磁石の磁界の中に電流を流すと、どのような現象が起こるのでしょうか。フレミングの左手とモーターのつくりまで解説します。
電流が磁界から受ける力
次は、磁石の磁界の中に電流を流すと、どのような現象が起こるのかを見ていきます。
磁石の磁界の中に電流を流すと、磁石の磁界と電流が流れている導線のまわりの磁界が、強め合ったり、弱め合ってりして電流(導線)が力を受け動きます。
上の図のように、U字型磁石の間に電流を流すと、磁石の手前側で磁界を弱め合い、奥の方で磁界を弱め合います。このときできる磁界は次のようになりましたね。
- 磁石の磁界はN極からS極
- 導線のまわりの磁界はペンを分解する向き
磁石の手前側では、U字型磁石の磁界と、導線のまわりの磁界が逆向きになり磁界を弱め合います。磁石の奥側では、U字型磁石の磁界と導線のまわりの磁界が同じ向きになり磁界を強め合います。
その結果、電流(導線)は磁界が強い方から弱い方に押されるような力を受け、導線が手前の方に動きます。
導線を流れる電流の向きに対しても、磁石の磁界の向きに対しても垂直な向きに力を受けます。
フレミングの左手
電流(導線)が磁界の中で受ける力は、磁石の磁界の向きと電流(導線)のまわりの磁界の向きで考えますが、フレミングの左手を使うと簡単に判断することができます。左手の中指と人差し指、親指を下の図のように90度に曲げて使います。
- 中指…電流の向き
導線を流れる電流の向きにあわせる - 人差し指…磁石の磁界の向き
U字型磁石の磁界の向きにあわせる - 親指…力を受けて導線が動く向き
親指が導線が動く向きになります
力の大きさを大きくするには
このとき、電流(導線)が受ける力を大きくするには次のような方法があります。
- 流れる電流の大きさを大きくする。
- 磁石の磁界を強くする(磁石を強力な磁力のものに変える)。
この他に、回路に抵抗をつなげてある場合は、抵抗が小さなものに変えるという方法も入試でよく聞かれます。
力の向きを逆にするには
電流(導線)が受ける力の向きを逆にし、導線が動く向きを逆にするには次のような方法があります。
- U字型磁石の極を逆にする。
- 電流の向きを逆にする。
モーター(電動機)
この電流が磁界から受ける力を利用すると、電気エネルギーを運動エネルギーに変換できるモーター(電動機)をつくることができます。モーターは、洗濯機や扇風機、電車などに利用されている装置です。
整流子は、コイルが力を受けて半回転するごとに、コイルに流れる電流の向きを逆にする部品です。この整流子のおかげで、電流の流れる向きが一定方向になり、コイルが同じ向きに回転し続けてくれます。
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