【中2理科】炭酸水素ナトリウムの熱分解のポイント

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炭酸水素ナトリウムの熱分解

炭酸水素ナトリウムは、私たちに非常に身近な物質で、ホットケーキミックスに入っているベーキングパウダーや、ふくらし粉重曹(じゅうそう)などにも含まれて物質です。加熱や水に溶かすことで二酸化炭素が発生する物質で、ホットケーキをふっくらとふくらまかせたりする役割を担っています。

白色の炭酸水素ナトリウムを試験管に入れ、ガスバーナーで加熱すると、白色の物質が試験管に残り、試験管の口付近に液体が生じ、同時に気体も発生します。

炭酸水素ナトリウム

加熱後に残る白い物質は、水に溶けやすく、フェノールフタレイン溶液を入れると濃い赤色になります。加熱後に残る固体炭酸ナトリウムです。

加熱後に、試験管の口付近につく液体に青色の塩化コバルト紙をつけると、青色から赤色に変化します。加熱後に生じた液体です。

発生した気体を石灰水に通すと、石灰水が白くにごります加熱後に発生した気体二酸化炭素になります。

炭酸水素ナトリウムと炭酸ナトリウムの比較

加熱前の炭酸水素ナトリウムも、加熱後に試験管に残る炭酸ナトリウムも、どちらも白い固体で別の物質に変わったかがわかりません。ここでは違う物質であることを調べる実験と、その結果をよく聞かれます。

加熱前の物質加熱後の物質
物質名炭酸水素ナトリウム炭酸ナトリウム
水への溶け方水に少し溶ける水によく溶ける
フェノールフタレイン液薄い赤色濃い赤色
水溶液の性質弱いアルカリ性強いアルカリ性

炭酸水素ナトリウムの熱分解の化学反応式

炭酸水素ナトリウムの化学式はNaHCO₃です。「なほ子さん」と覚えてください。炭酸ナトリウムの化学式Na₂CO₃です。「なつ子さん」と覚えましょう。

炭酸水素ナトリウム→炭酸ナトリウム+二酸化炭素+水
2NaHCO₃→Na₂CO₃+CO₂+H₂O

炭酸水素ナトリウムの熱分解の確認問題

  1. 炭酸水素ナトリウムを熱分解すると何という物質に分かれるか。物質名で3つ答えよ。
  2. 炭酸水素ナトリウムを加熱すると何という化学変化が起こるか。
  3. 炭酸水素ナトリウムを加熱したときに生じる液体を調べる紙は何か。
  4. 3は何色から何色に変化するか。
  5. 加熱前の炭酸水素ナトリウムと加熱後に試験管に残る物質では、どちらが水に溶けやすいか。
  6. 加熱前の物質と、加熱後の物質が違う物質であることを確かめる方法とその結果を書け。
  7. 炭酸水素ナトリウムを加熱するときに、試験管の口の方を少し下げて加熱する理由を書け。
  8. 加熱を止める前にすることは何か。理由とともに答えよ。
  9. 炭酸水素ナトリウムの熱分解の化学反応式をかけ。

解答

  1. 炭酸ナトリウム、二酸化炭素、水
  2. 熱分解(分解)
  3. 塩化コバルト紙
  4. 青色から赤色
  5. 加熱後に試験管に残る物質
  6. 水に溶かし、フェノールフタレイン溶液を入れると、加熱後の物質の方が濃い赤色になる。
  7. 発生した液体が加熱部に流れ、試験管が割れるのを防ぐため。
  8. 石灰水の逆流を防ぐため、ガラス管を石灰水の中からとり出しておく。
  9. 2NaHCO₃→Na₂CO₃+CO₂+H₂O

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