中3理科|酸・アルカリと塩|テスト対策問題です。中学3年生の理科では、「酸・アルカリと塩」の性質や反応について学びます。この単元では、酸とアルカリの性質、pHの概念、中和反応、塩の生成過程などが重要なポイントです。これらは日常生活とも密接に関わる内容で、入試でも頻出のテーマとなっています。
本記事では、酸・アルカリと塩に関するテスト対策問題を多数ご用意しました。基本から応用までの問題を解きながら、しっかりと理解を深めて、テストに備えましょう!
【問題】酸・アルカリと塩を完全攻略!テスト対策問題
【問題1】酸性・アルカリ性の水溶液の判別問題
下図のように、うすい塩酸、水酸化ナトリウム水溶液、食塩水、砂糖水、アンモニア水を用意し、A~Eの試験管のいずれかにそれぞれ入れた。それぞれの試験管にどの水溶液が入っているのかを調べる実験を行った。これについて、後の各問いに答えよ。
【実験1】それぞれの水溶液のにおいをかいだところ、試験管BとDからは刺激臭がした。
【実験2】それぞれの水溶液にスチールウールを入れると、試験管Dから盛んに泡が発生していた。
【実験3】それぞれの水溶液にフェノールフタレイン溶液を入れると、AとBの試験管の水溶液は赤色に変色した。
【実験4】それぞれの水溶液に電極を入れ、電流が流れるか調べたところ、試験管Eのみ電流が流れなかった。
【実験5】それぞれの水溶液を蒸発皿に少しずつとり、水分がなくなるまで水分を蒸発させると、試験管( )と試験管( )の水溶液を入れた蒸発皿には白い固体が、試験管Eには黒く焦げたような固体が残った。
(1)【実験1】の下線部で水溶液のにおいをかぐとき、どのようにしてにおいをかぐか。簡単に答えよ。
(2)【実験2】の下線部で発生した泡が何という気体か調べるには、どのような操作をしてどのような結果になればよいか。簡単に答えよ。
(3)【実験4】の下線部で、水溶液に電極を入れ電流が流れるかどうか調べるとき、1つの水溶液を調べた後、次の水溶液に電極を入れる前にすることは何か。理由を含めて簡単に答えよ。
(4)【実験5】で、加熱後、蒸発皿に白い固体が残る水溶液はA~Eのどれか。記号で2つ答えよ。
(5)実験から、試験管A~Eの水溶液が何だとわかるか。すべて答えよ。
(6)試験管A~Eの水溶液で、同じ陽イオンが存在する水溶液はどれとどれか。記号で答えよ。
【問題2】塩酸と水酸化ナトリウム水溶液の中和の問題
右図のように、うすい塩酸50cm³にBTB溶液を入れ、水酸化ナトリウム水溶液を混ぜる実験を行った。下の表は、加えた水酸化ナトリウム水溶液の体積とBTB溶液の色の変化を表したものである。これについて、以下の各問に答えよ。
水酸化ナトリウム水溶液[cm³] | 10 | 20 | 30 | 40 |
BTB溶液の色 | 黄 | 黄 | 緑 | 青 |
(1)うすい塩酸と水酸化ナトリウム水溶液を混ぜたときに起こる反応を何というか。
(2)うすい塩酸と水酸化ナトリウム水溶液を混ぜたときに起こる反応を化学反応式で書け。
(3)この実験で中和が起こっているのは、次のア~エのうちどれか。あてはまるものをすべて選べ。
ア 水酸化ナトリウム水溶液を10cm³加えたとき。
イ 水酸化ナトリウム水溶液を10cm³加えたあと、さらに10cm³加えたとき。
ウ 水酸化ナトリウム水溶液を20cm³加えたあと、さらに10cm³加えたとき。
エ 水酸化ナトリウム水溶液を30cm³加えたあと、さらに10cm³加えたとき。
(4)この実験で使ったうすい塩酸と同じ濃度のうすい塩酸100cm³を、完全に打ち消し中性にするには、この実験で使った同じ濃度の水酸化ナトリウム水溶液を何cm³加える必要があるか。
【問題3】硫酸と水酸化バリウム水溶液の中和の問題
下の図1のように、ビーカー内のうすい硫酸20cm³に、こまごめピペットを使ってうすい水酸化バリウム水溶液を入れる実験を行った。図2は、加えたうすい水酸化バリウム水溶液の体積と、うすい硫酸とうすい水酸化バリウム水溶液の中和でできた白い物質の質量の変化を表したグラフである。これについて、次の各問いに答えよ。
(1)うすい硫酸と、うすい水酸化バリウム水溶液を混ぜると、白い沈殿が生じる。この沈殿は何という物質か。物質の名称を答えよ。
(2)うすい硫酸と、うすい水酸化バリウム水溶液の中和を表す化学反応式を書け。
(3)実験に使ったうすい硫酸20cm³と、うすい水酸化バリウム水溶液50cm³を混ぜたとき、生じる白い物質の質量は何gか。
(4)実験で、うすい塩酸20cm³と、水酸化バリウム水溶液40cm³を混ぜると、水溶液に電流が流れなくなった。この理由を簡潔に答えよ。
(5)実験に使ったうすい硫酸40cm³を完全に中和するには、水酸化バリウム水溶液は何cm³必要か。
【解答・解説】酸・アルカリと塩を完全攻略!テスト対策問題の解答
【問題1】酸性・アルカリ性の水溶液の判別問題の解答
(1)手であおぐようしてかぐ。
水溶液から有毒な気体や、刺激が強い気体が発生している可能性があるので、安全のため直接かがないように気をけましょう。
(2)マッチの火を近づけると音を立てて燃える。
うすい塩酸にスチールウール(鉄)を入れると水素が発生します。水素は気体の中で最も軽い気体で、空気中で火をつけると音を出して燃え、燃えた後に水ができます。
(3)水溶液が混ざるのを防ぐため、電極を精製水で洗う。
電極を精製水で洗わずに次の水溶液を調べると、水溶液が混ざってしまいます。水道水もいろんな物質が溶けているので、何も溶けていない精製水で洗うようにしましょう。
(4)A、C
実験1と2から、試験管BとDに入っている水溶液は、Bがアンモニア水、Dがうすい塩酸だとわかります。実験4で、試験管Eに入っている水溶液は砂糖水だとわかります。したがって、残りの試験管AとCのどちらかに、水酸化ナトリウム水溶液、食塩水が入っていると判断できます。ともに固体が溶けた水溶液で、加熱後白い固体が残ります。
(5)A:水酸化ナトリウム水溶液 B:アンモニア水 C:食塩水 D:うすい塩酸 E:砂糖水
試験管A…においが無く、フェノールフタレイン溶液で赤色になっていることからアルカリ性の水溶液だとわかります。これに該当するのは水酸化ナトリウム水溶液のみ。
試験管B…刺激臭で、フェノールフタレイン溶液で赤色になっていることからアルカリ性の水溶液だとわかります。これに該当するのはアンモニア水のみ。
試験管D…刺激臭で、スチールウールから水素が発生していることから、強い酸性の水溶液だとわかります。これに該当するのはうすい塩酸のみ。
試験管E…電流が流れず、加熱後に黒い固体が残っていることから、有機物が溶けていることがわかります。これに該当するのは砂糖水のみ。
試験管C…試験管A、B、C、Eに入っている水溶液がわかったので、残りの試験管Cに入っている水溶液は食塩水だとわかります。
(6)AとC
試験管Aに入っている水酸化ナトリウム水溶液は次のように電離しています。
NaOH→Na⁺+OH⁻
試験管Cに入っている食塩水は次のように電離しています。
NaCl→Na⁺+Cl⁻
両方の水溶液には、同じナトリウムイオンNa⁺が入っています。
【問題2】塩酸と水酸化ナトリウム水溶液の中和の解答
(1)中和
酸とアルカリの水溶液を混ぜると、お互いの性質を打ち消し合う中和という反応が起こります。
(2)HCl+NaOH→NaCl+H₂O
塩酸のH⁺と水酸化ナトリウムのOH⁻が反応してH₂Oが生じます。また塩酸のCl⁻と水酸化ナトリウムのNa⁺が反応しNaClが生じます。
(3)ア、イ、ウ
中性になるまでは、塩酸中のH⁺と加えた水酸化ナトリウムのOH⁻が打ち消し合います。中性になると、、塩酸中にH⁺がない状態になるので、OH⁻はそのまま混合液中に残ります。
(4)60cm³
うすい塩酸50cm³と完全に打ち消し合う水酸化ナトリウム水溶液の体積は、実験から30cm³であるとわかります。うすい塩酸の量が2倍の100cm³になったので、これを完全に打ち消すための必要な水酸化ナトリウム水溶液も2倍必要になります。
【問題3】硫酸と水酸化バリウム水溶液の中和の問題
(1)硫酸バリウム
硫酸と水酸化バリウム水溶液の中和でできる塩は、硫酸バリウムになります。硫酸バリウムは水に溶けにくい塩なので、白い沈殿になってビーカーのそこの方にたまります。
硫酸バリウムは水に溶けにくい塩なので、白い沈殿になる!
(2)H₂SO₄+Ba(OH)₂→BaSO₄+2H₂O
硫酸の化学式H₂SO₄は、水酸化バリウムBa(OH)₂の化学式は、塩の硫酸バリウムBaSO₄の化学式になります。中和では、酸のH⁺とアルカリのOH⁻が反応し、水H₂Oができます。
(3)1.2g
グラフより、うすい硫酸20cm³と水酸化バリウム水溶液40cm³が過不足なく反応することがわかります。うすい硫酸は20cm³しかないので、水酸化バリウム水溶液を50cm³混ぜても、できる硫酸バリウムは1.2gで変わりません。
(4)水溶液中にイオンが無くなったから。
硫酸と水酸化バリウム水溶液の中和でできる塩、硫酸バリウムは水に溶けにくい塩で沈殿します。水に溶けないのでイオンとして水溶液中に存在しないので、完全に中和しているときにイオンがまったくない状態になります。したがって、電流は流れません。
水溶液中にNa⁺とCl⁻が存在するから。
・硫酸と水酸化バリウムの完全中和→電流は流れない!
水溶液中にイオンが全くないから。Ba²⁺とSO₄²⁻が結び付いてBaSO₄として沈殿する。
(5)80cm³
グラフから、うすい硫酸20cm³と、水酸化バリウム水溶液40cm³が過不足なく反応していることがわかります。うすい硫酸の量が2倍の40cm³になったので、必要な水酸化バリウム水溶液も2倍の80cm³必要になります。
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