【中3数学】三平方の定理についてまとめています。入試では、なんらかの形でほぼ100%出題されるといって過言ではありません。しっかり学習してきましょう。
三平方の定理のポイント
直角三角形の直角をはさむ2辺の長さをa,b、斜辺の長さをcとすると、次の関係を成り立ちます。
a2+b2=c2
これが三平方の定理です。
直角三角形の辺の長さ
直角三角形の2辺の長さがわかっているとき。三平方の定理を使うと残りの辺の長さを求めることができます。対角線を斜辺とする直角三角形に、三平方の定理をあてはめる問題も多いです。
三平方の定理の逆
△ABCで、BC=a CA=b AB=cとすると、a2+b2=c2ならば、∠C=90°となります。
直角三角形を探す問題
3辺の辺をそれぞれ2乗して考えます。
<例>5cm、7cm、8cmの三角形は、直角三角形であるか。否か。
82=52+72が成立しないので、違う。
また、辺の長さが小数や無理数であっても、a2+b2=c2が成り立てば、直角三角形です。
特別な角をもつ直角三角形
- 3つの角が45°、45°、90°である直角三角形の3辺の長さの割合(比)は、1:1:√2となります。
- 3つの角が30°、60°、90°である直角三角形の3辺の長さの割合(比)は、1:2:√3となります。
問題を解くうえでのポイント
- 直角三角形の2辺の長さがわかれば、三平方の定理を使って、残りの辺の長さを求めることができる。
- ただし、特別な角をもつ直角三角形の辺の比は、決まっているので、比例式を利用。
- 正方形の対角線を引くと直角二等辺三角形や正三角形は、それぞれ45°、60°があるので、特別な角をもつ直角三角形の辺の比を利用。
三平方の定理の利用
弦や接線の長さ
- 円の中心から弦にひいた垂線は、弦の中点を通ります。(左の図参照)
- 円外の1点から円にひいた接線は、その接点を通る半径と垂直になります。(右の図参照)
二等辺三角形と円
円の中心Oと弦の両端を結ぶと二等辺三角形となります。(半径はどこも同じ長さですね。)
二等辺三角形の頂点から底辺に引いた垂線は、底辺を2等分します。(垂直二等分線になっています。)
- 中心Oを頂点をする二等辺三角形を利用する問題として、頻出します。
具体例を通して学ぶ
下の図のように、半径8cmの円Oで、中心Oからの距離が6cmである弦ABの長さをも求めよ。
解説
- 左側にできた直角三角形に注目して、残りの1辺を三平方の定理を利用して求めます。(特別な直角三角形の比3:4:5を使用しても可)
- 求めたい長さをxとすると。x2+62=102 よってx=8 (3:5=6:xでも可)
- 円の中心から弦にひいた垂線は、弦の中点を通るので、先ほどの長さを倍にして、8×2=16cmとなります。
三平方の定理の定期テスト対策問題
【問1】下の図の直角三角形で、x値を求めよ。
【問2】次の問いに答えなさい。
- 2辺の長さが5cm、12cmの長方形の対角線の長さを求めなさい。
- 縦の長さが5cm、対角線の長さが11cmの長方形の横の長さを求めなさい。
【問3】次の長さを3辺とする三角形のうち。直角三角形はどれですか。数字で答えよ。
- 5cm、7cm、8cm
- 12cm、16cm、20cm
- 20cm、21cm、29cm
- 10cm、15cm、20cm
- 0.5cm、1.2cm、1.3cm
- √3cm、√6cm、3cm
【問4】次のような長さから3つ選んで三角形をつくります。このとき。直角三角形になる組を2組答えなさい。ただし、3つの長さは、左から強い祭順に並べなさい。
(長さ)2 3 4 √5 √7 √10
【問5】次の問いに答えなさい。
- 1辺が8cmの正方形の対角線の長さを求めなさい。
- 1辺が12cmの正三角形の高さを求めなさい。
ヒント
- 正方形に対角線を引くと、直角二等辺三角形が2つできます。
- 正三角形(二等辺三角形)は、高さを下す(線をひく)と垂直二等分線となります。つま
- り、底辺の中点に、下した線がきます。底辺を半分ずつにしているところにきます。
【問6】それぞれxの値を求めなさい。
【問7】次の問いに答えなさい。
- 半径12cmの円Oで、中心Oからの距離が8cmである弦ABの長さを求めなさい。
- AB=AC=13cmの二等辺三角形△ABCがある。底辺であるBC=10cmのとき、この二等辺三角形の高さを求めなさい。
- 半径10cmの円Oで、中心との距離が8cmである弦ABの長さを求めなさい。
- 半径10cmの円Oで、弦CDの長さが8cmのとき、中心と弦CDの距離を求めなさい。
【問8】次の図で、直線ABは点Bを接点とする円Oの接線です。次の問いに答えなさい。
- △OABはどのような三角形か答えよ。
- 円Oの半径4cm、線分OAの長さを12cmとするとき、接線ABの長さを求めなさい。
三平方の定理の定期テスト対策問題解答
【問1】(1)10 (2)6√3
【問2】(1)13 (2)4√6
【問3】2、3、5、6
【問4】(2、√5、3) (√7、3、4)
【問5】(1)8√2 (2)6√3
【問6】(1)4√2 (2)4√3 (3)3√3
【問7】
- 8√5cm
- 12cm
- 12cm
- 2√21cm
【問8】
- 直角三角形
- 8√2cm
入試では、複雑な図形の中で、その特別な角をもつ直角三角形を探したり、問題の条件を読む中で、角度を知り、「特別な角をもつ直角三角形の辺の比」を使用させたりさせる問題が多いです。演習を重ね、習得しましょう。ただし、どの都道府県でも大問1にあるような小問集合の問題には、今回のような分かり切った状態で出題され、「特別な角をもつ直角三角形の辺の比」を使わせる問題も出題されるケースもあります。そのときは、しっかり得点していくことが大切となります。
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