「文章のさまざまな表現技法」についてまとめています。今回、表現技法を学ぶことで、読解するときの手助けになりますし、また、自ら作文を書くときの表現技法とうしても利用できるので、しっかりと学んでおきたいところです。
文章のさまざまな表現技法
文章の表現技法には様々なものがあります。中学国語では、詩や短歌などで学習しますが、それ以外の普通の文章でも使われています。
言葉の並べ方の工夫をすることで、その効果がいくつかあります。また、物事をたとえる表現もあります。
言葉の並べ方の工夫
言葉の順序や並べ方で、読者に強い印象を残したり、想像力を膨らまさせることができます。
- 体言止め…文末や句末を体言(名詞)で結ぶ方法
- 倒置…普通の言い方と、言葉の順序を入れ替える方法。
- 反復…同じ言葉を繰り返す方法。
- 対句…言葉を形や意味が対応するように並べる方法。
- 省略…文章や言葉を途中で止めて、後を省略する方法。
比喩(たとえ)
物事を他のものにたとえて表現すること。風景や感情などを読者に訴えやすくなります。
- 直喩(明喩)…「まるで…」「あたかも…」「…ようだ」「…みたいだ」などの言葉を使ってたとえる方法。
- 隠喩(暗喩)…「まるで…」「あたかも…」「…ようだ」「…みたいだ」などの言葉を使わずにたとえる方法。
- 擬人法(活喩)…人間でないものを人間にたとえて表す方法。
表現技法の効果
表現技法を使うと、文章に次のような効果を持たせることができます。
- 体言止め…余韻(よいん)を残す。
- 倒置…強調する。
- 反復…調子をととのえ、感動を強める。
- 対句…調子をととのえ、印象を強める。
- 省略…余韻を残す。
- 直喩…印象を強める。
- 隠喩…印象を強める。
- 擬人法…印象を強める。
表現技法の例文
- 体言止め…耳を澄ますと、聞こえてきたのは、母の声。
- 倒置…僕は走り続け、未来の栄光に向かって。
- 反復…母の声は、深く、深く、心に刻まれた。
- 対句…父は太く、母は細い。
- 省略…真っ直ぐに進んだ。すると目の前に、母が。
- 直喩…綿毛は、まるで雪のように白い。
- 隠喩…星は、夜空の宝石である。
- 擬人法…ヒマワリが、太陽に向かって笑っている。
【練習問題】表現技法
(1)次の表現技法の説明として正しいものを選択肢のア~エより選びなさい。
- 反復
- 対句
- 体言止め
- 倒置
- 省略
<選択肢>
ア 言葉を形や意味が対応するように並べる方法。
イ 文章や言葉を途中で止めて、後を省略する方法。
ウ 文末や句末を体言(名詞)で結ぶ方法
エ 普通の言い方と、言葉の順序を入れ替える方法。
オ 同じ言葉を繰り返す方法。
(2)次の文章に使われている表現技法を、下のア~エより選びなさい。
- もうやめろ、みんなが嫌がることは。
- そんなことで腹をたてるとは、君は子供だ。
- 薬師寺の塔の上なるひとひらの雲。
<選択肢>
ア 体言止め イ 倒置 ウ 反復 エ 対句
ォ 省略 カ 直喩 キ 隠喩 ク 擬人法
【解答】表現技法
(1)の解答
- オ
- ア
- ウ
- エ
- イ
(2)の解答
- イ
- キ
- ア
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