電流、電圧に続き登場するのが抵抗です。絶縁体や導体の特徴と、電流・電圧・抵抗の関係を詳しく学習します。
抵抗とは
まずは、抵抗(電気抵抗)について説明します。抵抗とは、電流の流れにくさを表す量です。単位はΩ(オーム)を使って表します。抵抗が大きければ大きいほど、電流が流れにくくなります。逆に、抵抗が小さければ小さいほど、電流が流れやすくなります。
金属などは、電流を流しやすい物質です。なので、金属の抵抗は小さいということになります。プラスチックやゴムなどは電流を流しにくい物質です。なので、プラスチックやゴムの抵抗は大きいということになります。
導体と絶縁体(不導体)
金属のように、電流を流しやすい物質、いい換えると抵抗が小さい物質を導体といいます。
プラスチックやゴムのように、電流を流しにくい物質、いい換えると抵抗が大きい物質を絶縁体または不導体といいます。絶縁体の「縁」という字を「緑」と間違える生徒が多いので注意しましょう。

オームの法則
オームの法則とは、ある抵抗に流れる電流[A]と、電圧[V]が比例することをいいます。電圧が電流を流そうとする力(パワー)であるから、電圧が2倍、3倍になると、流れる電流も2倍、3倍になります。
オームの法則を使って、電流や電圧、抵抗を計算することができます。
電流・電圧・抵抗の計算
電流[A]の大きさや、電圧[V]の大きさ、抵抗[Ω]の大きさは計算によって求めることができます。
- 電圧[V]=電流[A]×抵抗[Ω]
- 電流[A]=電圧[V]÷抵抗[Ω]
- 抵抗[Ω]=電圧[V]÷電流[A]
で求めることができます。つまり、電流・電圧・抵抗のうち、2つの数字がわかれば、残りの1つの数字も計算で求めることができるのです。
次のように「テントウ虫」の形で覚えておくと便利です。

電流・電圧・抵抗の計算練習
(1)5.0Vの電圧を加えると2.0Aの電流が流れた。抵抗の大きさは何Ωか。
(2)10Ωの抵抗に2.0Aの電流が流れた。このときの電圧は何Vか。
(3)30Ωの抵抗に15Vの電圧をかけると何Aの電流が流れるか。
(4)2.0Vの電圧をかけると、100mAの電流が流れた。抵抗は何Ωか。
解答
(1)2.5Ω
5.0V÷2.0A=2.5Ω
(2)20V
10Ω×2.0A=20Ω
(3)0.5A
15V÷30Ω=0.5A
(4)20Ω
100mA=0.1A
2.0V÷0.1A=20Ω
【問題】オームの法則の計算・グラフの問題
右図のような回路を組んで、電熱線aと電熱線bに電圧をかけ、流れる電流の大きさを測定した。その結果が下のグラフである。これについて、次の各問いに答えよ。
(1)電熱線aとbはどちらの方が電流が流れやすいか。
(2)電熱線aに12Vの電圧をかけると、何Aの電流が流れるか。
(3)電熱線aの抵抗の大きさは、電熱線bの抵抗の大きさの何倍か。
(4)電熱線に流れる電流は、電熱線にかかる電圧に比例することがグラフよりわかる。これを何というか。
【解答・解説】オームの法則の計算・グラフの解答
(1)電熱線b
グラフの見ると、電熱線aよりも電熱線bの方が傾きが大きいことがわかります。これは、電熱線aよりも電熱線bの方が電流が流れやすいことを表しています。例えば、電熱線a、bに同じ6.0Vの電圧をかけた場合、電熱線aには0.2Aの電流が流れるが、電熱線bには0.3Aの電流が流れることがわかります。
(2)0.4A
12Vの半分の6Vの場合、電熱線aには0.2Aの電流が流れることがわかります。電圧と電流は比例するので、電圧が2倍になると、流れる電流も2倍になります。したがって、0.2Aの2倍の0.4Aの電流が流れます。
(3)1.5倍
抵抗の大きさは電圧V÷電流Aで求めることができます。電熱線aの抵抗の大きさは、6Vで0.2Aの電流が流れているので、6V÷0.2A=30Ω。電熱線bの抵抗の大きさは、6Vで0.3Aの電流が流れているので、6V÷0.3A=20Ω。したがって、30Ω÷20Ω=1.5倍になります。
(4)オームの法則
電熱線にかかる電圧を2倍、3倍にすると、電熱線に流れる電流も2倍、3倍になります。つまり、電圧と電流は比例関係になります。これをオームの法則というのです。
コメント