中学3年理科。動物の分類を学習したあとに学ぶのは生物の進化です。ダーウィンが『種の起源』で提唱した進化とはどのようなものだったのか説明します。また、進化の証拠となる、相同器官についても学習します。
セキツイ動物の進化
背骨をもつ動物をセキツイ動物といいました。セキツイ動物は全部で5種類あり、中でも水中で生活する魚類が地球上に一番最初に登場したセキツイ動物になります。
水中に多くの生物がすむようになると、水中での生き残りをかけた競争が激しくなり、魚類の一部は住む場所を陸上に求めて水から上がってきます。こうやって誕生したのが両生類です。水中生活から陸上生活に適応していったので、呼吸の仕方がエラ呼吸から肺呼吸に変化しました。
両生類の一部は、もっと乾燥した場所での生活を求めて水辺から離れた陸地に生活の場所を移します。こうやって登場したのがハチュウ類です。乾燥から卵を守るために、卵に殻がつくようになります。
更に、ハチュウ類の一部は、空へはばたき、寒い場所でも生活できる恒温動物に姿を変えます。恒温動物になることで、ハチュウ類以降に登場するセキツイ動物である、鳥類とホニュウ類は、寒い冬でも氷点下になる環境でも生活できるようになります。
ホニュウ類は、子が大人まで成長する確率を高めるために卵で産むのではなく、母体内で子をある程度育ててから産む胎生に変わります。
このように、生活する場所を広げながら、生物はからだのつくりを変化させていきました。この過程を進化といいます。
ダーウィンの進化論
この進化論を唱えたのがダーウィンです。有名な彼の書籍『種の起源』で提唱されました。
進化の過程の生物
この進化論を裏付ける進化の過程の生物も見つかっています。
- シーラカンス
魚類から両生類への進化の過程の生物
外見は魚だが、ひれが足のような作りに変化してきています。 - 始祖鳥(シソチョウ)
ハチュウ類から鳥類への進化の過程の生物
外見は鳥類ですが、くちばしではなく歯があり、長い尾骨も持っています。 - カモノハシ
ハチュウ類からホニュウ類への進化の過程の生物
体毛があり外見は哺乳類ですが、卵生の動物です。
相同器官とは
また、相同器官というこれらの生物に共通するつくりも進化論を裏付けています。相同器官とは、もともとのつくりは同じだが、はたらきが異なる器官のことです。
- むなびれ
水をかく - 翼
空をはばたく - 前足
身体を支える
などは、もともとのつくりが同じですがはたらきが異なります。これらを相同器官というのです。
痕跡器官
この他にも、生物の進化を証明する器官として、痕跡器官(こんせききかん)というものがあります。ヘビの足などがその例で、今は使われなくなって退化した器官のことをいいます。
相似器官
相同器官と似た用語に、相似器官というものがあります。相似器官とは、もともとのつくりは異なるが、はたらきが同じ器官のことをいいます。
例えば、昆虫のはねと鳥類の翼などが相似器官になります。どちらも空を飛ぶための器官ではたらきが同じになりますが、元々、昆虫のはねと鳥の翼はつくりが全然違います。
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