【中学国語】おくのほそ道の要点

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中学国語の「おくのほそ道(夏草)」についてまとめています。ここでは、作者の松尾芭蕉の旅への思い、人生観について感じていけるようにあることが大事です。そのためには、古文や俳句の理解が必要です。それでは、中学国語の「おくのほそ道(夏草)」をみていきましょう。

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おくのほそ道とは?

松尾芭蕉による紀行文の傑作です。門人である曾良とともに江戸・深川を出発し、奥羽、北陸を経て、美濃の国大垣に至る旅路の体験や見聞を記しています。

松尾芭蕉
江戸時代の前期の俳人。伊賀の国上野(現在の三重県伊賀市)に生まれます。俳諧を学んだのち。江戸に出て深川の芭蕉庵に暮らし、「蕉風俳諧」を作りました。紀行文に、「野ざらし紀行」「笈の小文」などがあります。

俳句と俳諧

俳句は、「俳諧の連歌(五・七・五の長句と七・七の短句とを交互に連ねて作る)」の最初の一句に当たる「発句」が独立したものです。俳諧とは、本来滑稽の意ですが、「俳諧の連歌」を略した言葉としても用いられます。

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おくの細道のあらすじ

1.門出のとき、芭蕉は、月日は永遠の旅人であり、人生もまた旅のようなものだとし、旅への強い思いを歌にします。

「草の戸も住替る代ぞ雛の家」
意味:戸口が草で覆われたこのみすぼらしい深川の宿も、私にかわって新しい住人が住み、綺麗な雛人形が飾られるようなはなやかな家になるのだろう

2.平泉の旧跡をみて、悠久の自然に比べた、人間の営みのはかなさに涙します。芭蕉とともに門人の曾良も歌を詠みます。

「夏草や兵どもが夢の跡」
意味:奥州藤原氏や義経主従の功名も、今は一炊の夢と消え、夏草が茫々と繁っている。

「卯の花に兼房みゆる白毛かな」曾良
意味:白い卯の花を見ていると、勇猛に戦った義経の家臣、兼房の白髪が髣髴される。

3.中尊寺金色堂をみて、きれいにこれまで保護し金色堂を守ってきた人間の努力に感銘を受けて、歌を詠みます。

「五月雨の降のこしてや光堂」
意味:全てを洗い流してしまう五月雨も、光堂だけはその気高さに遠慮して濡らさず残しているようだ。

夏草で使われている表現の技法

<対句的な表現>

  • 月日は百代の過客にして ⇔ 行きかふ年もまた旅人なり
  • 船の上に生涯を浮かべ ⇔ 馬の口とらへて老いを迎ふる

<漢詩や漢文の言い回し>

  • 漂白の思ひやまず
  • 江上の破屋

<掛詞>

  • 春立てる霞の空
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序文(江戸・旅立ち)

元禄2年3月27日に、松尾芭蕉は隅田川のほとりにあった芭蕉庵を引き払い旅立ちます。

月日は百代の過客にして、いきかふ年もまた旅人なり。舟の上に生涯を浮かべ、馬の口とらへて老いを迎ふる者は、日々旅にして旅をすみかとす。古人も多く旅に死せるあり。
予もいづれの年よりか、片雲の風にさそはれて、漂泊の思ひやまず、海浜にさすらへ、去年の秋、江上の破屋に蜘蛛の古巣はらひて、やや年も暮れ、春立てる霞の空に白河の関越えんと、そぞろ神の物につきて心をくるはせ、道祖神の招きにあひて、取るもの手につかず、股引の破れをつづり、笠の緒付けかへ、三里に灸すうるより、松島の月まづ心にかかりて、住めるかたは人に譲り、杉風が別墅に移るに、
「草の戸も住み替はる代ぞ雛の家」
表八句を庵の柱に懸け置く。

<現代語訳>
月日は永遠に終わることのない旅人のようなものであって、来ては去り、去っては新しくやってくる年もまた旅人である。船頭として船の上で生涯を過ごす人や、馬引として年をとっていく人にとっては毎日が旅であって旅を住処としているのだ。昔の人も、多くの人が旅をしながら亡くなっている。
私もいつの頃からか、ちぎれ雲が風に誘われて行くように流浪の旅をしたいという気持ちがおさまらずに、最近は海辺をさすらってはいた。去年の秋に川のほとりの古びた家に戻って、蜘蛛の巣をはらい腰を落ち着けた。年もだんだんとくれてきて春になったが、霞だちたる空を見ると、「今度は白河の関を超えたい」と、そぞろの神が私の心に取り憑いてそわそわさせ、しかも道祖神が私を招いているような気がした。股引(ももひき)の破れているのを繕って、笠の緒を付け替えて、三里(膝のつぼ)にお灸をしたところ、松島の月はどのようになっているのだろうとまず気になったので、住んでいた家は人に譲って、杉風の別荘にうつると、次のような句を詠んだ。
「このわびしい芭蕉庵も住人が変わることになって、雛人形が飾られる家になることであろうよ。」
この句を芭蕉庵の柱に掛けておいた。

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この記事を書いた人
君島琴美

Examee編集長。このサイトでは、理科以外の教科を担当。基礎学習サイトPikuuのライターも務める。普段の学習塾では、数学、面接、総合型選抜対策の講座を受け持つ。エグゼクティブ講師として、数々の難関高校、難関大学への合格者を輩出している。

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