中学3年の数学で登場する「円周角の定理」は、高校入試でも頻出の重要単元です。しかし、出題される問題には一定の「解法パターン」があり、コツをつかめばスムーズに解けるようになります。この記事では、円周角の定理に関する典型的な解き方のパターンを図解で丁寧に解説し、さらに実践問題も用意しました。苦手意識をなくし、自信を持って解けるようになりましょう!
円周角の出題パターン
円周角を求めさせる問題は、高校入試では、ほぼ100%出題されるといって過言でない単元です。その理由として多くの解法パターンがあること、中学生で習った図形の角についての性質を知っているかを確認することができるからでしょう。1つ1つしっかりおさえていきましょう。それでは、円周角を求める問題の出題パターンとその解き方です。
同じ弧に対する円周角

円周角と弧の長さの関係

内接する四角形の定理

接弦定理

半径と弦が作る角との関係

円内の正三角形

直径と円周角の関係

同じ弧から発生する円周角

角度を求める問題の注意点
そのほか
- 三角形の外角の定理
- 平行であれば、錯覚は等しい
- 平行であれば、同位角は等しい
- 対頂角は等しい
など、これまで習ってきた図形の性質を総動員して解いていきましょう。
【問題】円周角の角度を求める練習問題
(1)次の図において、線分ABは円0の直径であり2点CDは円Oの周上の点である。このとき、∠ADCの大きさを求めよ。

(2)次の図のように、円0の周上に4点A、B、C、Dがあり、線分ACは点Oを通る。点Bを含まない弧ADの長さと点Bを含まない弧DCの長さの比が3:2のとき、∠ABDの大きさを求めよ。

(3)次の図で、C、DはABを直径とする半円Oの周上の点で、CD=DBである。また、Eは線分DAとCOとの交点である。∠EAO=17°のとき、∠CEDの大きさを求めよ。

(4)次の図で、5点A、B、C、D、EはBEを直径とする円0の周上にあり、AE//BC、弧CD=弧DEである。直線ADと直線BCの交点をFとする。このとき、∠AFBの大きさを求めよ。

(5)次の図のように、円0の外の点Pから中心Oを通る直線をひき、円との交点を点Pに近い方からそれぞれ点A、Bとする。また、点Pから円Oに接線を1本ひき、その接点を点Cとする。さらに、点Bからこの接線に垂線をひき、円との交点をD、接線との交点をEとする。∠APC=32°のとき、∠DCEの大きさxを求めよ。

【解答・解説】円周角の角度を求める練習問題
(1)54°
三角形の内角と外角の関係より、∠BAC=80°-44°=36°
円周角の定理より、∠BDC=∠BAC=36°
半円の弧に対する円周角だから、∠BDA=90°
よって、∠ADC=∠BDA−∠BDC=90°-36°=54°
(2)54°
∠ABD=1/2∠AOD=1/2×(3/5×180)=54°
(3)51°
DとOを結ぶ。
∠DOB=2∠EAO=34°
CD=DB、より∠COD=∠DOB=34°
△EODの内角と外角の関係より、
∠CED=∠EOD+∠EDO=34°÷17°=51°
(4)22°
AE//BFより、錯角は等しいから、∠AFB=∠FAE
円周角の定理より、∠FAE=∠DBE
弧CD=弧DEより、∠DBE=1/2∠CBE=1/2×1/2×(180°-92°)=22°
(5)29°
OとC、OとDを結ぶ。
∠PCO=90°より、OC//BE
∠POC=∠PBE=180°-(32°+90°)=58°
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