm
スクリーンに光源である矢印の形と同じ大きさの実像ができているので、凸レンズとスクリーンの距離は焦点距離の2倍の位置にあることがわかります。ということは、焦点距離は、30÷2=15cmが焦点距離になります。 - イ
凸レンズを通過した光は屈折し、上下左右が逆になってスクリーンに映ります。したがってスクリーンに映る像は、上下左右が逆になっているイとなります。しかし、凸レンズ側からスクリーンを見た場合はイを裏側から見たアになるので注意が必要です。 - 大きくなる
光源である板と凸レンズの距離を小さくした場合、凸レンズとスクリーンの距離は大きくしないと像がぼやけてしまいます。作図を実際に行うと答えがわかります。 - 大きくなる
光源である板を凸レンズに近づけ、凸レンズとスクリーンの間の距離を大きくすると、スクリーンに映る実像の大きさは大きくなります。 - 15cm
焦点距離が15cmですので、15cmの位置に光源である板を置くと、実像も虚像もできなくなり、15cm以内の距離に置くと虚像しかできなくなります。 - 虚像
虚像は、光源が焦点距離よりも近くにある場合にできます。凸レンズごしに見える像です。 - ウ
ルーペは虫メガネと同じで、凸レンズになっています。物体を拡大して見えるのは虚像を見ているためです。 - ウ
凸レンズの下半分を光が通らないようにおおっても、上半分から光が通り像ができます。しかし、下半分から行く光が無くなるので全体的に像は暗くなります。