中学歴史で学習する貿易に焦点を絞って学習します。当時の歴史背景も探りながら、輸出品目や輸入品目など特徴をとらえましょう。入試やテストに出るポイントも押さえます。
日本の貿易史まとめ
日本の貿易の歴史は、主に弥生時代の後期から始まっていますが、特に入試やテストで出題される、平安時代後期の日宋貿易からポイントまとめていきます。
- 日宋貿易…平安時代末期~鎌倉時代
- 日明貿易(勘合貿易)…室町時代
- 南蛮貿易…安土桃山時代
- 朱印船貿易…江戸時代
日宋貿易
日宋貿易は、平安時代の末期に力があった平清盛が行った貿易です。当時の中国の王朝が宋だったため、日宋貿易と名前が付けられています。現在の兵庫県神戸市にあたる大輪田泊(おおわだのとまり)で貿易が行われました。
当時の中国から輸入された品物は唐物と呼ばれ、非常に重宝されていたようです。日本からは砂金や、火薬の原料となる硫黄などが輸出されているのがポイントです。日宋貿易は、そのまま鎌倉時代まで続きます。
- 輸出品目…金、水銀、硫黄、漆器、刀剣
- 輸入品目…宋銭、陶磁器、香料、書籍、薬品
日明貿易(勘合貿易)
日明貿易は、室町幕府三代将軍である足利義満によって行われた貿易です。明が日本に対して、当時の海賊である倭寇の取り締りを求めたため、足利義満は倭寇と正式な貿易船とを区別するため、勘合を用いて貿易をはじめました。そのため、日明貿易は別名、勘合貿易ともいいます。
- 輸出品目…銅、硫黄、刀剣、漆器
- 輸入品目…銅銭、生糸、絹織物、陶磁器
その他のポイントは下の通りです。
- 明…元が衰えると、漢民族がモンゴル民族を追い出して明を建てた。
- 倭寇…中国周辺の海にあらわれた海賊。
- 勘合…正式な貿易船がもたされた合札のこと。倭寇の船ではないことを表す証明書。
- 朝鮮国…1392年、朝鮮半島で高麗を倒して建国された。日本と貿易を行った。ハングルが作られた。
- 琉球王国…現在の沖縄県。日本・中国・東南アジアなどとの中継貿易を繁栄した。
- アイヌ民族…現在の北海道にあたる蝦夷地にもどから住んでいた人々。漁業や狩り、交易を行う生活をしていた。
南蛮貿易
戦国時代から安土桃山時代に行われた貿易で、主に南蛮人(ポルトガル人・スペイン人)との貿易になります。南蛮貿易は、平戸・長崎などの九州の港で行われました。日本は銀を輸出しているのがポイントで、輸入品目は生糸が代表例です。
- 輸出品目…銀、銅、刀剣、漆器
- 輸入品目…生糸、絹、鉄砲、火薬
その他のポイントは次の通りです。
- 鉄砲…1543年、種子島に漂着したポルトガル人が伝え、戦国大名が注目。
- キリスト教…1549年、イエズス会宣教師フランシスコ・ザビエルが伝える。キリシタン(キリスト教徒)大名も出現。
キリスト教の拡大を恐れた幕府は、禁教と鎖国を行った。
朱印船貿易
朱印船貿易では、徳川家康が朱印状を出し、東南アジアを中心に貿易が行われました。東南アジアの各地に日本町もできています。江戸時代の貿易の品目は、前期は南蛮貿易とさほど変わりませんが、後期になると、輸出品目に俵物などが登場します。輸入品目は、主に生糸ですが、後期になると綿織物や毛織物、砂糖の割合が増えてきます。
- 輸出品目…銀、銅、硫黄、刀剣、俵物
- 輸入品目…生糸、絹織物、綿織物、毛織物、砂糖
この時代のその他のポイントは、以下の通りです。
- 禁教令…キリスト教信仰を禁止。
- 島原・天草一揆…キリスト教徒の一揆。
- 鎖国…ポルトガル人を追放。オランダ商館を長崎の出島に移す。中国船・オランダ船以外との貿易を禁止。鎖国下の対外関係では、オランダ、中国以外とも交流。
- 朝鮮と国交回復…朝鮮通信使の来日。対馬藩が窓口。
- 琉球王国…沖縄県にあり、薩摩藩が支配。中国にも朝貢。
- 蝦夷地…松前藩がアイヌの人々との交易を独占。
鎖国でも朝鮮、琉球、蝦夷地などとの交流が行われた。
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