中学3年理科。今日は天体の中の「地球の公転」について学習します。地球の自転によって日周運動という見かけの運動が起こったように、地球の公転でも見かけの運動が起こります。この地球の公転によって起こる見かけの運動について見ていきます。
地球の公転
地球は1年かけて、太陽の周りを回っています。この動きを地球の公転といいます。つまり、地球はその場でコマのように一日に1回転しながら、1年かけて太陽の周りを回転しているのです。下の図をしっかりと頭に入れておいてください。
地球の自転軸である地軸が傾いていることも重要です。次の単元で登場します。
地球の自転の回転方向と同じになります。
❷地球の公転の角度:1か月で30°
1年で1回転(360°)
星の年周運動
地球が公転することで、動いていない星座や星が動いていくように見える見かけの運動が生じます。この見かけの運動を年周運動といいます。季節によって見える星座が異なるのはこのためです。地球の公転が原因で起こる見かけの運動ですので、年周運動も公転と同じく1か月で30°になります。
北の空では北極星を中心に反時計回り
❷年周運動の角度:1か月で30°
1年で1回転(360°)
❸年周運動の原因:地球の公転
地球の公転によって起こる見かけの運動
なぜ年周運動が起こるのか?
なぜ1か月で星座や星が東から西に1か月で30°ずつ動いていくように見えるのかを説明します。まずは下の図を見てください。地球と太陽を北極側から見た図で、地球が太陽の周りを公転している図になります。
真夜中にずっと同じ星座や星を観測し続けると、最初は東の空に見えますが、地球が90°公転して3か月が経つと、同じ真夜中に南の空に見えるようになります。さらに3か月が経過し90°公転すると、今度は西の空に見えるようになります。これが年周運動です。
南の空と北の空の年周運動
南と北の空の星の年周運動の様子です。地球の公転の影響で、同じ時刻に見える星や星座の位置が、1か月で30°東から西に移動していきます。北の空の場合、北極星を中心に反時計まわりに移動していきます。
【問題】地球の公転と地軸の傾きの問題
下の図1は、日本が春分、夏至、秋分、冬至の日のときの太陽と地球の位置関係を、模式的に表したものである。また、下の会話文は、地球の地軸の傾きと公転面との関係についての明さんと舞さんと先生の会話の一部である。これについて、次の各問いに答えよ。
(1)会話文中( ア )にあてはまる記号を、図1のA~Dから1つ選べ。
(2)会話文中( イ )に、下線部のときの日本付近での、1年を通した太陽の南中高度のようすを、簡潔に書け。
(3)図2は、地球が図1のCの位置にあるときの、ある時刻の太陽の光と地球の関係を模式的に表したものである。この日、地球上のある部分では1日中太陽が出ている。問題の図の中のその部分をぬりつぶせ。
(4)図1で、地球がDの位置にあるとき、真夜中、オリオン座はどの方位の空に見えるか。4方位で答えよ。
【解答・解説】地球の公転と地軸の傾きの解答
(1)D
北極側の地軸が太陽の方向に傾いているAが夏至の日の地球の位置です。そこから公転の向きに、Bは秋分、Cが冬至、Dが春分になります。
(2)南中高度は変化しない
地球の地軸が、公転面に立てた垂線から23.4°傾いたまま、地球の周りを公転していることで、太陽の南中高度が変化します。したがって、地軸の傾きがない場合、1年を通して南中高度は変化しません。
(3)
上図で黒く塗りつぶした部分は、地球が自転しても公転面に立てた垂線を超えることはありません。したがって一日中太陽が沈まない白夜になります。逆に北極側の地域は、一日中太陽が地平線から昇らない極夜になります。
(4)西
Dの位置で真夜中の場合、西の空にオリオン座が見えます。地球を北極側から見下ろした図で考えると分かりやすくなります。
コメント
とてもわかりやすかったです、非常に参考になりました^ ^