中学3年理科。今日は天体の分野の中の金星に焦点を当てて学習していきます。金星は地球よりも内側を公転する内惑星でした。見え方にどのような特徴があるのかを見ていきましょう。
金星(内惑星)の見え方
太陽系の惑星で、地球よりも内側を公転している惑星を内惑星といいました。太陽から近い順に水星、金星と続きます。水星は太陽に近すぎるのと、小さいのでなかなか観測することが難しいのですが、金星は地球からひときわ輝いて見え、明星(みょうじょう)としてなじみが深い惑星になります。
したがって、入試やテストにも金星の見え方に関する問題がよく出題されます。いつどの方角に見え、見え方はどうなのかをしっかり勉強していきましょう。
金星は真夜中に見えない
金星(内惑星)の見え方ですが、まず押さえておきたいことは、「金星(内惑星)は真夜中に観測することができない」ということです。金星と地球が公転し、どのような位置関係になろうが、絶対に真夜中に金星(内惑星)を観測することはできません。
理由は、「金星が地球よりも内側を公転しているから」です。言い方を変えると、「地球よりも公転軌道が内側にあるから」です。公転軌道とは、公転している道のことです。下の図を見てください。地球で真夜中の場合、地平線の下に金星(内惑星)が隠れてしまい、見えないことがわかります。
では、金星はいつ観測できるのでしょうか。お昼はもちろん明るすぎて観測できませんね。金星は朝の日の出前と、夕方の日の入り後の短い時間の間だけ観測することができます。ひときわ輝いて見えることから「明星(みょうじょう)」として昔から親しまれています。
明けの明星
明けの明星は、明け方に観測できる金星です。次のポイントを下の図と一緒に覚えましょう。
- 見える方角…東
- 見える時間帯…明け方(日の出前)
- 見える大きさ…だんだん小さくなっていく
- 満ち欠けのようす…だんだん満ちてくる
見え方は、明け方(日の出)の位置に人物を書き込み、方角を書き入れることでわかります。地球の中心が北極になっているので、上の図のような方角になります。
金星は地球よりも公転周期が短く、地球がのんびり公転してるあいだにどんどん遠ざかっていきます。なので、見かけの大きさはだんだん小さくなっていくのです。
しかし、地球に近いときは影ばかりを見せていたのに対し、遠ざかるにつれて太陽の光を受けている面を地球に向け始めます。なので、遠ざかるにつれて満月のように満ちてきます。
半月の形に見えるのは、太陽と金星と地球の中心を結ぶ線がつくる角度が90°になった時です。このとき、金星は太陽から最も離れて見え、半月の大きさに見えるのです。
よいの明星
よいの明星は、夕方(日の入り後)西の空に輝いて見える金星です。基本的に明けの明星の逆の関係になります。
- 見える方角…西
- 見える時間帯…夕方(日の入り後)
- 見える大きさ…だんだん大きくなっていく
- 満ち欠けのようす…だんだん欠けてくる
今度は、金星が太陽と地球を結ぶ線の左側にあるときによいの明星が観測できます。黒い影の部分は地平線の下で見えません。
見え方は、夕方(日の入り後)の位置に人物を書き込み、方角を書き入れることでわかります。地球の中心が北極になっているので、上の図のような方角になります。
金星は地球よりも公転周期が短いので、地球がのんびり公転してるあいだにどんどん近づいてていきます。なので、見かけの大きさはだんだん大きくなっていくのです。
地球から遠いときは満月のように真ん丸に見えるのに対し、近づくにつれて影の面を地球に向け始めます。なので、近づくにつれて三日月のように欠けてきます。
半月の形に見えるのは、太陽と金星と地球の中心を結ぶ線がつくる角度が90°になった時です。このとき、金星は太陽から最も離れて見え、半月の大きさに見えるのです。
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