【中学理科】葉のつくりとはたらきをわかりやすく!テストによく出るポイントと問題演習

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【中学理科】葉のつくりとはたらきのポイントです。植物の葉は、光合成や蒸散など、生きていくうえで欠かせない重要なはたらきを持っています。葉のつくりを理解することで、なぜ植物が酸素を生み出し、成長できるのかがわかります。本記事では、葉の構造とはたらきのポイントをわかりやすく解説し、テストによく出る問題も紹介します。しっかり学んで、理科の成績アップを目指しましょう!

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葉のつくりとはたらき

植物にとって葉は、光合成や蒸散などを行う大切なつくりです。葉が生い茂り太陽の光をたくさん浴びることで植物は大きく成長します。まずは、葉のつくりを見ていきましょう。

網状脈と平行脈

まず、葉のようすを確認してみると、葉には2種類の模様があることがわかります。この葉の模様を葉脈(ようみゃく)といいます。葉脈は物質の通路である道管や師管が集まった管になります。

葉脈

  • 網状脈…葉脈が網の目のようになっている。双子葉類
  • 平行脈…葉脈が平行になっている。単子葉類

どの植物が、網状脈か平行脈かは、単子葉類と双子葉類の区別ができればわかります。テストに出る単子葉類の方が少ないですので、単子葉類をしっかりと覚えましょう。次の7つの単子葉類を覚えれば大丈夫です。

覚えるべき単子葉類!❶ツユクサ
❷ユリ
❸アヤメ
❹ススキ
❺イネ
❻トウモロコシ
❼スズメノカタビラ

葉の断面

葉の断面図もよく出題されます。どこが何というつくりなのかしっかりと覚えましょう。特に、気孔や葉脈のつくりは頻出です。

葉の断面図

  • 道管…根で吸収した水や水に溶けた養分が通る管
  • 師管…葉でできた養分が通る管
  • 葉脈…葉にある維管束のこと。道管と師管を合わせた管の束

蒸散と気孔

植物は、体内の水を水蒸気として放出しています。このはたらきを蒸散といいます。「蒸散とは何か?説明せよ」という出題も見られますので、記述でしっかりと書けるようにしておきましょう。

よく出る記述Q:蒸散とは何か説明しなさい。
A:植物内の水分を水蒸気として気孔から空気中に放出するはたらき。

キーワードは、「水蒸気」、「気孔」です。これは記述の中に必ず入れるようにしましょう。

蒸散は日差しが強い昼に盛んになります。植物が蒸散をする理由は、次の2つを覚えておきましょう。

蒸散する理由❶根で水を吸い上げるため。
❷植物の体温調節のため。

ストローと一緒で、上から水分が出ていかないと根で水が吸い上げられません。そのため、植物は気孔からどんどん水蒸気を空気中に放出しているのです。また、水蒸気として水分が空気中に出ていくときに、周りの熱を奪います。これにより体温を調節しています。

気孔での気体の出入り

気孔は葉の裏側に多くある穴です。この穴を通っていろいろな気体が出入りしています。植物が行っているはたらきと、気体の出入りの関係は次の通りです。

気孔

  • 呼吸…酸素が気孔から入り、二酸化炭素を気孔から出す。
  • 光合成…二酸化炭素が気孔から入り。酸素を気孔から出す。
  • 蒸散…水蒸気を気孔から出す。

酸素や二酸化炭素は、気孔から出入りしますが、水蒸気だけは気孔から出ていくのみであることに注意しましょう。

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【問題】葉のはたらきを調べる実験の問題

鉢植えしたふ入りのアサガオを使って、光合成のはたらきについて調べる実験を行った。実験の操作は下にまとめてある。これについて、次の各問いに答えよ。

実験

【操作1】実験を始める前に、鉢植えしたふ入りのアサガオを一昼夜暗室に置いた。
【操作2】下の図のように、ふ入りのアサガオの葉の一部をアルミニウムはくでおおい、午後まで十分に日光に当てた。
【操作3】十分に日光に当てたアサガオの葉を切り取り、アルミニウムはくを外して熱湯につけ、その後、あたためたエタノールにひたした。
【操作4】アサガオの葉を水洗いし、薬品Aにひたし、葉の色が変化するか調べた。

ふ入りのアサガオの葉

(1)実験の【操作1】で、実験の前に一昼夜アサガオを暗室に置く理由を答えよ。

(2)実験の【操作2】で、アサガオの葉の一部をアルミニウムはくでおおう理由を答えよ。

(3)実験の【操作3】で、アサガオの葉を熱湯にひたす理由を答えよ。

(4)実験の【操作3】で、アサガオの葉をあたためたエタノールにひたす理由を答えよ。

(5)実験の【操作3】で、エタノールをあたためる方法を、その理由とともに答えよ。

(6)実験の【操作4】で使用した薬品Aは、光合成でできるデンプンを調べる薬品である。この薬品Aの名称と、デンプンと反応したときに色を答えよ。

(7)実験のアサガオの図で、薬品Aで色が変化する部分はどこか。図中のア~エの中から選び、記号で答えよ。

(8)光合成に日光が必要かどうかを調べるには、上の図のア~エのどれとどれを比べるとよいか。記号で答えよ。

(9)上の図のアとイを比べると、光合成には何が必要であるとわかるか。

(10)実験後に、葉でつくられたデンプンの行方について調べた。次の文は、その内容の一部である。文中の( )に入る適切な言葉を答えよ。

植物の葉でつくられたデンプンは、( ① )に溶けやすい物質になり、( ② )を通って体の各部分に運ばれ、植物の成長や細胞の呼吸などに使われたり、種子や茎や根に蓄えられたりする。

【解答・解説】葉のはたらきを調べる実験の解答

(1)葉のデンプンをなくすため。

どのような条件で植物が光合成を行いデンプンをつくるのかを調べたいのに、最初から葉にデンプンがあったら意味がないです。なので、葉のデンプンが無い状態で実験をスタートさせる必要があります。暗室に植物を置いておくと、葉のデンプンが水に溶けやすい養分(糖)に変化し全身に運ばれ、葉の中にあるデンプンがなくなります。

(2)日光を当てないようにするため。

対照実験にするために、日光が当たっている、当たっていないという条件の違いをつくりだします。

(3)葉をやわらかくするため。

熱湯に葉を入れると、葉がやわらかくなります。こうすることで、この後の操作をしやすくしたり、エタノールが浸透しやすい条件をつくります。

(4)葉を脱色するため。(葉を白くするため。)

葉をエタノールに入れると、葉の中の緑色の成分がエタノールに溶けだし白くなります。なぜ葉を白くするかというと、ヨウ素液での色の変化がわかりやすいようにするためです。脱色に使ったエタノールは緑色になることも覚えておきましょう。

(5)エタノールは引火しやすいので、お湯が入ったビーカーに試験管を入れてあたためる。

エタノールを直接加熱すると引火し炎が上がることがあります。したがって、お湯の中に試験管を入れるなどしてあたためます。

(6)名称:ヨウ素液 色:青紫色

ヨウ素液(ヨウ素溶液)は、デンプンと反応し青紫色になります。ヨウ素液自体の色は黄色(茶色)をしていることも覚えておきましょう。

(7)

光合成をしてデンプンができている場所は、緑色の部分(葉緑体)で、かつ、日光が当たっているアになります。

(8)アとウ

光合成に日光が必要かどうかを調べるには、日光が当たっている、日光が当たっていないという条件が異なるものどうしを比較します。このとき、他の条件は全く同じになっていなければなりません。したがって、葉緑体がある部分で、日光が当たっている、いないという違いがあるのは、アとウになります。

(9)葉緑体

アは日光が当たっていて葉緑体もある部分です。イは日光が当たっていて葉緑体がないふの部分です。この2つを比べると、光合成に葉緑体が必要かどうかがわかります。

(10)①水 師管

葉でできたデンプンは、夜の間に水に溶やすい養分である糖につくりかえられて師管の中を通て全身に運ばれます。

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