【中3理科】仕事・仕事率の公式と計算のポイントを徹底解説!テスト頻出問題付き

仕事・仕事率の公式と計算のポイントアイキャッチ画像 中3理科
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「同じ重い荷物を運ぶのに、ゆっくり動く人と素早く動く人ではどちらが多くの仕事をしているの?」中学3年生の理科では、「仕事」(物体に力を加えて動かすこと)と「仕事率」(仕事をする速さ)の計算が重要な単元です。テストでは公式を使った計算問題や単位(J・W)の理解が問われることが多く、苦手意識を持つ人もいるかもしれません。

この記事では、仕事と仕事率の公式・計算方法・よくあるミスとその対策についてわかりやすく解説します!テストでしっかり得点できるように、計算のポイントを押さえていきましょう!

中学3年で学習する仕事の計算も、計算ミスが続出します。計算自体は非常に単純ですが、「仕事」の意味が解っていないともったいないミスにつながりかねません。今日は仕事の計算について学習しましょう。また、仕事の計算で登場する大切な考え方に「仕事の原理」があります。動滑車や斜面、てこを使って物体を移動させる仕事の問題にも挑戦しましょう。
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仕事とは

理科でいう仕事とは、普段私たちが日常生活で使っている仕事とは意味が異なります。理科でいう仕事とは、物体に力を加え、力の向きに物体を移動させたときに仕事をしたといいます。

したがって、力を加えても物体が移動しなかった場合や、力を加えた向きとは違う向きに物体が移動した場合は、仕事をしたことになりません。

次のうち仕事になるのはどれ?

1:物体を重力に逆らって持ち上げた。
2:物体を持ち上げたまま横に歩いた。
3:物体を支えたままゆっくりと床に下ろした。
4:摩擦がある床にある物体をズルズルと引っ張った。

仕事はどれ?

答え

1は重力に逆らって物体を持ち上げるので、重力と逆向きの同じ大きさの力が必要です。上向きに力を加え、上向きに物体を移動させるので仕事と言えます。

4も物体と床との間にはたらく摩擦力に逆らって物体を移動させるので、摩擦力と逆向きの力を加えることになります。上の図の場合は左向きに力を加え、左に物体を移動させるので仕事と言えます。

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仕事の計算

仕事は力の大きさ[N]と移動距離[m]との積で求めることができます。仕事の大きさを表す単位はジュール[J]です。

仕事J力の大きさN× 移動距離

ここで注意したいのが、必ずNとmで計算することです。kgやgで質量が与えられている場合はNに直して計算するようにしてください。また、移動距離がcmの場合もmに必ず直してください。

例題「仕事の大きさを求めよ」

次の場合の仕事の大きさは何Jか。ただし、100gの物体にはたらく重力の大きさを1Nとする。

  1. 3Nの力で物体を2m持ち上げた。
  2. 200gの物体を0.5m持ち上げた。
  3. 5㎏の物体を10cm持ち上げた。
  4. 床にある2kgの物体を摩擦に逆らってズルズルと60cm移動させた。このとき、ばねばかりは5Nを示していた。

解答

  1. 3N×2m=6J
  2. 200g=2N
    2N×0.5m=1.0J
  3. 5㎏=5000g=50N
    10cm=0.1m
    50N×0.1m=5J
  4. 60cm=0.6m
    5N×0.6m=3.0J
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仕事率

仕事率とは、仕事の効率を表す量です。仕事率1秒あたりの仕事の量を表しています。したがって、仕事率を求める場合は、仕事の大きさを、その仕事をするのにかかった時間で割って求めることになります。仕事率の単位はワット[W]になります。

仕事率W]=仕事J÷時間

1秒当たりの仕事の量を求めていることをしっかりと意識してください。掛け算をしてしまう生徒が非常に多いようです。仕事率の意味を理解していればそんなミスは起こりません。

仕事・仕事率練習問題

  1. 200gの物体を80cm持ち上げたときの仕事の大きさは何Jか。
  2. 3kgの荷物を持ったまま10m歩いた。
  3. 床にある6kgの荷物を30Nの力で50cmズルズルと移動させた。
  4. 2kgの荷物を50cm持ち上げるのに5秒かかった。このときの仕事率は何Wか。

解答

  1. 200g=2N 80cm=0.8m
    2N×0.8m=1.6J
  2. 力の向きと動かした向きが一致しないので仕事にならない。
    0J
  3. 50cm=0.5m
    30N×0.5m=15J
  4. 2kg=2000g=20N 50cm=0.5m
    20N×0.5m=10J
    10J÷5秒=2.0W
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【問題】仕事・仕事率の問題

仕事について調べるために、次の【実験1】と【実験2】を行った。これについて、次の各問いに答えなさい。ただし、100gの物体にはたらく重力の大きさを1.0Nとする。

【実験1】

仕事の計算右の図1のように、ばねはかりに質量2.0㎏の物体をつけ、真上にゆっくりと床から物体の底面までの高さが60cmになるように引き上げた。このとき、ばねはかりは一定の値を示していた。また、物体を60cmの高さまで持ち上げるのに3.0秒かかった。

【実験2】

摩擦に逆らってする仕事次に、物体を摩擦がある床の上に置き、床に水平にばねはかりを使ってゆっくりと物体を50cm引っ張った。このとき、ばねはかりは8.0Nを示していた。また、このときの仕事率は0.8Wであった。

(1)実験1で、物体をゆっくりと真上に引き上げている間、ばねはかりは何Nを示していたか。

(2)実験1で、物体を床から60cmの高さまで持ち上げるのに必要な仕事の大きさは何Jか。

(3)実験1で、物体を床から60cmの高さまで持ち上げるたときの仕事率は何Wか。

(4)実験2で、床の上にある物体を水平に50cm引くとき、何という力に逆らって引いたか。また、その力の大きさは何Nか。

(5)実験2で、2.0㎏の物体を50cm引っ張ったときの仕事は何Jか。また、物体を50cm引くのに何秒かかったか。

【解答・解説】仕事・仕事率の問題解答

(1)20N

物体を重力に逆らって持ち上げるのに必要な力は、重力と同じ大きさになります。物体の質量は2.0㎏なので、物体にはたらく重力の大きさは、
2.0㎏=2000g=20N
になります。

(2)12J

仕事は、力の大きさ[N]と力の向きに動かした距離[m]との積で求めることができます。
仕事[J]=力の大きさ[N]×動かした距離[m]
20Nの力の大きさで、その力の向きに0.6m動かしたので、
20N×0.6m=12J
となります。

(3)4.0W

仕事率は、仕事の大きさ[J]をかかった時間[秒]で割ることで求まります。
仕事率[W]=仕事[J]÷時間[秒]
12Jの仕事を3.0秒で行ったので、
12J÷3.0秒=4.0W
となります。

(4)力:摩擦力 大きさ:8.0N

摩擦がある床の上で仕事を行う場合、摩擦力に逆らって仕事をすることになります。このとき、物体を引く力と摩擦力はつり合いの関係にあります。ばねはかりが8.0Nを指しているので、摩擦力の大きさも8.0Nになります。

(5)仕事:4.0J 時間:5.0秒

8.0Nの力の大きさで、その力の向きに0.5m引いているので、仕事の大きさは、
8.0N×0.5m=4.0J
になります。
また、仕事率が0.8Wなので、かかった時間は、
仕事率0.8W=仕事4.0J÷x秒
これを解くと、5.0秒となります。

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