力学的エネルギーの保存とエネルギーの保存について学習します。それぞれどのような法則になるのか確認し、違いを理解しましょう。
力学的エネルギーの保存とエネルギーの保存は違う
両者は名前が非常によく似ていますが、中身が全然異なります。しっかりと判別できると同時に、記述でもしっかりと書けるようになることが大切です。
力学的エネルギーの保存
空気の抵抗や摩擦がない場合、位置エネルギーと運動エネルギーの和である力学的エネルギーは一定に保たれ変化しないのが力学的エネルギーの保存(力学的エネルギー保存の法則)です。
振り子の運動や斜面を物体が移動するような運動、自由落下運動などで成り立つ法則で、位置エネルギーと運動エネルギーが互いに移り変わることで成り立つ法則です。
このとき重要なのが、空気の抵抗や摩擦がはたらかないといった条件です。空気の抵抗や摩擦がはたらく場合、力学的エネルギーの一部が熱エネルギーなどに変換されてしまうからです。
エネルギーの保存
すべてのエネルギーの移り変わりを考えると、その総量は一定で変化しないというのがエネルギーの保存(エネルギー保存の法則)です。
エネルギーは常に色んなエネルギーに移り変わります。でも最初にエネルギーが100Jあったとすると、そのエネルギーが運動エネルギーや音エネルギーや熱エネルギーなどに移り変わっても、その合計は元のエネルギー量の100Jと変わらないということです。
最終的にエネルギーは熱エネルギーとなって空気中に出ていってしまうので、移り変わりはしますが循環はしないことも覚えておきましょう。
【確認問題】力学的エネルギーの保存とエネルギーの保存の違い
- 空気の抵抗や摩擦がない場合、位置エネルギーと運動エネルギーの和が一定に保たれることを何というか。
- すべてのエネルギーの移り変わりを考えると、その総量が変化しないことを何というか。
- 振り子が元の高さまで上がってくる。これは何の法則で説明できるか。
- 力学的エネルギーの保存とは何か。簡潔に説明せよ。
- エネルギーの保存とは何か。簡潔に説明せよ。
解答
- 力学的エネルギーの保存
- エネルギーの保存
- 力学的エネルギーの保存
- 空気の抵抗や摩擦がない場合、力学的エネルギーが一定に保たれること。
- すべてのエネルギーの移り変わりを考えると、その総量が変化しないこと。
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