回路と電流で最初に登場するのが、電流計と電圧計です。電流が流れる回路に、どれくらいの電流が流れているのかを測る装置ですが、読み方や使い方にポイントがあります。まずは、電流・電圧が何なのかをしっかりと確認し、電流計と電圧計の使い方をマスターしましょう。
電流とは
電流とは、電気の流れのことをいいます。水が水路を流れるように、電気も導線の中をビリビリと流れています。水の流れと同じよな感覚を持っておいてください。
電流の大きさを表す単位
電気の流れである電流は、A(アンペア)という単位を使って表します。ちなみに、1A=1000mAになります。ここで、A⇔mAの単位の変換を練習しておきましょう。
- 1.5A=
- 0.5A=
- 0.05A=
- 250mA=
- 50mA=
大丈夫でしょうか。
- 1.5A=1500mA
- 0.5A=500mA
- 0.05A=50mA
- 250mA=0.25A
- 50mA=0.05A
電流計
電流の大きさは、電流計という装置を使って計測します。電流計は下の図のような装置で、導線をつなげる+端子が1つと、−端子が3つあります。−端子は流れる電流の大きさで使い分けます。

ここで大切なことは、電流計は、はかろうとする部分に直列に接続することです。直列に接続するということは、枝分かれさせないように1本の輪になるように接続することになります。
電流計の接続
電流計のつなぎ方も重要です、間違えると、針が逆に触れたり、針が振り切れて電流計が壊れることがあります。次の4点に注意してください。
→並列につなげると、電流計に大きな電流が流れ壊れます。
❷電源(電池)と電流計だけをつながない。
→電流が流れにくいものがまったく接続されていないので、大きな電流が電流計に流れ、電流計が壊れます。
❸+端子は電源の+極側、−端子は電源の−極側に接続する。
→接続を逆にすると、針が逆向きに振れ、電流計が壊れます。
❹回路に流れる電流の大きさがわからない場合、5Aの−端子から接続する。
→大きな電流が流れる恐れがあり、電流計が壊れます。

電流計の読み方
電流計で、流れている電流の大きさを見るときは、どの-端子を使っているかで目盛りの読み方が変わります。
- 5Aの-端子を使っているとき
最大で5Aまではかることができる。 - 500mAの-端子を使っているとき
最大で500mAまではかることができる。 - 50mAの-端子を使っているとき
最大で50mAまではかることができる。

電圧とは
次は電圧です。こちらも聞いたことがある言葉だと思いますが、意味をしっかりと理解してください。電圧とは、電流を流そうとする力(パワー)のことです。電流ながれろって押している圧力のようなものです。
電圧の大きさを表す単位
電流を流そうとする力である電圧は、V(ボルト)という単位を使って表します。ちなみに、1V=1000mVになります。単位の変換の方法は電流と同じです。
オームの法則
電流〔A〕は、回路に流れる電気の流れ、電圧〔V〕は、その電流を流そうとする圧力でした。ということは、電圧が大きくなればなるほど、回路に流れる電流も大きくなるということです。
電圧が2倍、3倍になると、流れる電流も2倍、3倍になります。つまり、電流と電圧には比例関係があるのです。
この電流と電圧が比例することを「オームの法則」といいます。
電圧計
電圧の大きさは、電圧計という装置を使って計測します。電圧計は下の図のような装置で、導線をつなげる+端子が1つと、−端子が3つあります。−端子は電圧の大きさで使い分けます。

ここで大切なことは、電圧計は、はかろうとする部分に並列に接続することです。並列に接続するということは、枝分かれさせるように接続することです。
電圧計の接続
電圧計の接続方法も、基本的に電流計と同じです。ただし、並列に接続するという点が電流計とは異なります。次の3点に注意してください。
→電圧計は抵抗が大きいので、直列につなげると回路にまったく電流が流れません。
❷+端子は電源の+極側、−端子は電源の−極側に接続する。
→接続を逆にすると、針が逆向きに振れ、電圧計が壊れます。
❸回路にかかる電圧の大きさがわからない場合、300Vの−端子から接続する。
→大きな電圧がかかり、電圧計が壊れます。

電圧計の読み方
電圧計の目盛りを見るときも、どの-端子を使っているかをまず確認してください。
- 300Vの-端子を使っているとき
最大で300Vまではかることができる。 - 15Vの-端子を使っているとき
最大で15Vまではかることができる。 - 3Vの-端子を使っているとき
最大で3Vまではかることができる。

【対策問題】電流計と電圧計の問題
下の図1のように、電流計と電圧計を使って豆電球に流れる電流とかかる電圧を調べた。図2は、そのときの電圧計のようすを表したもので、図3は、電流計のようすを表したものである。このとき、電圧計の-端子は3Vに接続し、電流計の-端子は500mAに接続した。これについて、次の各問いに答えよ。

(1)図1で、豆電球に流れる電流と、豆電球にかかる電圧を測定するには、電流計と電圧計のそれぞれ端子をどのようにつなげばよいか。図1中に記入せよ。
(2)電流計を回路に接続する場合、回路にどれくらいの電流が流れているかわからなときは、はじめにどの-端子を使うか。また、その理由を答えよ。
(3)回路に電圧計を接続したとき、電圧計の針が図2のようになった。このとき豆電球にかかっている電圧は何Vか。
(4)回路に電流計を接続したとき、電流計の針が図3のようになった。このとき豆電球に流れている電流は何mAか。また、それは何Aか。
(5)豆電球に流れる電流と電圧を測定したが、電流とは豆電球に流れる電気の流れである。では、電圧とは何か。簡潔に説明せよ。
【解答・解説】電流計と電圧計
(1)電流計は直列に、電圧計は並列に接続します。また、+端子が電源の+極側、-端子が電源の-極側に来るように接続しましょう。

(2)端子:5Aの-端子(最大の-端子) 理由:大きな電流が流れ、電流計の針が振り切れて壊れる恐れがあるため。
電流計は、回路にどのくらいの電流が流れているかわからない場合、最大の-端子を使います。理由は、小さな-端子をはじめから使った場合、大きな電流が流れ、電流計が壊れる恐れがあるからです。
(3)2.00V
まず、電圧計の-端子を確認します。この問題では、3Vの-端子を使っているので、電圧計の針が最大まで振れたときに3Vであることを表しています。したがって、電圧計の読む目盛りは、表示の下の方の2.00Vになります。また、最小の目盛りが0.1Vごとになっているので、その1/10の位、小数第2位まで目盛りを読みます。
(4)100mA、0.1A
まず、電流計の-端子を確認します。この問題では、500mAの-端子を使っているので、電流計の針が最大まで振れたときに500mAであることを表しています。針が最大まで振れたときに表示が5となっているので、ここを500mAであるとすると、流れている電流は100mAとなります。また、1000mAで1Aなので、100mAは0.1Aとなります。
(5)電流を流そうとする圧力。
電圧は電流を流そうとする圧力ですので、電圧を2倍、3倍にすれば、流れる電流も2倍、3倍となります。つまり、電圧と電流は比例関係になります。これをオームの法則といいます。
以上が電流計と、電圧計のポイントになります。電気分野の基本となるところなので、しっかりとマスターしておきましょう。
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