中学3年理科。今日は天体の中でも、地球の公転と季節の変化について見ていきましょう。私たちが春夏秋冬の季節を感じられるのは、地球の「地軸の傾き」と「公転」が関係しています。でも、「なぜ地軸が傾いていると季節が変わるの?」と疑問に思う人も多いのではないでしょうか。本記事では、地軸の傾きが季節に与える影響をわかりやすく解説し、テストで押さえておくべきポイントを紹介します。しっかり理解して、理科の得点アップにつなげましょう!
地軸の傾きと季節の変化
地球は太陽を中心に1年で1回転しています。これを地球の公転をいいました。地球が公転することで、季節ごとに見える星座が変化するということは前回学習しました。
今日は地球が公転することで季節の変化が生じる理由について学習します。ポイントは地軸の傾きです。
A:地球の地軸が傾いたまま公転しているから。
地軸の傾き
地球は自転軸である地軸を傾けた状態で自転と公転を行っています。この地軸の傾きによって、南中高度や日の出・日の入りの位置が変化します。南中高度の計算問題などで地軸の傾いている角度を使うので、次の数字は覚えるようにしましょう。
地軸の傾き
- 公転面から66.6°
- 公転面に立てた垂線から23.4°
地球の公転と季節
地球の地軸が傾いたまま公転することによって、太陽の南中高度や日の出・日の入りの位置、お昼の時間が変化します。下の図を確認してください。地軸が傾いているせいで、南中高度や昼の時間が変化することがわかります。
- 夏…南中高度が高い、お昼の時間が長い
→光の量が多くなり気温が上昇する - 冬…南中高度が低い、お昼の時間が短い
→光の量が少なくなり気温が下がる
季節を判断するときには、まず夏か冬を探すようにしてください。北極側の地軸が太陽の方に傾いている地球の位置が、北半球が夏になる位置です。逆に北半球の地軸が太陽と逆の方に傾いている地球の位置が、北半球が冬になる位置です。
夏か冬の位置がわかれば、あとは地球の公転の向きによって秋と春が判明します。
地球の公転と季節の変化の記述問題
ここでは記述式の問題が出題されます。なぜ、南中高度が変化したり、季節の変化が生じるのか問われますが、理由はすべて同じです。
Q2:太陽の日の出・日の入りの位置が変化する理由を答えよ。
Q3:季節の変化が生じる理由を答えよ。
Q4:お昼の長さが変化する理由を答えよ。
A:地球の地軸が傾いたまま太陽の周りを公転しているから。
次は、地球の公転によって起こる見かけの運動である太陽の年周運動について学習します。黄道上を動いて見える太陽について詳しく見ていきます。
【問題】地球と星座の位置関係の問題
下の図1は、太陽のまわりを回る地球と、星座の位置関係を表したものである。また、図2はこの日の真夜中に南の空を観察したものをスケッチしたものである。これについて、次の各問いに答えよ。
(1)図1のように、地球が太陽のまわりを回ることを何というか。
(2)地球がアの位置にあるときの日本の季節は何か。
(3)図2に見られる星座を何というか。
(4)図2に見られる星座が南中しているとき、地球の位置は図1のア~エのどこになるか。
(5)図2で観察できる星座は、2か月後の同じ時刻には、A~Dのどの位置に見えるか。ただし、A~Dの間隔はすべて30°になっている。
(6)日本が冬至のとき、真夜中東の地平線から昇ってくる星座は何か。図1の中から1つ選び、星座名を答えよ。
(7)次の文は、月日の経過とともに見える星座が変わってくる理由について述べたものである。文中の( )に適する語句や数字をかき入れなさい。
【解答・解説】地球と星座の位置関係の問題の解答
(1)地球の公転
地球が1か月に30°、1年で360°太陽を中心に回ることを地球の公転といいます。地球の公転が原因で、動いていない星座や星が、1か月で30°、1年で360°、東から西に動いていくように見えます。この見かけの運動を、星座や星の年周運動といいます。
(2)春
季節の判断の仕方は2通りあります。まずは、地軸の傾きから判断する方法です。北極側の地軸が太陽の方向に傾いているイが夏になります。地球の公転の方向を考えると、ウが秋、エが冬、アが春になります。もう一つの季節の判断の仕方として、季節の星座を確認することがあります。地球がアの位置にあるとき、真夜中におとめ座が南中します。おとめ座は春の真夜中に南中する星座なので、アの位置は春であると判断できます。
(3)オリオン座
オリオン座は、冬の真夜中に南中する星座です。左上に赤い一等星のベテルギウス、右下に白い一等星のリゲルが確認できます。
(4)エ
オリオン座が南中するのは季節は冬です。図1で、日本が冬になる地球の位置は、地球の北極側の地軸が太陽から遠ざかる向きに傾いているエになります。
(5)D
地球の公転の影響で、同じ時刻に見える星座や星は、1か月で30°東から西に動いていくように見えます。これが見かけの運動である年周運動です。2か月後なのでオリオン座は60°西側に移動して見えます。したがって答えはDになります。
(6)おとめ座
日本が冬至の地球の位置はエになります。地球がエの位置で真夜中のとき、東の地平線から昇ってくる星座はおとめ座になります。
(7)①30° ②30° ③東 ④西 ⑤年周運動
地球が1か月に30°、1年で360°太陽を中心に回ることを地球の公転といいます。地球の公転が原因で、動いていない星座や星が、1か月で30°、1年で360°、東から西に動いていくように見えます。この見かけの運動を、星座や星の年周運動といいます。
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