中学3年理科。いよいよ最後の章である「天体」です。今日はその中でも地球の自転と日周運動について学習しましょう。天球の模型である透明半球の見方も学習していきます。
地球の自転
地球は2つの運動をしています。自転と公転です。今回は地球の自転だけを見ていきます。一気に2つの運動を考えると訳が分からなくなるので。
- 地球の自転
地球がその場でコマのように一日に一回転している。 - 地球の公転
地球が太陽の周りを一年かけて一回転している。
この2つの運動を同時に行っているのです。この2つの運動が重なって太陽が動いていくように見えたり、季節によって見える星座が変わったりします。
まずは、地球の自転について見ていきます。下の図が頭に浮かぶようになれば大丈夫です。
❷地球の自転の角度:1時間で15°
太陽や星の日周運動
地球が自転していることによって、動いていないものが動いていくように見える「見かけの運動」が起こります。それが日周運動です。自分がその場でコマのように回転すると周りの景色が動いていくように見いえる現象と同じです。
太陽も星も、どちらも動いていませんが、地球が自転することで動いていくように見えるのです。下の図はプラネタリウムのような天球という模型です。空全体は広いので、この天球を使って太陽や星の動きを表します。
北の空では北極星を中心に反時計回り
❷日周運動の角度:1時間で15°
一日で1回転(360°)日周運動している
❸日周運動の原因:地球の自転
地球の自転によって起こる見かけの運動
地球の自転が原因で起こる見かけの運動であることをしっかりと覚えましょう。なので、方向も自転と逆になっていて、角度は同じになりますね。
地球は「自転」、太陽や星が「日周運動」していることにも気をつけましょう。
天球の用語
天球では様々な用語を覚えなくてはなりません。上の図を見ながら次の内容を覚えておけば十分でしょう。
- 天球
星や太陽が動く空を球面で表したところ。 - 地平面
観測者が立っている地面のこと。 - 地平線
地平面と地平線が重なっているところ。 - 観測者の位置
地平面に観測者が立っているところ。地平面の中心。 - 天頂
観測者の真上の天球の一点。 - 天の子午線
南と天頂と北を結んだ天球上の線。 - 南中
太陽や星が真南にくること。一番高度が高くなります。 - 南中高度
太陽や星が真南に来たときの地面からの高さ。 - 日の出の位置
太陽が地平線から出たところ。 - 日の入りの位置
太陽が地平線に沈んだところ。
日周運動をもっと詳しく
地球の自転が原因で起こる、太陽や星の日周運動をもっと別の見方で表してみます。下の図は、地球を北極側から見た図です。方角の見方や時間帯をしっかり確認してください。
各方角の太陽・星の動き
各方角を見たときの星や太陽の動きも即座にわかるようになっておきましょう。
- 東
地平線から太陽や星が登ってくる。右上がりに登っていきます。 - 南
時計回りに動いていくように見えます。真南で南中します。 - 西
太陽や星が地平線に沈んでいきます。右下がりに沈んでいきます。 - 北
北極星を中心に反時計回りに1時間で15°動きます。
北極星
天球や北の空で登場するのが北極星です。北極星は日周運動をしていません。ではなぜ北極星が動いているように見えないのかを考えましょう。
それは、地球の自転軸「地軸」の延長線上にあるからです。例えば、自分がその場でコマのように回転したとします。このとき周りの景色は移り変わっていくのですが、自分の回転軸の真上だけはその場で回っているだけで、動いているように見えません。これと同じ現象が北極星にも起こっているのです。
Q:北極星が日周運動しない理由
A:地球の地軸の延長線上の遠いところにあるから。
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