「故事成語」についてまとめています。私たちが日常使っている言葉には、中国の古典に由来すものがたくさんあります。そのうち、故事を背景にもっているものを故事成語いいます。
入試によく出る「故事成語」
たとえば、「矛盾」という言葉は、「韓非子」という書物に書かれた故事がもとになっています。どんな故事だったかといえば、楚の国の人で、矛と盾を売っている人がいました。その人は。「私の盾の堅いことといったら、これを突き通せるものはない。」といい、また、「私の矛の鋭いことといったら、どんなものでも通せないものはない。」といった。
そこで、ある人が「あなたの矛で、あなたの盾をつき通すとどうなるのか?」と尋ねた。その人は、答えることができなかったという話です。ここから、「矛盾」。つまり、つじつまが合わない意味で使われるようになります。
それでは、そのほかの故事成語の例をみていきましょう。
推敲
読み:すいこう
意味:文章などの字句を練ること。
蛇足
読み:だそく
意味:余計なもの。
四面楚歌
読み:しめんそか
意味:周囲が敵ばかりで、味方がいないこと。
圧巻
読み:あっかん
意味:本や作品の中で最も優れているところ。
烏合の衆
読み:うごうのしゅう
意味:規律も統一もなく集まった人々。
臥薪嘗胆
読み:がしんしょうたん
意味:復讐や目的達成のため、自分にしれんを課し、長い間苦労を重ねること。
画竜点睛
読み:がりょうてんせい
意味:物事を仕上げるのに、最後に加える大切な点のこと。
杞憂
読み:きゆう
意味:取り越し苦労。無用の心配。
漁夫の利
読み:ぎょふのり
意味:二者が争っているすきに、第三者が利益をとこどりすること。
蛍雪の功
読み:けいせつのこう
意味:苦労して学問にはげむこと。
呉越同舟
読み:ごえつどうしゅう
意味:仲の悪い者同士が、同じ場所に居合わせること。敵同士が協力し合うこと。
五十歩百歩
読み:ごじゅっぽひゃっぽ
意味:似たり寄ったりで、大差のないこと。
塞翁が馬
読み:さいおうがうま
意味:人生の幸・不幸は予測できないということ。
他山の石
読み:たざんのいし
意味:自分より劣っている人の言行も自分の知徳を磨く助けとなること。
登竜門
読み:とうりゅうもん
意味:立身出世をするための関門
背水の陣
読み:はいすいのじん
意味:決死の覚悟で事に見ること。
白眼視
読み:はくがんし
意味:人を冷たい目で見ること。
覆水盆に返らず
読み:ふくすいぼんにかえらず
意味:一度してしまったことは、取り返しがつかない。
羊頭狗肉
読み:ようとうくにく
意味:見かけは立派だが、内容が伴わない。
竜頭蛇尾
読み:りゅうとうだび
意味:初めはよいが、終わりがだめなこと。
一炊の夢
読み:いっすいのゆめ
意味:栄華のはかなさ。人生のたのみにならないこと。
膾炙
読み:かいしゃ
意味:人々に広く知れ渡ってもてはやされること。
鶴首
読み:かくしゅ
意味:首を長くして待つこと。
鼎の軽重を問う
読み:かなえのけいちょうをとう
意味:他人の実力を疑い、その地位から追い落とそうとすること。
肝胆相照らす
読み:かんたんあいてらす
意味:互いに心の中を打ち明けて親しく交わること。
完璧
読み:かんぺき
意味:一つも欠点がなく完全なこと。
木に縁って魚を求む
読み:きによってさかなをもとむ
意味:方法を誤ると目的を達成できないということ。
麒麟児
読み:きりんじ
意味:技術や才能が抜け出ている少年のこと。
九牛の一毛
読み:きゅうぎゅうのいちもう
意味:問題にならないほどわずかなこと。
玉石混交
読み:ぎょくせきこんこう
意味:よいものと悪いものが混ざり合っていること。
捲土重来
読み:けんどちょうらい
意味:一度失敗した者が、再び勢力を盛り返してくること。
紅一点
読み:こういってん
意味:多くの男性の中に、たった一人の女性が混じっていること。
虎穴に入らずんば虎子を得ず
読み:こけつにはいらずんばこじをえず
意味:危険を冒さなければ、名誉や利益は得られないということ。
守株
読み:しゅしゅ
意味:古い習慣にとらわれ、進歩のないこと。
春秋に富む
読み:しゅんじゅうにとむ
意味:年が若く、前途に希望の多いこと。
杜撰
読み:ずさん
意味:仕事が粗末で乱暴なこと。
朝三暮四
読み:ちょうさんぼし
意味:目の前の小さな利益にごまかされること。
角を矯めて牛を殺す
読み:つのをためてぎゅうをころす
意味:少しの欠点を直そうとして、肝心な部分をだめにすること。
南船北馬
読み:なんせんほくば
意味:たえずあちこちと旅行をすること。
以上が、中学国語の「故事成語」となります。入試でも、頻度はさほど高くないですが、出題されることがあります。スキマ時間などを利用して、覚えていくといいでしょう。人としての教養の1つとしても大事なことです。
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