【中2理科】だ液の対照実験とは?デンプンの分解とベネジクト液の反応を解説!演習問題付き

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消化と吸収でだ液のはたらきを調べる対照実験があります。ヨウ素液やベネジクト液などの試薬も登場するので、実験の内容を確認しておきましょう。

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だ液のはたらきを調べる対照実験

下の図のように、4本の試験管を準備し。試験管AとCにはデンプンのりとだ液を、試験管BとDにはデンプンのりと水を入れ、試験管AとBは40℃のお湯が入ったビーカーに、試験管CとDは氷水が入ったビーカーにそれぞれ入れます。

だ液の実験

ヨウ素液とベネジクト液

しばらくたってから、試験管内の物質がどのように変化しているのか、ベネジクト液とヨウ素液を使って調べます。それぞれの指示薬が何を調べる指示薬なのかを色の変化とともに押さえましょう。特にベネジクト液は忘れやすい指示薬です。

●ヨウ素液

デンプンを調べる指示薬で、デンプンと反応すると青紫色に変化します。ヨウ素デンプン反応といわれるものです。

ヨウ素液デンプンと反応し青紫色になる。

●ベネジクト液

デンプンが消化されてできた糖を調べる指示薬です。ベネジクト液は、糖と反応し沸騰石を入れ加熱すると赤褐色の沈殿ができます。

ベネジクト液糖と反応し、加熱すると赤褐色の沈殿ができる。

実験の結果

試験管A、B、C、Dに指示薬を入れ、色の変化を見てみると次のような変化が現れます。

試験管A 試験管B 試験管C 試験管D
入っている物質 デンプン+だ液 デンプン+水 デンプン+だ液 デンプン+水
温度 40℃ 氷水
ヨウ素液 変化なし 青紫色 青紫色 青紫色
ベネジクト液 赤褐色の沈殿 変化なし 変化なし 変化なし

試験管AとBの結果をくらべると、だ液の中の消化酵素はデンプンを糖に変えるはたらきがあることがわかります。

試験管AとCの結果をくらべると、だ液の中の消化酵素は40℃に近い温度でよくはたらくことがわかります。

この実験でわかること

この実験では次の2点が結論として導けます。

だ液の実験でわかること!❶だ液の中の消化酵素は、デンプンを糖に変えるはたらきがある。
❷だ液の中の消化酵素は、40℃に近い温度でよくはたらく。
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【問題】だ液の消化酵素の実験

だ液のはたらきを調べるために、試験管4本を準備し、各試験管に次のような操作を行った。あとの各問いに答えよ。

【操作】
試験管A:デンプンのりとだ液を入れ、40℃の湯が入ったビーカーに入れる。
試験管B:デンプンのりと水を入れ、40℃の湯が入ったビーカーに入れる。
試験管C:デンプンのりとだ液を入れ、氷水が入ったビーカーに入れる。
試験管D:デンプンのりと水を入れ、氷水が入ったビーカーに入れる。

daeki1

(1)試験管A~Dにヨウ素液を入れ、変化がみられるのはどの試験管か。記号ですべて答えよ。

(2)試験管A~Dにベネジクト液を入れ、ある操作をすると変化がみられるのはどの試験管か。記号で答えよ。

(3)(2)のある操作とはどのような操作か。簡潔に答えよ。

(4)(2)では、どのような変化がみられるか。

(5)試験管AとBに、ヨウ素液とベネジクト液を入れて色の変化を見ることで、だ液のはたらきについてわかることを簡潔に答えよ。

(6)だ液の中の成分は、ヒトの体温に近い40℃付近ではたらき、温度が低いとはたらかないことを調べるには、どの試験管とどの試験管を比べるとよいか。記号で2つ答えよ。

(7)この実験で、だ液の代わりに、水を入れた試験管を準備する理由を答えよ。

(8)だ液などの消化液の中に入っている、養分を分解する成分を何というか。

(9)だ液の(8)は何か。

【解答・解説】だ液の消化酵素の実験の解答

(1)B、C、D

ヨウ素液はデンプンと反応し、青紫色になる指示薬です。試験管Aにはだ液が入っており、40℃とヒトの体温に近い温度なので、デンプンが消化されて糖に変わっています。その他の試験管は、デンプンが消化されずに残っています。

(2)A

ベネジクト液は、糖を調べる指示薬です。糖があれば加熱すると赤褐色の沈殿が生じます。試験管Aにはだ液が入っており、デンプンが消化されて糖ができているので、ベネジクト液で色が変化します。

(3)(沸騰石を入れて)加熱する。

ベネジクト液は、加熱して色の変化が生じます。「温める」だけでは色の変化が出ませんので、必ず「加熱する」という表現を使いましょう。

(4)赤褐色の沈殿が生じる。

ベネジクト液は、糖と反応し、加熱すると赤褐色の沈殿が生じる指示薬です。赤褐色は赤色でも構いません。

(5)だ液は、デンプンを糖に変えるはたらきがある。

だ液が入っている試験管Aでは、ヨウ素液で色の変化が見られず、ベネジクト液で赤褐色の沈殿が生じます。したがって、だ液によってデンプンが糖に消化されたことがわかります。

(6)AとC

温度だけが変わっている試験管を選びます。だ液がともに入っており、40℃と氷水の違いがあるのは、試験管Aと試験管Cになります。

(7)デンプンの変化がだ液のはたらきであることを明らかにするため。

だ液がある、だ液がないという条件の違いをつくるために水を入れた試験管を準備します。対照実験にするためです。

(8)消化酵素

消化液の中に含まれ、養分を分解する成分を消化酵素といいます。

(9)アミラーゼ

だ液の中に含まれる消化酵素はアミラーゼです。デンプンを消化し、糖(麦芽糖)に分解する性質があります。

中2理科
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