平行四辺形の定義・性質(定理)・条件の比較と違いです。定期テストでは、テスト範囲になっていれば、必ずと言って出題されるわけですが、しっかりその違いを把握していないとなかなか満点といかないようです。確実におさえておく必要があります。それでは、平行四辺形の定義・性質(定理)・条件の比較と違いです。
平行四辺形のポイント
図形 | 定義 | 性質(定理) | 条件 |
---|---|---|---|
平行四辺形 | 2組の対辺(向かい合う辺)がそれぞれ平行な四角形 | 2組の対辺(向かい合う辺)はそれぞれ等しい。 | 2組の対辺(向かい合う辺)がそれぞれ平行 |
2組の対角(向かい合う角)はそれぞれ等しい。 | 2組の対辺(向かい合う辺)はそれぞれ等しい。 | ||
対角線はそれぞれ(おのおの)の中点で交わる。 | 2組の対角(向かい合う角)はそれぞれ等しい。 | ||
対角線はそれぞれ(おのおの)の中点で交わる。 | |||
1組の対辺(向かい合う辺)が平行でその長さが等しい。 |
平行四辺形の証明では、平行線の性質のうち、錯覚や同位角がそれぞれ等しいということや対頂角は等しいということは知っておく必要があります。平行四辺形の証明では、ほぼ100%使うと思っていていいでしょう。
次の平行四辺形に関する証明は、「平行四辺形の性質をつかっておこなう証明」と「平行四辺形になることを証明」と大きく2つあります。
【練習問題】平行四辺形の証明
1.平行四辺形の性質を使って行う証明
次の図の平行四辺形ABCDの辺AD,BC上にAE=CFとなるように点E、Fをとるとき、BE=DFになることを証明せよ。
2.平行四辺形であることの証明
平行四辺形ABCDの対角線BD上に点E、FをBE=DFとなるようにとります。このとき、四角形AECFは平行四辺形であることを証明しなさい。
【解答・解説】平行四辺形の証明
1.平行四辺形の性質を使って行う証明
△ABEと△CDFで、
仮定より、AE=CF…①
平行四辺形の向かい合う辺は等しいので、AB=CD…②
平行四辺形の向かい合う角は等しいので、∠EAB=∠FCD…③
①②③より2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので
△ABE≡△CDF
合同な図形では、対応する辺は等しいので、BE=DF
2.平行四辺形であることの証明
点AとCを結び、BDとの交点をOとする。
四角形ABCDは平行四辺形だから
AO=CO…①
BO=DO…②
EO=BO-BE、FO=DO-DFより、BE=DF…③
②③より、EO=FO…④
①④より、対角線が、それぞれの中点で交わるので、四角形AECFは平行四辺形です。
平行四辺形のなかま
- 平行四辺形のうち、4つの角が等しく(つまり90°)なると長方形
- 平行四辺形のうち、4つの辺が等しくなるとひし形
- 平行四辺形のうち、4つの角と辺が等しくなると正方形
まとめ
- 平行四辺形になるための条件は、定義と性質(定理)に「1組の対辺(向かい合う辺)が平行でその長さが等しい。」を加えたもの
- 平行四辺形の証明は、平行線の性質や対頂角は等しいは、よく使う。
- 平行四辺形の仲間に、長方形、ひし形、正方形がある。
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