中学1年生の理科で学ぶ「水溶液」は、テストによく出る重要な単元です。酸性・中性・アルカリ性の違いや、水に溶ける物質の特徴をしっかり理解することがポイントになります。この記事では、水溶液の基本から、性質・分類のポイントまでをわかりやすく解説!暗記のコツやよくある間違いも紹介するので、テスト対策にも役立ちます。しっかり学んで、水溶液の知識をマスターしましょう!
水溶液とは
水溶液とは水に物質が溶けたもので、身近な例でいうと食塩水や砂糖水などが水溶液になります。水溶液と呼べるためには次の3つの性質を満たさなくてはなりません。
❷濃さは均一
❸放置しておいても沈殿しない
この3つの性質を満たさないと水溶液とは呼べませんので、牛乳や泥水などは水溶液とは呼べません。
溶質・溶媒・溶液
水溶液をつくるには、水に何かを溶かさなければなりません。このとき、溶かす物質、物質を溶かす液体、物質が溶けている液体に名前がありますので覚えましょう。
- 溶質
溶けている物質のこと - 溶媒
溶質を溶かす液体のこと - 溶液(水溶液)
溶質と溶媒を合わせたもの
溶媒が水の場合の溶液を、特に水溶液といいます。
水溶液の質量
水溶液の質量は、溶かす溶質の質量と溶媒の質量を合わせたものになります。
水溶液の質量=溶質の質量+溶媒の質量
例えば、質量25gの食塩を水100gに溶かすと、できた水溶液である食塩水の質量は、
25g+100g=125g
となります。
いろいろな水溶液
水溶液でも、次の水溶液は入試や定期テストに頻繁に登場します。溶けている物質が固体なのか気体なのか。また、何という物質が溶質なのかをしっかりと覚えましょう。
食塩水(塩化ナトリウム水溶液)
- 溶質:食塩(塩化ナトリウム)[固体]
- 臭い:無し
- 加熱すると:白い粒が残る
- 性質:中性
砂糖水
- 溶質:砂糖[固体]
- 臭い:無し
- 加熱すると:茶色のネバネバとしたものが残る
- 性質:中性
塩酸
- 溶質:塩化水素[気体]
- 臭い:刺激臭
- 加熱すると:何も残らない
- 性質:酸性
炭酸水
- 溶質:二酸化炭素[気体]
- 臭い:無し
- 加熱すると:何も残らない
- 性質:酸性
水酸化ナトリウム水溶液
- 溶質:水酸化ナトリウム[固体]
- 臭い:無し
- 加熱すると:白い粒が残る
- 性質:アルカリ性
アンモニア水(水酸化アンモニウム水溶液)
- 溶質:アンモニア[気体]
- 臭い:刺激臭
- 加熱すると:何も残らない
- 性質:アルカリ性
石灰水(水酸化カルシウム水溶液)
- 溶質:石灰(水酸化カルシウム)[固体]
- 臭い:無し
- 加熱すると:白い粒が出てくる
- 性質:アルカリ性
水溶液の確認問題
【問1】次の問いに答えなさい。
- 次の中なら水溶液とは呼ばないものを選べ。
ア:食塩水 イ:塩酸 ウ:石灰水 エ:牛乳 - 水溶液の濃さはどうなっているか。
- 水溶液の温度を変えず、そのまま放置しておくと沈殿するか。
- 食塩水の食塩のように、水に溶けている物質を何というか。
- 砂糖水の水のように、物質を溶かす液体を何というか。
- 食塩30gを水120gに溶かすと水溶液の質量は何gになるか。
- 食塩水の溶質を答えよ。
- 塩酸の溶質を答えよ。
- アンモニア水を水分がなくなるまで加熱すると後に何か残るか。
- 水酸化ナトリウム水溶液は何性か。
【問2】次の問いに答えなさい。
[問題]図のように、食塩を水に入れ、ガラス棒でよくかき混ぜて食塩水をつくった。食塩の他にも、砂糖、水酸化ナトリウム、塩化水素、アンモニア、石灰を水に溶かし水溶液をつくった。これについて、次の各問いに答えなさい。
(1)食塩のように、水に溶けている物質のことを何というか。
(2)食塩水の水のように、食塩を溶かしている液体のことを何というか。
(3)できた食塩水のA、Bの部分の濃さを比べるとどうなっているか。簡潔に答えよ。
(4)物資が水に溶けると、溶けた物質の粒子は、水溶液中でどのようになっているか。簡潔に答えよ。
(5)できた食塩水をしばらく放置すると、水溶液の濃さはどうなるか。次のア~エの中から一つ選び、記号で答えよ。ただし、水は蒸発せず、温度も変化しないものとする。
ア 下の方が濃くなってくる。
イ 上の方が濃くなってくる。
ウ 濃さは均一で変化しない。
エ 全体的に薄くなってくる。
(6)砂糖、水酸化ナトリウム、塩化水素、アンモニア、石灰を水に溶かしたとき、赤色リトマス紙を青色に変える水溶液になるのはどれか。物質名ですべて答えよ。
(7)砂糖、水酸化ナトリウム、塩化水素、アンモニア、石灰を水に溶かしたとき、緑色のBTB溶液を入れると黄色になる物質はどれか。物質名ですべて答えよ。
【解答・解説】水溶液の確認問題
問1
- エ
- 均一(どこでも同じ)
- 沈殿しない
- 溶質
- 溶媒
- 150g
- 食塩(塩化ナトリウム)
- 塩化水素
- 何も残らない
- アルカリ性
【問2】
(1)溶質
食塩のように、液体に溶ける物質を「溶質」といいます。
(2)溶媒
溶質を溶かす液体を「溶媒」といいます。
(3)同じ濃さになっている。
水溶液の性質に「濃さは均一」というものがあります。最初は下の方が濃くなっていますが、かき混ぜたり、しばらく放置しておくと、濃さは均一になります。
(4)均一に散らばっている。
水溶液になったとき、溶質の粒子は水溶液全体に均一に散らばっている状態になります。
(5)ウ
水溶液の性質に「放置しておいても沈殿しない」というものがあります。これは、時間が経っても下の方が濃くなったりしないということを意味しています。
(6)水酸化ナトリウム、アンモニア、石灰
赤色リトマス紙を青色に変えるのは、アルカリ性の水溶液です。アルカリ性の水溶液には、水酸化ナトリウム水溶液、アンモニア水、石灰水などがあります。
(7)塩化水素
BTB溶液の色を黄色に変える水溶液は、酸性の水溶液です。酸性の水溶液には、気体の塩化水素が溶けた塩酸や、硫酸、酢酸(す)、炭酸水、ホウ酸水、レモン汁などがあります。
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