【中3理科】塩化銅水溶液の電気分解のポイント

実践問題アイキャッチ画像 中3理科
スポンサーリンク

化学変化とイオンで登場する、塩化銅水溶液の電気分解について学習します。電離のようすから、各電極で発生する物質まで、しっかりと内容をおさえましょう。

スポンサーリンク

塩化銅水溶液の電気分解

塩化銅水溶液の電気分解も、塩酸の電気分解とほとんど仕組みは同じになります。次の内容を順序だてて覚えていきましょう。

  1. 塩化銅水溶液は青色の水溶液である。
  2. 塩化銅の電離のようすを理解する。
  3. 陽極と陰極での電気分解を理解する。
  4. 発生した物質の性質を理解する。

まず、第1段階として塩化銅水溶液は、固体塩化銅が水に溶けていることを理解しておきましょう。さらに、塩化銅水溶液は青色の水溶液であることも重要です。これは、後で説明する銅イオンCu²⁺の色が青色だからです。

塩化銅の電離

塩化銅水溶液は、固体塩化銅を水に溶かしたもので塩化銅水溶液の色は青色です。まずは、このときの電離のようすを見ていきましょう。

塩化銅の電離

塩化銅CuCl₂が水に溶けると、銅原子Cu電子を2つ失って銅イオンCu²⁺となります。一方の塩素原子Clの2個は、それぞれ電子1個ずつを受け取り塩化物イオンCl⁻が2個生じます。

つまり、塩化銅水溶液の中には、銅イオンCu²⁺と塩化物イオンCl⁻が1:2の割合で存在している状態になります。銅イオンCu²⁺が水溶液中にあると、水溶液の色は青色になります。

塩化銅水溶液❶青色の水溶液!青色の正体はCu²⁺
❷CuCl₂が電離して、Cu²⁺とCl⁻が1:2の割合で存在!

塩化銅水溶液の電気分解

この塩化銅水溶液に電極を差し込み、電流を流すとどうなるでしょうか。塩化銅水溶液中には、陽イオンである銅イオンCu²⁺と、陰イオンである塩化物イオンCl⁻があるので、それぞれ次のような動きをします。

  • 銅イオンCu²⁺陰極に引き寄せられる。
  • 塩化物イオンCl陽極に引き寄せられる。

塩化銅水溶液

陽イオンと陰極、陰イオンと陽極で引き合う形となります。それぞれの極に移動したイオンは次のような電子のやり取りを行います。

  • 陰極…銅イオンCu²⁺が電極から電子を2つ受けとり銅原子Cuになる。
  • 陽極…塩化物イオンCl⁻電子を1つ電極に渡し塩素原子Clに戻る。

その結果、陰極には銅が析出し、陽極からは塩素が発生するのです。このとき、塩素原子Clは2個くっついて塩素分子Cl₂になって発生します。

以上をまとめると、下の図のようになります。

塩化銅水溶液の電気分解

塩化銅水溶液の電気分解・陽極からは塩素が発生!
・陰極には銅が析出!

陰極に析出した(こびりついた)Cuは、赤褐色(赤色)をしています。金属ですので、金属の性質があります。

  • 磨くと金属光沢が出る。
  • 展性・延性がある。
  • 熱や電気をよく通す。

陽極に発生する塩素Cl₂には、次のような特徴があります。

  • 黄緑色で刺激臭(プールのにおい)。
  • 赤インクを染み込ませたろ紙を近づけると、色が抜けて白くなる(脱色)。

塩化銅水溶液の電気分解の化学反応式

  • 塩化銅→銅+塩素
  • CuCl₂→Cu+Cl₂

化学反応式を聞いているのか、塩化銅の電離のようすを表す式を聞いているのかをしっかりと見てください。

塩化銅の電離式と化学反応式❶電離式:CuCl₂→Cu²⁺+2Cl⁻
❷化学反応式:CuCl₂→Cu+Cl₂
スポンサーリンク
スポンサーリンク
中3理科
シェアする
理科をもっと学ぼう!
中学理科で習う単元のポイント、対策問題を一覧にしています。日々の勉強から定期テスト対策、実力テスト対策、受験対策まで対応しています。

コメント

テキストのコピーはできません。