地震に関する問題です。まずは基礎知識の確認を行い、実戦型の地震の問題に挑戦しましょう。計算に力を入れた問題も準備しています。
【練習問題】地震に関する総合問題
[問題]下の図は、地震に関係するものである。図1は、地震が起こる場所について模式的に表したもので、図2は、地震のゆれに関しての記録を表したものである。これについて、次の各問いに答えよ。
(1)図1は地震が起こった場所の地下のようすを表した模式図である。地下の地震が起こった場所Bと、その真上の地表面Aをそれぞれ何というか。名称を答えなさい。
(2)図1では、海底の地下で地震が発生している。この場合、地震のゆれだけでなく、何に注意する必要があるか。
(3)地震が発生した場合、臨海部や埋めて地で、地下から水が噴き出してくる現象が起こることがある。この現象を何というか。
(4)図2は、地震が発生したときのゆれのようすを地震計で記録したものである。図2中の地震のゆれXとYをそれぞれ何というか。ゆれの名称を答えよ。
(5)観測地点でゆれXとYが発生するのは、地震が起こったときに、震源から同時に2つの波が発生するからである。ゆれXとYを起こす波をそれぞれ答えよ。
(6)観測地点でのゆれYの大きさを震度というが、震度は日本では何段階に分けられているか。また、震度で一番大きな震度は何か。数字で答えよ。
(7)地震の規模を表す尺度としてマグニチュードがあるが、マグニチュードが1大きくなると、地震のエネルギーは約32倍となる。マグニチュードが2大きくなれば、地震のエネルギーは約何倍になるか。次の中から適当なものを1つ選び、記号で答えよ。
ア 約64倍 イ 約320倍 ウ 約1000倍 エ 約32000倍
【解答・解説】地震の総合問題
(1)B:震源 A:震央
地震は地下で発生しますが、地震が発生した場所を震源、震源の真上の地表面のところを震央といいます。
(2)津波
海底で地震が発生した場合、海底が隆起したり沈降したりすることで津波が発生する可能性があります。
(3)液状化
地下にある水分が地震のゆれで地表にふき出してくる現象を、液状化といいます。液状化が起こると、建物が傾いたり、道路が陥没するなどの被害が起こります。
(4)X:初期微動 Y:主要動
地震で、最初にくる小さなゆれを初期微動、あとからくる大きなゆれを主要動といいます。
(5)X:P波 Y:S波
初期微動を引き起こす波はP波、主要動を引き起こす波はS波です。P波とS波は、地震が起こったときに同時に震源から伝わり始めますが、P波の方が伝わる速さが速いので、観測地点に早く到着します。
(6)段階:10段階 最高震度:震度7
地震による観測地点でのゆれの程度を震度といいます。日本では震度は、震度0から震度7の10段階に分けられています。震度を小さい方から書くと、震度0、震度1、震度2、震度3、震度4震度5弱、震度5強、震度6弱、震度6強、震度7になります。
(7)ウ
地震の規模やエネルギーを表す尺度としてマグニチュード(M)があります。マグニチュードは震源でのエネルギーの大きさを表しており、マグニチュードが1大きくなると、地震のエネルギーは約32倍になります。マグニチュードが2大きくなると、地震のエネルギーは32倍のさらに32倍、約1000倍になります。
【練習問題】地震の計算問題
[問題]下のグラフは、ある地震の2つの波が伝わる速さを記録したものである。これについて、次の各問いに答えなさい。
(1)観測地点にP波、S波が到着すると、それぞれ何というゆれが始まるか。
(2)この地震のP波とS波の伝わる速さをそれぞれ求めよ。
(3)P波が到着してからS波が到着するまでの時間を何というか。
(4)(3)の時間と震源からの距離にはどんな関係があるか。
(5)(3)の時間が25秒になるのは、震源からの距離が何kmの地点か。
(6)震源からの距離が320km地点での(3)の時間は何秒になるか。
(7)震源から100km離れた地点にS波が到着した時刻は16時15分40秒であった。この地震の発生時刻は何時何分何秒か。
(8)観測地点でのゆれの程度を何というか。
(9)この地震の規模を表すマグニチュードはM6であった。M6の地震はM4の地震のエネルギーの約何倍か。次の中から一つ選べ。
ア 4倍 イ 32倍 ウ 64倍 エ 1000倍 オ 32000倍
(10)この地震とは別の地震が発生した。初期微動が続く時間が前回の地震よりも短くなったが、震度は前の地震と同じであった。今回発生した地震の震源からの距離とマグニチュードについてわかることを簡潔に答えよ。
【解答・解説】地震の計算問題
(1)P波:初期微動 S波:主要動
速い波であるP波が伝わると地震の最初のゆれ初期微動が起こります。遅い波であるS波が伝わると大きな揺れ主要動が起こります。
・遅い波:S波→大きなゆれ:主要動
(2)P波:8km/s S波:4km/s
グラフより、P波は200kmの道のりを25秒で進んでいるので、
200km÷25秒=8km/s
グラフより、S波は100kmの道のりを25秒で進んでいるので、
100km÷25秒=4km/s
(3)初期微動継続時間
初期微動が到着してから主要動が到着するまでの時間を初期微動継続時間といい、P波による小さな揺れ初期微動が続く時間になります。

(4)初期微動継続時間と震源からの距離は比例する。
震源からの距離が2倍、3倍になると、初期微動継続時間も2倍、3倍になります。
(5)200km
グラフより、P波が到着してからS波が到着するまでの時間差が25秒になっているのは200km地点になっています。
(6)40秒
震源からの距離と初期微動継続時間は比例するので、
200km:25秒=320km:x秒
これを解くとx=40秒
(7)16時15分15秒
グラフより、100km地点にS波が到着したのは地震が発生してから25秒後だとわかる。つまり100km地点にS波が到着した時刻の25秒前に地震が発生したとわかる。
16時15分40秒ー25秒=16時15分15秒
(8)震度
観測地点でのゆれの程度を震度といいます。震度は日本では、震度0~震度7(震度5と震度6は強弱に分かれる)の10段階で表示されます。
・マグニチュード…地震の規模(エネルギーの大きさ)
(9)エ
マグニチュードが1大きくなると、そのエネルギーは約32倍になる。マグニチュードが2大きくなると、そのエネルギーは約32倍の約32倍、約1000倍大きくなります。
・エネルギーが2大きくなると→エネルギーは約32倍×32倍=約1000倍
・エネルギーが3大きくなると→エネルギーは約32倍×32倍×32倍=約32000倍
(10)震源からの距離は近くなり、マグニチュードは小さかった。
初期微動継続時間が短いことから、震源までの距離は近いことがわかります。また。近い場所で起こった地震にもかかわらず震度が同じだったことより、前に起こった地震よりもマグニチュードが小さいことがわかります。
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