【中2理科】血液の循環のポイントです。私たちの体の中では、血液が絶えず流れ、酸素や栄養を全身に届けています。この血液の流れを「血液循環」といい、主に体循環と肺循環の2つに分けられます。心臓のはたらきによって血液が送り出されるしくみや、酸素と二酸化炭素の交換がどのように行われるのかを理解することは、中学理科の重要なポイントです。
この記事では、血液の循環のしくみをわかりやすく解説し、テストでよく出る問題演習も用意しました。血液の流れをしっかり理解し、テスト対策を万全にしましょう!
血液の循環
血液は酸素と二酸化炭素を交換するために、心臓→肺→心臓、心臓→全身→心臓の2つの循環を行っています。
肺循環
血液が、心臓→肺→心臓と循環することを肺循環といいます。血液が肺循環することで、酸素と二酸化炭素を交換することができます。
体循環
血液が、心臓→全身→心臓と循環することを体循環といいます。血液が体循環することで、酸素や養分を全身の細胞にとどけることができ、細胞からいらなくなった二酸化炭素や不要物を受け取り、排出することができます。
動脈血と静脈血
血管の中を流れる血液は、酸素や二酸化炭素が含まれている割合によって動脈血と静脈血にわかれます。
●動脈血
酸素を多く含む血液。鮮やかな赤色をしている。
●静脈血
酸素が少なく二酸化炭素を多く含む血液。濃い赤色をしている。
動脈血・静脈血と循環
肺から出てきた血液は、肺胞で酸素を受け取っているので動脈血になります。図では、赤い矢印で示したところが動脈血になります。
一方、血液は全身の細胞でできた二酸化炭素も運ぶので、全身の細胞から流れてきた血液には二酸化炭素が多く静脈血になります。図では青い矢印で示したところが静脈血になります。
とにかく、血管ではなく血液であることに注意してください。どんな血管を流れようが、酸素が多ければ動脈血で、二酸化炭素が多ければ静脈血になります。
動脈と静脈
次は動脈と静脈、血管の話になります。流れている血液は全く関係がありませんので注意してください。
- 動脈
心臓から送り出された血液が流れる血管。勢いよく血液が流れるのでピクピクと動いている。
勢いよく血液が流れるので、破れないように分厚く弾力性に富んでいる。 - 静脈
心臓に戻る血液が流れる血管。血液に勢いがないので、逆流しないように弁がついている。
もう一度言いますが、動脈と静脈は血管です。血液ではありませんので、動脈と静脈のどちらにどんな血液が流れても構いません。
肺動脈と肺静脈、大動脈と大静脈
血液を送り出すポンプのはたらきがある心臓には4つの大きな血管がつながっています。
- 肺動脈
心臓から肺に向かう血液が流れる血管。静脈血が流れている。 - 肺静脈
肺から心臓に戻る血液が流れる血管。動脈血が流れている。 - 大動脈
心臓から全身に向かう血液が流れてる血管。動脈血が流れている。 - 大静脈
全身から心臓に戻る血液が流れている血管。静脈血が流れている。
肺動脈には二酸化炭素が多い静脈血が流れ、肺静脈には酸素が多い動脈血が流れてる点に注意しましょう。
肺動脈には静脈血が流れる!
【問題】血液の循環と排出に関わる器官
下の図は、血液の循環を表した図と、排出に関わる器官の図である。次の各問いに答えよ。
(1)左の図で、Aは何の器官を表しているか。
(2)血液がAを循環する場合、心臓のどの部屋から血液が送り出され、どの部屋に戻ってくるか。記号で答えよ。
(3)血液が、心臓→A→心臓と循環することを何というか。
(4)左の図の↔で表された部分を流れる血液の向きはアとイのどちらか。
(5)Cを通過した血液は、すぐにBに送られる。このCとBをつなぐ血管を何というか。
(6)(5)を流れる血液には、2つの物質が多く含まれる。下のア~エの中から、この2つの物質として適当な組み合わせを選んでいるものを1つ選び、記号で答えよ。
ア 酸素、二酸化炭素 イ ブドウ糖、アンモニア
ウ 脂肪酸、アミノ酸 エ アミノ酸、尿素
(7)血液がBを通過すると、血液中のある物質の濃度が低くなり、別の物質の濃度が高くなります。この2つの物質の名称を書け。
(8)左の図のDを拡大したものが、右の図である。この器官Dの名称と、右図のY、Zの名称を答えよ。
(9)吸収された、養分が図の全身の細胞に届くまでの道順を、Cを始まり、全身の細胞を最後として、左図中のA~D、a~dの記号を用いて表せ。
(10)Dの器官には、血液中の不要物をこしとるはたらき他に、どのようなはたらきがあるか。1つ簡潔に答えよ。
【解答・解説】血液の循環と排出に関わる器官
(1)肺
血液は全身を流れた後(体循環)、必ず肺を流れます(肺循環)。
(2)bから送り出されcに戻ってくる
血液は右心室(b)から肺に送り出され、血液中の酸素と二酸化炭素が交換され、肺から左心房(c)に戻ってきます。
(3)肺循環
血液が、心臓→肺→心臓と循環することを肺循環といいます。
(4)イ
血液が全身を循環するとき、左心室(d)から送り出され、右心房(a)に戻ってきます。したがって、図中の血管内を血液は下向きに流れます。
(5)門脈(肝門脈)
小腸を流れた血液は、必ず肝臓に流れるようになっています。この小腸と肝臓をつなぐ血管を門脈といいます。
(6)イ
小腸を通過した血液は、柔毛の毛細血管で、ブドウ糖とアミノ酸の養分と、タンパク質が分解されたときに生じる人体に有害なアンモニアを多く含んでいます。
(7)濃度が低くなる物質:アンモニア 濃度が高くなる物質:尿素
小腸で吸収した有害なアンモニアは、肝臓のはたらきで、無害な尿素につくりかえられます。
(8)D:じん臓 Y:輸尿管 Z:ぼうこう
じん臓は、血液中の不要物をこし取り尿として体外に排出する器官です。じん臓でこしとられた不要物は、輸尿管を通りぼうこうに蓄えられます。
(9)C→B→a→b→A→c→d→全身の細胞
小腸で吸収された、ブドウ糖やアミノ酸等の養分は、肝臓に送られ、心臓に送られます。この後は肺循環を終えて、左心室から全身の細胞に送られます。
(10)血液中の塩分濃度を調節する。
じん臓は、血液中の塩分濃度を0.9%になるように調節するはたらきもあります。
コメント
初めまして。動脈血と静脈血のイラスト図を講演資料として使い、講演の様子をウェブサイトで公開したいと考えております。利用条件、利用手続き等ございましたらご教示いただければと思います。よろしくお願いいたします。
松田様
始めまして。
exameeの理科を編集しているものです。
動脈血と静脈血のイラストですが、講演資料として是非ご活用ください。
利用手続きは必要ございません。ご自由に活用していただいて構いません。
今後ともよろしくお願いします。
運営チーム様
お世話になっております。
利用手続き等は必要なく使用させていただけるとのこと、誠にありがとうございます。
詳細情報等、お知らせした方がよろしければ、メールにご連絡いただければ幸いです。
こちらこそ今後ともよろしくお願いいたします。