江戸時代の産業
江戸時代には、新田開発、農具の開発などで生産量がさらに増加しました。鉱業の発展します。金・銀・銅などの発掘も進み、幕府が金貨・銀貨・銅貨などをつくり、全国に流通します。貿易でも主要な輸出品になっています。
水産業では、九十九里浜のいわし漁などが盛んになります。各地の特産物も盛んに生産されるようになりました。金沢や有田などの陶器、輪島や会津の漆器、越前や美濃の紙などが有名です。商業では株仲間と呼ばれる商人が結成した同業者組織がつくられるようになり、営業を独占します。
手工業では、問屋から原料や道具を借り受けた農家が、はたおりなどの手工業を行う問屋制家内工業が盛んに行われますが、19世紀ごろからは、商人や地主が工場をつくり、人を雇って行う工場制手工業(マニュファクチュア)が登場します。
江戸時代の農業
農具の開発と新田開発で、一気に生産力が向上し、余裕が出た百姓らは、商品作物の生産にも力を入れました。商品作物とは、原料として売るための作物で、麻・わた・あぶらな・あい・べにばななどになります。
江戸時代に使われた代表的な農具は覚えておきましょう。
- 備中ぐわ…土を深く耕せる
- 千歯こき…脱穀をする農具
- とうみ…もみ殻と玄米を選別する農具
貨幣経済が進んだことから、農民の貧富の格差も広がりました。そのため、百姓一揆や打ちこわしが頻繁に起こります。一揆の代表者が誰だかわからないようにする「からかさ連判状」なども有名な史料です。
- 百姓一揆…農民が領主に対して起こした暴動
- 打ちこわし…米を買い占め値段をつり上げた商人に対して、都市の大衆が起こした暴動
江戸時代の交通網
江戸時代は、参勤交代や産業の発達で交通網の整備が進みます。陸路である五街道だけでなく、海上航路の開発も重要です。
陸路では、五街道が発達し、多くの宿場町が形成されました。手紙や荷物を運ぶための飛脚も登場します。
大量の物資輸送のための海運も発達します。
- 西回り航路・東回り航路…年貢米を運搬
- 菱垣廻船・樽廻船…大阪と江戸を往復
産業の発達、人口の増加で江戸・大阪・京都の三都が発展します。
- 江戸…政治の中心地で、「将軍のおひざもと」と呼ばれる。
- 大阪…商業・金融の中心地で、「天下の台所」と呼ばれる。諸藩の年貢米がおさめられた蔵屋敷が立ち並ぶ。
- 京都…文化の中心地で、西陣織などのすぐれた工芸品が発達。
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