中学公民では、日本の政治のしくみを学ぶ上で「内閣の役割としくみ」をしっかり理解することがとても大切です。内閣総理大臣や国務大臣の選ばれ方、内閣の仕事や国会との関係など、公民の定期テストや高校入試でもよく出題される重要ポイントが多数あります。本記事では、内閣の構成や働きを図解や具体例をまじえて、やさしく丁寧に解説します。政治が苦手な中学生でもスッと理解できる内容です!
内閣とは?

内閣は、日本国憲法に基づく行政権を担当する合議制の機関です。三権分立の一つである行政権を行使し、国の政治を実際に運営する重要な役割を果たしています。
内閣は内閣総理大臣(首相)と国務大臣によって構成されます。国務大臣は原則14人、特別な場合は最大17人まで認められています。
内閣のしくみ
内閣は、実際の政治を行う行政の最高機関である。
内閣は、内閣総理大臣と国務大臣から成る。

内閣のしくみ
- 内閣は、国会が決定した法律や予算にもとづき、実際の政治を行う行政の最高機関である。
- 内閣は、内閣総理大臣と、各省庁の長としての国務大臣から成り立っている。国務大臣は内閣府と12省庁の長である。
- 内閣総理大臣は、軍人ではなく文民で、かつ国会議員でなければならない。
- 内閣総理大臣は、国会が指名し、天皇が任命する。
- 内閣総理大臣が任命する国務大臣は、軍人ではなく文民でなければならず、また、その過半数は国会議員でなければならない。
内閣の仕事
内閣は、議院内閣制で国会の信任にもとづいて内閣がつくられ、内閣が国会に対して責任を負うしくみとなっています。内閣総理大臣は国会議員の中から国会が指名し、国務大臣の過半数は国会議員から選ぶようになっています。内閣の仕事は、憲法第73条を中心に定められています。
- 法律を実行する
- 条約を結ぶなどの外交の仕事
- 予算案や法律案をつくり国会に提出する
- 政令を定める
- 最高裁判所の長官を指名、その他の裁判官を任命
- 天皇の国事行為に助言と承認をあたえる
外交関係の処理
外交関係を処理する権限は、日本国憲法では、すべて内閣に与えられ、天皇は、外国の大使、公使の接待など形式的・儀礼的皇位を行うのみにとどまっています。
- 内閣 条約の調印
- 国会 条約の承認
- 内閣 条約の批准
- 天皇 条約の公布
内閣総理大臣の地位
大日本帝国憲法下では「同輩中の首席」とされ、他の国務大臣と対等な立場であった。日本国憲法においては、内閣の首長としてその権限は強化された。
国務大臣の過半数は国会議員から選ばれなければならない。内閣総理大臣は国務大臣を任命、罷免し、このほか、大臣を補佐する副大臣、政務官を任命する。
議院内閣制
内閣は、国民の意思を代表する国会の信任のもとにつくられており、国会に対して責任を負う議院内閣制のしくみをとっている。

内閣と国会の関係図
内閣総理大臣

内閣総理大臣は内閣の最高責任者であり、「首相」とも呼ばれます。国会議員の中から国会によって指名され、天皇によって任命されます。
- 内閣総理大臣の権限
- 国務大臣の任命と罷免(やめさせること)
- 内閣を代表して内閣提出法案に署名
- 閣議を主宰(司会進行)
- 行政各部の指揮監督
- 自衛隊の最高指揮監督権

内閣の主な仕事

内閣は行政権を行使する機関として、以下のような重要な役割を担っています。
- 法律の執行…国会で決められた法律を実際に実行し、国民の生活に具体的に適用します。
- 予算案の作成…国の収入と支出の計画を立て、国会に提出して承認を求めます。
- 法律案の提出…国会に対して新しい法律案を提出し、審議を求めます。
- 政令の制定…法律を具体的に実行するために必要な詳細な規則を定めます。
- 外交の実施…他国との交渉や条約の締結など、国際関係を管理します。
内閣と国会の関係
- 議院内閣制…内閣が国民の意思を代表す る国会の信任のもとにつくられており,国会に対して責任を負うしくみをいう。
- 内閣総理大臣…国会議員の中から指名される。
- 衆議院…内閣に対して、内閣不信任案を可決することができる。逆に内閣は、衆議院に対して、解散の決定をすることができる。
- 国務大臣…内閣総理大臣により任命される国務大臣の過半数は国会議員からなる。
- 連帯責任…内閣は国会に対して、連帯責任を負う。
内閣不信任
衆議院で内閣不信任を可決、信任を否決したとき、内閣は10日以内に総辞職するか、衆議院を解散する
→(衆議院が解散されたとき)40日以内に総選挙
→(総選挙の日から)30日以内に特別会<特別国会>を開いて総辞職し、新しい内閣総理大臣を指名。
内閣総辞職
内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、10日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない。
➋日本国憲法第70条
内閣総理大臣が欠けたとき、又は衆議院議員総選挙の後に初めて国会の召集があったときは、内閣は、総辞職をしなければならない。
内閣が総辞職する3つのケース
- 内閣不信任案が衆議院で可決され、内閣が10日以内に衆議院を解散しないとき。
- 内閣総理大臣が病気やその他の理由で不在となったとき。
- 総選挙後の最初の国会が召集されたとき。
ただし、内閣が総辞職しても次の内閣総理大臣が決まるまでは、内閣はそのまま仕事を行う。
内閣総辞職までの流れ
- 内閣は、衆議院で内閣不信任案が可決されたときは、総辞職」をしなければならない。ただし、内閣不信任案が可決されたとき、10日以内に衆議院が解散した場合は、内閣は総辞職をしなくてもよい。
- 内閣は、内閣総理大臣が病気やその他の理由で不在となったとき,、総辞職しなくてはならない。
- 内閣は、衆議院議員総選挙の後、初めて国会の召集があったときは、総辞職しなくては ならない。特別国会で総辞職する。
行政のしくみ
内閣の重要な政策の企画を立てたり、それぞれの行政機関をまとめる仕事をする内閣府には、国家公安委員会などが置かれている。
- 地方自治、情報通信、放送などの仕事を行うのは、総務省。
- 外国との交渉や条約についての仕事を行うのは、外務省。
- 学術、文化、教育の仕事を行うのは、文部科学省。
- 貿易や商工業の仕事を行うのは、経済産業省。
その他の行政機関
- 内閣府…内閣の政策方針の企画立案を助ける仕事を行う総合調整機関です。
- 法務省…検察や国籍、人権擁護など法務行政を担当。
- 財務省…財政、課税、通貨管理、造幣事業などを担当。
- 厚生労働省…社会保障、医療、雇用創出、安定などを担当。
- 農林水産省…農業・畜産・水産業の振興などを担当。
- 国土交通省…社会資本の整備、交通政策の推進など担当。
- 環境省…環境政策、公害防止政策などを担当。
- 防衛省…自衛隊の隊務の統括。2007年に省に昇格しました。
1府12省庁からなります。

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