普段何気なく使っている「重さ」という言葉は、理科では質量と区別されています。今回は質量と重さの違いをしっかりと確認しておきましょう。
質量と重さ
日常生活で重さというと、体重の60kgとか、スーパーで売ってあるお肉100gとかを想像しますが、実は理科的には間違った表現になります。60kgや100gは重さではなく質量になるのです。ややこしいこの違いを説明します。
質量
場所が違っても変化しない物体そのものの量を「質量」といいます。質量の大きさを表す単位には、gやkgなどがあります。
質量は、上皿てんびんや電子てんびんを用いて量ります。上皿てんびんで使う分銅は、基準となる分銅である国際キログラム原器の質量と比較して作ってあります。
重さ
地球が地球上の物体を、地球の中心に向かって引く力を「重力」といい、物体にはたらく重力の大きさを「重さ」といいます。重さの単位はN(ニュートン)で、地球上では質量100gの物体にはたらく重力の大きさは約1Nになり、質量60㎏の人が地球上で自分の重さをはかると600Nとなります。
重さは上皿てんびんや電子てんびんではなく、ばねばかり(ニュートンばかり)を使って量ります。
質量と重さの違い
質量は、はかる場所が変わっても変化しません。例えば、質量60㎏の人が地球上で上皿てんびんを使って分銅とつりあわせると、必要な分銅は60㎏になります。重力が地球の1/6の月面上で、この人を上皿てんびんを使って分銅と釣りわせると、やはり必要な分銅は60㎏になります。
一方、重さは、はかる場所によって異なります。質量60㎏の人が地球上でばねばかりにつるされると、ばねばかりは600Nを示しますが、重力が地球の1/6の月面上でばねばかりにつるすと、ばねばかりは600Nの1/6の100Nを示します。
このように、はかる場所によって物体の質量は変化しませんが、重力は変化することを覚えておきましょう。
質量を重さに変換する練習
それでは、質量[g]や[kg]を重さ[N]に変換する練習を行いましょう。通常100gの物体にはたらく重力の大きさを1.0Nとします。
(2)質量50gの物体の重さは?
(3)質量1.5kgの物体の重さは?
(4)重さ5.6Nの物体の質量は何gか?
(5)重さ700Nの物体の質量は何kgか?
解答
(1)200g=2.0N
(2)50g=0.5N
(3)1.5kg=1500g=15N
(4)5.6N=560g
(5)700N=70000g=70kg
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