詩の対策問題
次の詩を読み、後の問いに答えよ。
雲雀(ひばり)
ひねもす空で鳴りますは
あゝ 電線だ、電線だ
ひねもす空で啼(な)きますは
あゝ 雲の子だ、雲雀奴(ひばりめ)だ
碧(あーを)い 碧(あーを)い空の中
ぐるぐるぐると 潜もぐりこみ
ピーチクチクと啼きますは
あゝ 雲の子だ、雲雀奴だ
歩いてゆくのは菜の花畑
地平の方へ、地平の方へ
歩いてゆくのはあの山この山
あーをい あーをい空の下
眠つてゐるのは、菜の花畑に
菜の花畑に、眠つてゐるのは
菜の花畑で風に吹かれて
眠つてゐるのは赤ン坊だ?
中原中也「在りし日の歌」より
(1)あゝ 雲の子だ、雲雀奴(ひばりめ)だ とあるが、作者はひばりをどのようなものと感じているか。次のア~エの中から選び、記号で答えよ。
ア 寂しいもの。
イ 騒がしいもの。
ウ 親しいもの。
エ 勇ましいもの。
(2)この詩の表現上の特徴を説明しているものとして適切なものを、次のア~エの中から選び、記号で答えなさい。
ア 断定的な表現によって、力強い感じをつくり出している。
イ 繰り返しを用いて、音楽的な快い気分をつくり出している。
ウ 擬人法によって、春の季節の楽しい気分をつくり出している。
エ 呼びかけのことばを用いて、なつかしい感じをつくり出している。
(3)この詩はどのようなことをうたっているか。次のア~エの中から選び、記号で答えよ。
ア ひばりが啼いている様子と、菜の花畑に向かってひたむきに歩く作者の姿をうたっている。
イ ひばりが青空高く飛ぶ様子と、菜の花畑でもの思いに沈んでいる作者の姿をうたっている。
ウ 春の空にひばりが軽やかに舞う様子と、さびしい菜の花畑の夕暮れの風景をうたっている。
エ 春の空にひばりが明るくさえずっている様子と、菜の花畑ののどかな風景をうたっている。
詩の対策問題 解答・解説
(1)ウ
「雲雀奴(ひばりめ)」の「奴」は、「ひばりのやつったら」くらいの意味で、決して見下しているものではありません。ひばりに対する親愛の情が見えます。
(2)イ
「電線だ、電線だ」「碧い 碧い」「地平の方へ、地平の方へ」などが、反復(繰り返し)の技法になっています。また、随所に登場する七音五音の繰り返しから音楽的なリズムを作り出しています。
(3)エ
詩の全体ののどかな感じをとらえることができれば、おのずと答えが選べるはずです。
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