【中学歴史】江戸時代の文化・学問のポイント

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【中学歴史】江戸時代の文化・学問のポイントをまとめています。

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江戸時代の文化

江戸時代で登場する文化は、5代将軍の徳川綱吉の頃の元禄文化と、19世紀の初めごろに江戸の庶民が担い手となった化政文化が登場します。まずは、この2つの文化の大きな違いを表で確認します。

元禄文化 化政文化
時代 江戸時代前期 江戸時代後期
場所 上方(京都や大坂) 江戸
特徴 豪商や武士による華麗で人間味を重視した文化 庶民でも参加できるような派手を嫌う大衆的な文化

元禄文化

江戸時代前期は貨幣経済が浸透し、商人や町人が活躍した時代です。そのため華麗で人間味あふれる特徴を持っています。とりあえず、次の人物名を語呂で覚えましょう。

元禄文化の覚え方!元禄が、近い日を待つ
元禄が(元禄文化)近(近松門左衛門)い(井原西鶴)日(菱川師宣)を(尾形光琳)待つ(松尾芭蕉)
  • 近松門左衛門人形浄瑠璃、世話物や時代物の演劇
  • 井原西鶴浮世草子、町人や武士の生活を描いた小説
  • 菱川師宣浮世絵、遊女をモデルに描いた『見返り美人図』
  • 尾形光琳装飾画、装飾性に富んだ画風
  • 松尾芭蕉俳諧、『奥の細道』を著す

装飾画では、尾形光琳の他に、『風神雷神図屏風』を描いた俵屋宗達も有名ですので押さえておきましょう。歌舞伎も演劇として発展し、庶民の間に広まりました。

近松門左衛門は、江戸時代の前期の俳人。伊賀の国上野(現在の三重県伊賀市)に生まれます。俳諧を学んだのち。江戸に出て深川の芭蕉庵に暮らし、「蕉風俳諧」を作りました。紀行文に、「野ざらし紀行」「笈の小文」などがあります。

化政文化

江戸時代の後期には、農村にも貨幣経済が浸透したことや、平和が続き娯楽に興味を持つ余裕が生まれたことから、江戸の庶民が担い手となる文化が栄えます。次の語呂で覚えましょう。

化政文化の覚え方!家政婦の清子、家事・歌が好き
家政婦の(化政文化)き(喜多川歌麿)よ(与謝蕪村)こ(小林一茶)か(葛飾北斎)じ(十返舎一九)う(歌川広重(安藤広重))た(滝沢馬琴(曲亭馬琴))
  • 喜多川歌麿…浮世絵、美人画・錦絵
  • 与謝蕪村…俳諧
  • 小林一茶…俳諧
  • 葛飾北斎…浮世絵、『富嶽三十六景』
  • 十返舎一九…文学、『東海道中膝栗毛』
  • 歌川広重(安藤広重)…浮世絵、『東海道五十三次』
  • 滝沢馬琴(曲亭馬琴)…文学、『南総里見八犬伝』

川柳狂歌が庶民の間で流行したことも覚えておきましょう。

小林一茶は、「名月をとってくれろと泣く子かな」(意味:背中に背負われた幼な子が、大空にこうこうと輝く満月を指して、お月様を取ってくれ、とねだっていることだ)などの歌を残した俳人。

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江戸時代の学問

江戸時代には、幕府が奨励した朱子学の他に、仏教や儒教が伝来する以前の日本人本来の思想を研究する学問である国学や、江戸時代にオランダを通じて日本に入ってきたヨーロッパの蘭学が発達したことを覚えておきましょう。また、朱子学の批判から生まれた実践を重視する陽明学も覚えておきましょう。

朱子学

儒学の一つで、身分の上下を重視する学問。5代将軍の徳川綱吉が幕府の学問にした。幕府を運営するのに都合がよい学問であった藤原爆落と彼の門人で暮府に登用された林羅山によってひろめられました。有名な朱子学者は以下の通りです。

  • 林羅山…1583~1657の江戸時代初期の朱子学者。中心思想は、「存心持敬(日常の言動をつつしみ、本来の自己に立ち返ること)」と「上下定分の理(士農工商の身分秩序、幕藩体制の正当化)」である。
  • 新井白石…徳川家宣につかえ、正徳の治を行った。儒教にもとづく理想主義的な政策を行った。

国学

本居宣長は、長年にわたって『古事記』を研究した成果を『古事記伝』としてまとめます。仏教や儒教が伝来する以前の日本人本来の思想を研究する学問として、国学を大成します。

  • 本居宣長…「もののあはれ」を主張し、国学を大成する。『古事記伝』
  • 平田篤胤…復古神道を説き、尊王攘夷運動にも影響を与える。

本居宣長は、国学四大人の一人で、古典研究を行い語句・文章の考証を中心とする精密・実証的な研究法により、古事記・源氏物語など古典文学の注釈や漢字音・文法などの国語学的研究にすぐれた業績を残す。

蘭学

江戸時代にオランダを通じて日本に入ってきたヨーロッパの学術・文化・技術の総称を蘭学といいます。のちに「洋学」と呼ばれるようになりました。医学をはじめ、天文・暦学・力学・地理学などが発展します。

  • 杉田玄白…ヨーロッパの人体解剖書を翻訳して『解体新書』を出版。
  • 伊能忠敬…西洋の測量術を学び、日本地図を作成。
  • 平賀源内…科学者でエレキテルなどを発明。

陽明学

中国の明の王陽明が創始者。朱子学を批判し、認識と実践の合一(知行合一)という実践的道徳を説きます。現実社会の矛盾を改めようとした大塩平八郎も陽明学者でした。

  • 大塩平八郎…飢えに苦しむ民衆のために蜂起。大阪町奉行所の役人。
  • 中江藤樹…日本の陽明学の祖。

教育の広がり

江戸時代の後半になると、文化の中心は上方から江戸に移り、庶民の間にも教育が普及しました。

  • 寺子屋…民間教育で、身分の枠をこえて学問が広がっていき、町民や農民の子弟に読み・書き・そろばんを学ばせました。
  • 藩校…藩士の子弟の教育を行いました。
  • 私塾緒方洪庵の開いた適塾、シーボルトの医学塾が有名。
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