【中学1年理科】浮力の求め方4パターンの計算方法

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今日のテーマは浮力です。浮力とは、水の中で受ける上向きの力で、計算問題もよく出題されます。4つの計算方法があるので、どんな問題でも計算できるように練習しましょう。

浮力とは

お風呂や海などに入ると、体が水によって押し上げられ軽くなりますよね。このように水中で物体を押し上げようとする力のことを浮力と言います。大きな鉄のかたまりである船が浮かぶのは浮力がはたらいているからです。

浮力の計算方法

水の中で受ける上向きの力である浮力の求め方には、4つのパターンがあります。特に最初の2つのパターンは入試でもよく出題される計算です。

  1. 空気中と水中のばねはかりの差
  2. 水面に浮かんでいる物体にはたらく浮力
  3. 上面と下面にはたらく水圧の差
  4. 押しのけた水の重さ(アルキメデスの原理)

残りの2つのパターンは応用的な計算になりますので、自分の学習の進み具合で、マスターするか飛ばしておくか決めてください。

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空気中と水中のばねはかりの差

パターン1として、空気中ではかった物体の重さと、水中ではかったばねはかりの目盛りの差で浮力を計算する問題です。

浮力の求め方❶浮力空気中での重さ水中でのばねばかりの値

浮力1

上の図のように、空気中で物体の重さをはかると5.0Nで、物体を水の中に入れると、ばねはかりが3.0Nを示した場合の浮力は次のように計算します

5.0Nー3.0N=2.0N

水面に浮かんでいる物体にはたらく浮力

パターン2です。水面や水中に物体が浮かんで静止している問題です。この計算方法も非常に簡単です。浮かんで静止しているということは、物体にはたらいている重力と、浮力がつり合っています。

浮力の求め方❷物体にはたらく重力物体にはたらく浮力

浮力

上の図のように、100Nの物体が水面に浮かんで静止している場合の浮力の大きさは、物体の重力と同じ100Nとなります。

物体にはたらく重力100N=物体にはたらく浮力100N

上面と下面にはたらく水圧の差

水の密度や、水面からの深さ、物体の底面積などがわかっている場合は、物体の上面と下面にはたらく水圧の差から浮力を求めることができます。

物体の上面より、下面の方が深い位置にありますので、その分、下面にはたらく水圧の方が大きくなります。この水圧の差分が浮力になるのです。

浮力の求め方❸物体の下面を押す水の力物体の上面を押す水の力浮力

浮力

上の図のように、物体が水中にある場合の浮力を計算してみましょう。水の密度を1.0g/cm³、100gの物体にはたらく重力の大きさを1.0Nとします。

物体の上面は、水面から10cmの深さにあるので、

  • 100cm²×10cm=1000cm³
  • 1000cm³×1.0g/cm³=1000g
  • 1000g=10N

上面は、水の重さによって10Nで下向きに押されています。

物体の下面は、水面から10cm+30cm=40cmの深さにあるので、

  • 100cm²×40cm=4000cm³
  • 4000cm³×1.0g/cm³=4000g
  • 4000g=40N

下面は、水の重さによって40Nで上向きに押されます。

したがって、浮力の大きさは、

  • 40N-10N=30N

となります。

押しのけた水の重さ(アルキメデスの原理)

水の中につかっている物体の体積がわかる場合は、アルキメデスの原理を使って浮力を計算することができます。

アルキメデスの原理とは、押しのけた液体の重さが浮力になるという法則です。

浮力の求め方❹押しのけた液体の重さ浮力

浮力

上の図のように、底面積100cm³、高さが30cmの物体が水中にすべてつかっている場合、浮力の大きさは、

  • 100cm²×30cm=3000cm³
  • 3000cm³×1.0g/cm³=3000g
  • 3000g=30N

物体によって押しのけられた水の重さは30Nになるので、浮力の大きさも30Nとなります。

【理科問題❶】圧力と浮力

問題図1のように、ばねはかりに底面積が20cm²の物体をつるすと1.5Nを示した。このときばねののびは6.0cmであった。次に、この物体を図2のようにばねはかりにつるしたまま水にしずめたところ、ばねはかりは1.0Nを示した。これについて、次の問いに答えよ。ただし、100gの物体にはたらく重力の大きさを1.0Nとし、空気の重さは考えないものとする。

圧力と浮力

(1)図1で、ばねはかりが1.5Nを示したことから、物体の質量は何gだとわかるか。

(2)実験で使用したばねについて、ばねに加わる力の大きさとばねののびの関係を、したのグラフに表せ。

ばねののびグラフ

(3)図1の物体をばねはかりからはずし、床の上に静かにおいた。このとき、物体が床にあたえる圧力は何Paか。

(4)図2で、物体を水に沈めたとき、物体には重力のほかに浮力がはたらいていると考えられる。この浮力の大きさは何Nか。

(5)物体が完全に水につかっている場合、物体をさらに深く沈めた場合、水の中で物体が受ける浮力の力の大きさはどうなるか。簡潔に書け。

【解答・解説❶】圧力と浮力

(1)150g

100gの物体にはたらく重力の大きさが1.0Nなので、1.5N=150gとなります。

(2)ばねののびは、ばねに加わる力の大きさに比例します。なので、原点を通る直線になります。1.5Nで6.0cmののびであったことから、グラフは下のようになります。

ばねののびとグラフ 解答

(3)750Pa

1Pa=1N/㎡なので、1㎡あたりの力の大きさを計算すればいいのです。底面積が20㎠なので、㎡に変換すると、
20㎠=0.002㎡
したがって圧力N/㎡(Pa)は、
1.5N÷0.002㎡=750Pa
になります。

(4)0.5N

浮力の求め方は、
空気中でのばねはかりの値ー水中でのばねはかりの値
で求めることができます。したがって浮力の大きさは、
1.5N-1.0N=0.5N
となります。

(5)変化しない。

水の中にある物体にはたらく浮力は、水につかっている物体の体積で決まります。物体が全て水につかっている場合、さらに深く沈めようが、物体が水につかっている体積は変化しませんので、浮力の大きさも変化しません。

【練習問題❷】浮力の計算

問題下の図のように、質量800gの物体Aをばねはかりにつるし、全体が水につかり、ビーカーの底に物体Aぐ触れないように静かに水の中に沈めた。質量600gの物体Bも、物体Aと同じようにビーカーの水に入れたところ、物体Bが水面から少し飛び出した状態で静止した。これについて、次の各問いに答えなさい。ただし、100gの物体にはたらく重力を1.0Nとする

浮力の計算問題

(1)図のように物体Aを水中に沈めたところ、物体Aを支えるばねはかりは5.0Nを示していた。このとき、物体Aにはたらく浮力大きさは何Nか。

(2)物体Aを図の状態から、ビーカーの底につかないようにさらに深く沈めた場合、ばねはかりの示す値はどうなるか。次のア~エの中から一つ選び、記号で答えよ。
ア ばねはかりの示す値は小さくなる
イ ばねはかりの示す値は大きくなる
ウ ばねはかりの示す値は変化しない
エ ばねはかりの示す値は不規則に変化する

(3)図のように物体Bが水面に浮かんでいるとき、物体Bにはたらく浮力の大きさは何Nか。

(4)図の状態の物体Bを、すべて水中につかるように手で押さえたとき、物体Bにはたらく浮力の大きさと重力の大きさは、それぞれどうなるか。簡潔に答えよ。

【解答・解説❷】浮力の計算

(1)3.0N

浮力の大きは、次の式で求めることができます。
浮力=空気中でのばねはかりの値ー水中でのばねはかりの値
物体Aの質量は800gなので、800g=8.0N
8.0N-5.0N=3.0N
となります。

(2)

浮力の大きさは、水中にある物体の体積で決まります。物体Aはすでに全体が水につかっているので、深くなろうが浅くなろうが、物体がすべて使っている状態なら、浮力の大きさは変化しません。

(3)6.0N

物体Bは水面に浮いて静止しています。静止しているということは、物体Bにはたらく力がつり合っているということです。つまり、物体Bにはたらく重力と浮力が同じ大きさで、つり合った状態になっています。
物体Bは600gなので、600g=6.0N
物体Bにはたらく重力が6.0Nなので、浮力の大きさも6.0Nになります。

(4)浮力:大きくなる 重力:変化しない

物体Bは最初の状態では、全体が水に浸かっていません。この状態から全て水に浸かるように沈めると、水中にある物体の体積が大きくなり、浮力が大きくなります。重力は、地球が物体を引く力で、物体がどんな状態にあろうが変化しません。

【理科問題❸】浮力とグラフ

浮力の大きさを調べるために、下の図1のように物体をビーカーの水の中に入れる実験を行った。図2は、水面から物体の底面までの距離と、ばねばかりが示した値を表したグラフである。これについて、以下の各問いに答えよ。ただし、100gの物体にはたらく重力の大きさを1.0Nとする。

浮力の大きさ 問題

(1)この物体の質量は何gか。

(2)この物体を空気中から水の中に沈めていき、図2のグラフのA点になったとき、この物体にはたらく浮力の大きさは何Nになるか。

(3)この物体の高さは何cmか。

(4)この物体をさらに水の中に沈めていき、図2のグラフのB点になったとき、この物体にはたらく浮力の大きさは何Nか。

(5)次の文は、この実験からわかる浮力の大きさについてまとめたものである。文中の( )に適する語句を入れなさい。

この実験からわかるように、浮力の大きさは水中にある物体の( ① )が大きくなるほど大きくなることがわかる。また、物体が完全に水に中に沈んだ場合、水面から物体の上面までの深さをさらに深くすると、物体にはたらく浮力の大きさは( ② )ことがわかる。

【解答・解説❸】浮力とグラフ

(1)500g

図2のグラフで、水面から物体の底面までの距離が0cm(まだ水につかっていない)のとき、ばねばかりは5.0Nを示すことから、この物体の重さは5.0Nであるとわかります。100gの物体にはたらく重力大きさが1.0Nなので、この物体の質量は500gであるとわかります。

(2)1.0N

図2のグラフのA点は、水面から物体の底面までの距離が4cmのときで、このときばねばかりは4.0Nを示しています。物体の重さは5.0Nだったので、
5.0N-4.0N=1.0N
の浮力が生じていることがわかります。浮力の分だけ、ばねばかりの値は小さくなります。

(3)8.0cm

浮力の大きさは、水中にある物体の体積によって決まります。物体が完全に水中につかった場合、深かろうが浅かろうが浮力の大きさは変化しません。したがって、ばねばかりの示す値が変化しなくなる8.0cmが物体の高さになります。

(4)2.0N

浮力の大きさを求めるので、(2)の解き方と同じになります。グラフのB点のとき、ばねばかりは3.0Nを示しているので、
5.0N-3.0N=2.0N
の浮力が生じていることがわかります。

(5)①体積 ②変わらない

【発展理科問題】アルキメデスの原理

浮力の計算右図のような、質量60.0g、底面積2.0cm²、高さ4.0cmの円柱の金属をばねばかりにつるして液体の中に沈めていく実験を行った。このとき、円柱の下の底面と液面との距離h〔cm〕とばねばかりの示す値m〔g〕は、下の表のようになった。これについて、後の各問いに答えよ。ただし、100gの物体にはたらく重力の大きさを1.0Nとする。

h〔cm〕 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0
m〔g〕 57.6 55.2 52.8 50.4 50.4

(1)h〔cm〕が4.0cmよりも小さいとき、ばねばかりが示す値mをhを用いて答えよ。

(2)円柱の金属にはたらいている重力の大きさは何Nか。

(3)金属がすべて液体中に沈んだとき、液体から受ける浮力の大きさは何Nか。

(4)「浮力は押しのけた液体の重さに等しい」という原理がある。上の実験の結果から液体の密度は何g/cm³であるとわかるか。

【発展 解答・解説】アルキメデスの原理

(1)m=60-2.4h

表より、h<4のとき、円柱の金属を1cm沈めるごとにm〔g〕は2.4gずつ小さくなっていることがわかります。このことから、h〔cm〕金属を沈めると、m=60-2.4hと表すことができます。

(2)0.6N

円柱の金属の質量は60gで、100gの物体にはたらく重力の大きさが1.0Nなので、
60g=0.6N
になります。

(3)0.096N

円柱の金属が完全に液体中に沈んだとき、ばねばかりの示す値m〔g〕は50.4gになっています。物体の質量は60.0gなので、液体中では、ばねばかりの示す値が、
60.0g-50.4g=9.6g
小さくなっていることがわかります。したがって、浮力の大きさは、
9.6g=0.096N
になります。

(4)1.2g/cm³

まずは、液体中の金属の体積を求めます。金属はすべて液体につかっているので、
2.0cm²×4.0cm=8.0cm³
押しのけられた液体の体積も8.0cm³になります。その重さが0.096Nになるので、液体の密度は、
0.096N=9.6g
9.6g÷8.0cm³=1.2g/cm³
となります。

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