【中3理科】生物の進化とは?進化の仕組みと証拠をわかりやすく解説&演習問題付き

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生物は長い年月をかけて少しずつ変化し、環境に適応しながら進化してきました。現在の多種多様な生物たちも、はるか昔の祖先から進化を繰り返してきた結果です。しかし、進化とは具体的にどのような仕組みで起こるのでしょうか?また、進化の証拠にはどのようなものがあるのでしょうか?

この記事では、生物の進化の基本的な仕組みや進化の証拠についてわかりやすく解説します。さらに、進化に関する重要なポイントを押さえた演習問題も用意しているので、テスト対策にも役立ててください!

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セキツイ動物の進化

脊椎動物の分類と進化

背骨をもつ動物をセキツイ動物といいました。セキツイ動物は全部で5種類あり、中でも水中で生活する魚類地球上に一番最初に登場したセキツイ動物になります。

水中に多くの生物がすむようになると、水中での生き残りをかけた競争が激しくなり、魚類の一部は住む場所を陸上に求めて水から上がってきます。こうやって誕生したのが両生類です。水中生活から陸上生活に適応していったので、呼吸の仕方がエラ呼吸から肺呼吸に変化しました。

両生類の一部は、もっと乾燥した場所での生活を求めて水辺から離れた陸地に生活の場所を移します。こうやって登場したのがハチュウ類です。乾燥から卵を守るために、卵に殻がつくようになります。

更に、ハチュウ類の一部は、空へはばたき、寒い場所でも生活できる恒温動物に姿を変えます。恒温動物になることで、ハチュウ類以降に登場するセキツイ動物である、鳥類ホニュウ類は、寒い冬でも氷点下になる環境でも生活できるようになります。

ホニュウ類は、子が大人まで成長する確率を高めるために卵で産むのではなく、母体内で子をある程度育ててから産む胎生に変わります。

このように、生活する場所を広げながら、生物はからだのつくりを変化させていきました。この過程を進化といいます。

ダーウィンの進化論

この進化論を唱えたのがダーウィンです。有名な彼の書籍『種の起源』で提唱されました。

進化の過程の生物

この進化論を裏付ける進化の過程の生物も見つかっています。

  • シーラカンス
    魚類から両生類への進化の過程の生物
    外見は魚だが、ひれが足のような作りに変化してきています。
  • 始祖鳥(シソチョウ)
    ハチュウ類から鳥類への進化の過程の生物
    外見は鳥類ですが、くちばしではなく歯があり、長い尾骨も持っています。
  • カモノハシ
    ハチュウ類からホニュウ類への進化の過程の生物
    体毛があり外見は哺乳類ですが、卵生の動物です。

進化の過程の生物

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相同器官とは

また、相同器官というこれらの生物に共通するつくりも進化論を裏付けています。相同器官とは、もともとのつくりは同じだが、はたらきが異なる器官のことです。

相同器官

  • むなびれ
    水をかく

  • 空をはばたく
  • 前足
    身体を支える

などは、もともとのつくりが同じですがはたらきが異なります。これらを相同器官というのです。

痕跡器官

この他にも、生物の進化を証明する器官として、痕跡器官(こんせききかん)というものがあります。ヘビの足などがその例で、今は使われなくなって退化した器官のことをいいます。

相似器官

相同器官と似た用語に、相似器官というものがあります。相似器官とは、もともとのつくりは異なるが、はたらきが同じ器官のことをいいます。

例えば、昆虫のはねと鳥類の翼などが相似器官になります。どちらも空を飛ぶための器官ではたらきが同じになりますが、元々、昆虫のはねと鳥の翼はつくりが全然違います。

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【練習問題】進化の過程の生物の特徴

下の図1は、始祖鳥の骨格と、外見の想像図を表したものである。図2は、シーラカンスのからだのつくりを表したものである。これについて、次の各問いに答えなさい。

進化

(1)図1の骨格のようすから、始祖鳥は何類の特徴を持っているといえるか。

(2)図1の外見の想像図から、始祖鳥は何類の特徴を持っているといえるか。

(3)図2のシーラカンスは、その体の特徴から何類と何類の特徴を持つ動物だといえるか。

(4)図1と図2に示した動物のように、生物が環境の変化に対応して、からだのつくりを変化させることを何というか。

(5)(4)の根拠として、もともとのつくりが同じで、現在ははたらきが違う器官があげられる。この器官を何というか。

【解答・解説】進化の過程の生物の特徴

(1)ハチュウ類

始祖鳥の骨格では、くちばしに歯があり、つばさにつめがあり、長い尾の骨があります。これらは、ハチュウ類に共通するからだのつくりです。

(2)鳥類

始祖鳥の外見の想像図では、つばさがあり、全身が羽毛でおおわれています。これらの特徴は、鳥類に見られる特徴です。

したがって、始祖鳥は、ハチュウ類から鳥類に進化する過程の生物だといえます。

(3)魚類と両生類

シーラカンスは、胸びれが足のようなはたらきを持っています。これは、魚類が陸上生活に適応しようとした証拠で、シーラカンスは、魚類から両生類への進化の過程の生物であるといえます。

(4)進化

環境の変化に対応せて、からだのつくりを変えていくことを進化といいます。水中生活をしていた生物は、陸上生活に適応するように、エラから肺呼吸へ、寒冷な地でも生活できるように、変温動物から恒温動物に変化するなど、進化することで生活する場所を広げてきたのです。

(5)相同器官

相同器官とは、もともとのつくりが同じだが、現在ははたらきが異なる器官のことです。例えば、前足と翼、胸びれなどはもともとのつくりが同じですが、現在では、前足はからだを支える、翼ははばたく、胸びれは水をかくというようにはたらきが異なります。

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