音の性質に関する練習問題です。まずは、確認問題で基本用語の確認を行い。次に練習問題で実力を伸ばしましょう。
音の性質の確認問題
- 音を発しているものを何というか。
- 音を発しているものはどんな状態にあるか。
- 密閉容器に音が鳴っているブザーを入れ、真空ポンプで空気を抜いていくと、音はどのように変化するか。
- 水などの液体中でも音は伝わるか。
- 680m離れた地点で花火が上がったとき、2秒後に花火の音が聞こえた。音が空気中を伝わる速さは何m/sか。
- 校舎の壁に向かってピストルを鳴らしたところ、2秒後にピストルの音が反射して返ってきた。このときの空気中での音の速さを340m/sとすると、ピストルを鳴らした地点から校舎まで何m離れていることになるか。
- 振幅が大きいとどんな音になるか。
- 1秒間に音源が振動する回数を何というか。
- 8の単位は何か。
- 弦を弾いて、大きくて高い音を出すには、どんな弦をどのように弾けばよいか。
解答
- 音源
- 振動している
- 小さくなっていく
- 伝わる
- 340m/s
- 340m
- 大きい音
- 振動数
- Hz(ヘルツ)
- 細くて短い弦を強く張り、弦を強く弾けばよい。
【練習問題】音の高低や振動数
[問題]下の図1のように、モノコードを使っていろいろに条件を変え、弦を弾く実験を行った。あとの各問いに答えよ。
【実験】
①細い弦をモノコードにセットし、図1の位置に木片を置いて弦を弾いて音を出し、音の大きさ、音の高さ、コンピューターに表示される波形を調べた。図2は、このときコンピューターに表示された波形のようすである。
②次に、モノコードにセットする弦の太さや木片の位置を変え、弦を弾いたときに出る音をコンピューターに通して観察した。図3は、このとき観察された波形のようすを表している。
(1)実験①において、弦を1回だけ弾いたとき、聞こえた音の大きさしだいに小さくなっていったが、音の高さは一定で変わらなかった。このことから、弾いたあとの弦における、振動数の変化、振幅の変化について、どのようなことがわかるか。それぞれ簡潔に答えよ。
(2)図3のア~ウの中で、実験①と同じ弦を弾いて出た音の波形はどれか。記号で答えよ。
(3)図3のア~ウの中で、実験①の弦よりも太い弦を弾いたものはどれか。記号で答えよ。
(4)図2のグラフの横軸の1目盛りが0.001秒を表している場合、実験①で弾いた弦の振動数は何Hzになるか。
【解答・解説】音の高低や振動数の計算問題
(1)振動数:変化なし。 振幅:小さくなった。
同じ弦から出た音なので、音の高低は変化しません。したがって振動数は変化していません。時間が経つにつれて音の大きさが小さくなっているので、振幅は小さくなっています。
(2)イ
実験①と同じ弦を弾いた場合、音の高さが同じになります。したがって、振動数が変化していないイが、実験①と同じ弦になります。振幅が大きいので実験①の弦を強く弾いたこともわかります。
(3)ウ
太い弦を弾いた場合、音の高さが低くなります。低い音の振動数は少なくなるので、グラフの山の数が少ないウが答えになります。
(4)250Hz
図2の横軸の1目盛りが0.001秒なので、1回振動するのに0.004秒かかることがわかります。振動数は1秒間に振動する回数ですので、
0.004秒:1回=1秒:x回
x=250
振動数は250Hzになります。
【発展理科問題❶】音の速さの公式
下の図のように、グラウンドで音の速さを計測する実験を行った。スピーカーから138m離れた所に立ち、スピーカーから出るチャイムの音を観測した。また、スピーカーと反対側に壁があり、観測者は壁ではね返ってきたチャイムの音を、最初にチャイムの音を聞いた0.6秒後に再び聞いた。ただし、この日の気温は22.5℃であり、t[℃]のときの音の速さは次の公式で求めるものとする。
音の速さ=331.5+0.6t
(1)この日の音の速さは何m/sか。
(2)スピーカーから出たチャイムを観測者が最初に聞いたのは、スピーカーからチャイムが出て何秒後か。
(3)観測者と壁の距離は何mか。
(4)音の速さを計測した実験を行った日の夕方、家から数百メートル離れた避雷針に落雷した。このときいなずまを見てから少し遅れて雷鳴が聞こえた。その理由として正しいものを、下のア~エの中から一つ選び、記号で答えよ。
ア 光はどんなときも同じように伝わるが、音は気温や湿度により伝わり方が変わるから。
イ 光は瞬時に伝わるが、音が伝わるのには時間がかかるから。
ウ 放電によりいなずまが出た後に、少し遅れて雷鳴が発生するから。
エ 光と音を同時に観測しているが、音を認識するまでに時間がかかるから。
【発展 解答・解説❶】音の速さの公式
(1)345m/s
音の速さの公式に気温22.5℃を代入して音の速さを求めます。
音の速さ=331.5+0.6×22.5℃=345m/s
(2)0.4秒後
スピーカーと観測者の間の距離138mと、(1)で求めた音の速さ345m/sで求めます。
138m÷345m/s=0.4s
(3)103.5m
スピーカーから出たチャイムが、観測者を通過し、壁ではね返って2回目のチャイムが観測されます。チャイムは0.6秒間で観測者から壁に進み、壁で反射して再び観測者に達しているので、0.6秒は観測者と壁の往復の時間となります。したがって、片道の0.3秒で計算します。
345m/s×0.3s=103.5m/s
(4)イ
光が空気中を進む速さは秒速30万km、音が空気中を伝わる速さは約340m/sと、圧倒的に光の方が速いので、光は瞬時に伝わり、音はそれから少し遅れて伝わります。
【発展理科問題❷】ドップラー効果
毎秒15mの速さで、まっすぐな道路を走っている自動車が、A地点を通過した瞬間から13.6秒間サイレンを鳴らした。A地点から1020m先のB地点にいる人に聞こえるサイレンの音について、次の各問いに答えなさい。ただし、音の速さは毎秒340mとする。
(1)A地点で発したサイレンの音は、B地点では何秒後に聞こえるか。
(2)B地点ではサイレンは何秒間聞こえるか。
(3)B地点で聞こえるサイレンの音は、A地点で聞こえるサイレンの音に比べ聞こえ方が異なる。B地点で聞こえるサイレンの音について正しいものを次のア~ウから選び、記号で答えよ。
ア B地点の方が高く聞こえる。 イ B地点の方が低く聞こえる。
ウ どちらも同じ高さである。 エ 高く聞こえたり低く聞こえたりする。
【解答・解説❷】ドップラー効果
ドップラー効果の計算方法について、段階を追って計算してく問題となっています。実際に出したサイレンの時間よりも短く聞こえるので、音は高く聞こえます。
(1)3.0秒後
A地点で出されたサイレンの音は、1020mの距離を340m/sの速さで進んでB地点の人に届きます。したがって、
1020m÷340m/s=3.0s
3.0秒後に最初のサイレンの音が届きます。
(2)13.0秒間
自動車がA地点で出したサイレンの音は、B地点では3.0s後に聞こえます。その後、13.6秒間サイレンを鳴らしている間に自動車は、
15m/s×13.6s=204m 進むので、13.6秒後の自動車がいる地点からB地点までの距離は、
1020m-204m=816m
になります。自動車から最後に出たサイレンの音は、この距離を進んでB地点の人に届きます。
816m÷340m/s=2.4s
したがって、B地点の人が聞くサイレンの長さは、
13.6+2.4-3.0=13.0s
と短く聞こえます。
(3)ア
音源が観測者に近づいている場合、音は実際の音よりも高く聞こえ、音源が観測者から遠ざかっている場合、実際の音よりも低く聞こえます。これをドップラー効果といいます。
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