中学3年生で学習する、力の合成と分解、物体の運動に関する定期テスト対策問題です。中学3年生の理科で学ぶ「物体の運動」は、力と運動の関係を理解するための重要な単元です。この分野では、速度、力のつり合い、運動の法則といった基礎知識が問われるだけでなく、計算問題やグラフの読み取りといった応用力も必要になります。この記事では、定期テストや高校入試に対応した「物体の運動」のテスト対策問題を厳選し、分かりやすい解説付きで紹介します。苦手な部分を克服し、自信を持ってテストに挑めるよう、一緒に学びを深めましょう!
【問題】物体と運動の定期テスト対策問題
この章では、力と運動、物体の運動に関する問題を演習します。頻出の力の作図、速さの計算、物体にはたらく力、慣性、作用・反作用の法則について理解ができているか確認しましょう。
【問1】運動と速さの問題
物体の運動と速さについて、次の各問いに答えなさい。
(1)物体の運動のようすは、何と何で表されるか。
(2)次の運動のうち、物体の速さが変化するものにはAを、物体の向きが変わるものにはBを、物体の速さと向きが変化するものにはABを、どちらも変化しない場合はCを書きなさい。
ア.水平な床の上をすべるドライアイスの運動
イ.観覧車の円運動
ウ.自転車で斜面を下る運動
エ.ジェットコースターの運動
(3)新幹線が東京ー博多間の1080kmの距離を、5時間で走行したとする。このときの新幹線の速さは何km/hか。また、それは何m/sか。
(4)(3)のように、ある区間を一定の速さで進んだとみなしたときの速さを何というか。
(5)下の図は、おもちゃの自動車の運動のようすを0.1秒ごとに発光するストロボスコープで記録したものである。この自動車の速さは何cm/sか。また、この自動車がこの速さで9秒間運動を続けると、何cm移動するか。
【問2】力がはたらく運動の問題
右の図は、斜面を下る台車の運動を1秒間に50回打点する記録タイマーで、テープに記録したものである。テープは5打点ごとに切り、左から順に張り付けてある。これについて、次の各問いに答えよ。
(1)1秒間に50回打点する記録タイマーの、1打点間は何秒を表しているか。
(2)5打点ごとに切ったテープ1枚は、何秒間の移動距離を表しているか。
(3)右図でab間の台車の速さは何cm/sか。
(4)右図のように、斜面を下る運動をする台車にはたらく力について正しいものを、次の中から一つ選び記号で答えよ。
ア.運動の向きに力ははたらいていない。
イ.運動の向きと同じ向きに力がはたらき、しだいに大きくなる。
ウ.運動の向きと同じ向きに力がはたらき、一定で変化しない。
エ.運動の向きと逆向きにはたらき、しだいに大きくなる。
(5)台車が斜面を下る運動をしているときの、時間と台車の移動距離を表すグラフとして適当なものを、下の中から一つ選び、記号で答えよ。
(6)このあと、斜面の角度を大きくし90°にしたとき、台車は何という運動をするか。
【問3】力がはたらかない運動の問題
下の図のように、なめらかな水平面上で台車を運動させる実験を行った。グラフはこのときの台車の運動のようすを、1秒間に60回打点する記録タイマーで記録したものである。これについて、次の各問いに答えよ。
(1)この台車の運動のように、速さが一定で変化しない運動を何というか。
(2)このときの台車の速さは何cm/sか。
(3)台車がこの速さで、3秒間運動をすると、台車は何cm移動するか。
(4)台車がこの運動をしているときに、台車にはたらく力はどうなっているか。「運動の向き」という語句を使って簡単に説明しなさい。
(5)台車がこの運動をしているときの、時間と台車の移動距離を表すグラフとして適当なものを、下の中から一つ選び、記号で答えよ。
(6)この台車のように、物体にはその運動を続けようとする性質がある。この性質を何というか。また、その性質が分かる身近な例を、一つ簡単に説明しなさい。
【問4】作用・反作用の法則の問題
右の図は、荷物台車にのって、重たい砂ぶくろを前方に投げる実験のようすを表したものである。図には、砂ぶくろにはたらく力のようすが示されている。これについて、次の各問いに答えよ。
(1)荷物台車に乗った人が、砂ぶくろから受ける力を、右図の中に書き入れなさい。
(2)砂ぶくろにはたらかせた力を作用とする場合、荷物台車に乗った人にはたらく力を何というか。
(3)砂ぶくろを前方に投げたとき、荷物台車はAとBのどちらに動くか。記号で答えよ。
【解答・解説】物体と運動の定期テスト対策問題
問題がすべて解けるようになれば、定期テストでは80点以上は得点できます。
【問1】運動と速さの解答
物体の運動と速さについて、次の各問いに答えなさい。
(1)物体の運動のようすは、何と何で表されるか。
速さと向き
(2)次の運動のうち、物体の速さが変化するものにはAを、物体の向きが変わるものにはBを、物体の速さと向きが変化するものにはABを、どちらも変化しない場合はCを書きなさい。
ア.水平な床の上をすべるドライアイスの運動 C
イ.観覧車の円運動 B
ウ.自転車で斜面を下る運動 A
エ.ジェットコースターの運動 AB
(3)新幹線が東京ー博多間の1080kmの距離を、5時間で走行したとする。このときの新幹線の速さは何km/hか。また、それは何m/sか。
時速:216km/h 秒速:60m/s
1080km÷5h=216km/h
216km/h÷3.6=60m/s
(4)(3)のように、ある区間を一定の速さで進んだとみなしたときの速さを何というか。
平均の速さ
※「一定の」という語句がポイント!「一瞬の」「ごく短い」などの場合は「瞬間の速さ」になります。
(5)下の図は、おもちゃの自動車の運動のようすを0.1秒ごとに発光するストロボスコープで記録したものである。この自動車の速さは何cm/sか。また、この自動車がこの速さで9秒間運動を続けると、何cm移動するか。
速さ:100cm/s 距離:900cm
図より、0.1秒間で10cm移動していることがわかります。したがって、
10cm÷0.1秒=100cm/s
この速さで9秒間運動するので、
100cm/s×9秒=900cm
【問2】力がはたらく運動の解答
右の図は、斜面を下る台車の運動を1秒間に50回打点する記録タイマーで、テープに記録したものである。テープは5打点ごとに切り、左から順に張り付けてある。これについて、次の各問いに答えよ。
(1)1秒間に50回打点する記録タイマーの、1打点間は何秒を表しているか。
0.02秒 ※1/50秒を小数に直してください。
(2)5打点ごとに切ったテープ1枚は、何秒間の移動距離を表しているか。
0.1秒間
※50回打点するのに1秒かかるので、その1/10の5回打点するのに0.1秒かかります。
(3)右図でab間の台車の速さは何cm/sか。
70cm/s
ab間の距離は、6.0+8.0=14.0cm
ab間の時間は、0.1秒×2=0.2秒
ab間の速さは。14cm÷0.2秒=70cm/s
(4)右図のように、斜面を下る運動をする台車にはたらく力について正しいものを、次の中から一つ選び記号で答えよ。
ア.運動の向きに力ははたらいていない。
イ.運動の向きと同じ向きに力がはたらき、しだいに大きくなる。
ウ.運動の向きと同じ向きに力がはたらき、一定で変化しない。
エ.運動の向きと逆向きにはたらき、しだいに大きくなる。
(5)台車が斜面を下る運動をしているときの、時間と台車の移動距離を表すグラフとして適当なものを、下の中から一つ選び、記号で答えよ。
グラフ:ア
※時間と移動距離のグラフの傾きは速さを表しています。斜面を下る運動の場合、速さがしだいに大きくなっていくので、グラフの傾きはしだいに大きくなっていきます。ちなみに、ウが等速直線運動の場合の、時間と移動距離のグラフになります。
(6)このあと、斜面の角度を大きくし90°にしたとき、台車は何という運動をするか。
自由落下運動
【問3】力がはたらかない運動の解答
下の図のように、なめらかな水平面上で台車を運動させる実験を行った。グラフはこのときの台車の運動のようすを、1秒間に60回打点する記録タイマーで記録したものである。これについて、次の各問いに答えよ。
(1)この台車の運動のように、速さが一定で変化しない運動を何というか。
等速直線運動
(2)このときの台車の速さは何cm/sか。
100cm/s
記録テープが6打点ごとに切ってあるので、0.1秒間の記録を表しています。0.1秒間で10cm移動しているので。
10cm÷0.1秒=100cm/s
(3)台車がこの速さで、3秒間運動をすると、台車は何cm移動するか。
300cm
100cm/s×3秒=300cm
(4)台車がこの運動をしているときに、台車にはたらく力はどうなっているか。「運動の向き」という語句を使って簡単に説明しなさい。
運動の向きと同じ向き、運動の向きと逆向きに力がはたらいていない。
※運動の向きと同じ向きに力がはたらくと「だんだん速くなる運動」、運動の向きと逆向きに力がはたらくと「だんだん遅くなる運動」、運動の向きにも、運動の向きと逆向きにも力がはたらかない場合は「等速直線運動」をします。
(5)台車がこの運動をしているときの、時間と台車の移動距離を表すグラフとして適当なものを、下の中から一つ選び、記号で答えよ。
グラフ:ウ
※時間と移動距離のグラフの場合、グラフの傾きが速さを表しています。等速直線運動では早朝が変化しないので、グラフの傾きは一定で変化しません。
(6)この台車のように、物体にはその運動を続けようとする性質がある。この性質を何というか。また、その性質が分かる身近な例を、一つ簡単に説明しなさい。
性質:慣性
身近な例:電車が急発進したとき、体が電車の進行方向と逆向きに傾いた。(電車が急停車したとき、体が電車の進行方向と同じ向きに傾いた。)
※「~性質」と聞かれている場合は「慣性」、「~法則」と聞かれている場合は「慣性の法則」と答えるように。
【問4】作用・反作用の法則の解答
右の図は、荷物台車にのって、重たい砂ぶくろを前方に投げる実験のようすを表したものである。図には、砂ぶくろにはたらく力のようすが示されている。これについて、次の各問いに答えよ。
(1)荷物台車に乗った人が、砂ぶくろから受ける力を、右図の中に書き入れなさい。
(2)砂ぶくろにはたらかせた力を作用とする場合、荷物台車に乗った人にはたらく力を何というか。
反作用
(3)砂ぶくろを前方に投げたとき、荷物台車はAとBのどちらに動くか。記号で答えよ。
荷物台車:B
コメント