【中2理科】発熱反応と吸熱反応をわかりやすく解説!仕組み&テスト問題付き

熱反応ポイントアイキャッチ画像 中2理科
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中学2年理科。化学変化の最後の単元に「化学変化と熱」に関する内容が登場します。温度が上昇する発熱反応と、温度が下がる吸熱反応の区別ができるようになりましょう。この単元はポイントをおさえれば簡単に攻略することができるのでさらっとマスターしてしまいましょう。

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化学変化と熱

化学変化が起こると、それに伴って熱の移動が発生します。化学変化により物質から熱が出る反応を発熱反応といい、この熱によって温度が上昇します。逆に物質が周囲から熱を吸収する反応を吸熱反応といい、温度が下がります。

  • 発熱反応
    化学変化により熱が発生し、温度が上がる反応
  • 吸熱反応
    化学変化により熱を吸収し、温度が下がる反応

式で表すと次のようになります。

  • 発熱反応
    物質A + 物質B → 物質C + 
  • 吸熱反応
    物質A + 物質B +  → 物質C

反応熱

化学変化と熱

この化学変化により、放出されたり、吸収されたりする熱のことを反応熱といいます。吸収される熱も放出される熱もどちらも反応熱と呼ばれます。

化学カイロの実験

化学カイロの中身を使って実験をします。回路の中には次の物質が入っています。それぞれ何のために入っているのかまで覚えましょう。

  • 鉄粉(鉄)酸化させ熱を得るため。
  • 活性炭(炭)食塩水鉄の酸化を程よくするため。

化学カイロは、鉄を酸化させるときに出る熱を利用したものなんですね。

化学カイロ

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吸熱反応を覚える

どの化学変化が発熱反応か吸熱反応かを覚えなくてはなりません。しかし、化学変化は非常に多いので、全てを覚えることは困難です。

ここでは吸熱反応を覚えるようにしましょう。発熱反応と比べると圧倒的に数が少なく、試験で問われる反応も限られています。以下の3つのキーワードが出てきた場合は吸熱反応だと判断してください。

吸熱反応のキーワード!❶〇〇アンモニウム
❷クエン酸(レモン汁)
❸尿素

吸熱反応

塩化アンモニウムと水酸化バリウムを混ぜてしばらくすると、鼻を刺すような臭いのアンモニアが発生します。このとき周囲から熱を吸収し温度が下がります。

塩化アンモニウム+水酸化バリウム→アンモニア+塩化バリウム+水

2NH₄Cl+Ba(OH)₂→2NH₃+BaCl₂+2H₂O

上記の反応式を覚える必要はありませんが、吸熱反応であること、アンモニアが発生することは覚えておきましょう。アンモニアが発生するので、ぬれた紙を試験管の上にかぶせておきます。アンモニアは水に非常に溶けやすいので、ぬれた紙の水分に溶けることになります。

この他に、クエン酸(レモン汁)尿素などの反応も吸熱反応になりますが、詳しい内容は覚える必要はありません。

発熱反応

この他の化学変化は、すべて発熱反応であると考えて大丈夫でしょう。特によく出題されるのが化学カイロです。カイロの中に入っている鉄粉が、空気中の酸素と反応することで熱が放出されます。この熱で手を温めているんですね。

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【対策問題】化学変化と熱

化学変化と熱について調べるために、次の実験1と実験2を行った。これについて次の各問いに答えなさい。

実験1

化学カイロ右図のように、鉄粉と活性炭を入れたビーカーに、食塩水を数滴落とし、ガラス棒でかき混ぜながら温度の変化を調べた。

実験2

anmoniumu右図のように、水酸化バリウムと塩化アンモニウムをビーカーに入れ、ビーカーの口をぬれたろ紙でおおった状態でガラス棒を使ってかき混ぜた。このときの温度変化を温度計を使って調べた。

(1)実験1で、ビーカー内の温度はどうなったか。

(2)実験1では、何という物質どうしが反応しているか。物質名を2つ答えなさい。

(3)鉄粉と活性炭、食塩水は化学カイロの成分である。実験1より、化学カイロが温かくなる理由を簡潔に説明しなさい。

(4)実験1のように、温度が変化する反応を、下のア~エから一つ選び、記号で答えなさい。
ア レモン汁(クエン酸)に炭酸水素ナトリウムを加える。
イ 尿素を水に溶かす。
ウ 硝酸アンモニウムを水に溶かす。
エ 塩酸と水酸化ナトリウム水溶液を混ぜる。

(5)実験2で、ぬれたろ紙をビーカーにかぶせる理由を、発生する気体の名称を使って簡潔に答えなさい。

(6)実験2で、ビーカー内の温度はどうなるか。

(7)実験1、実験2のように、化学変化にともなって出入りする熱を何というか。

【解答・解説】化学変化と熱

(1)上がる。(上昇する。)

鉄と空気中の酸素が化合する化学変化が起こります。鉄の酸化は発熱反応なので、ビーカー内の温度は上昇します。

(2)酸素

実験1は化学カイロのしくみを表しています。カイロの中の鉄粉と空気中の酸素が反応することで温度が上昇します。食塩水と活性炭は、鉄の酸化が程よく起こるように入れられています。

(3)鉄の酸化で熱が発生するから。

鉄と空気中の酸素が反応し、次のような化学変化が生じ熱が発生します。
鉄+酸素→酸化鉄

(4)

実験1の鉄の酸化は発熱反応です。選択肢の中で発熱反応は、塩酸と水酸化ナトリウム水溶液の中和反応になります。

(5)発生したアンモニアをぬれたろ紙に吸収させるため。

水酸化バリウムと塩化アンモニウムを混ぜると、アンモニアが発生し、温度が下がります。
Ba(OH)2+2NH4Cl→2NH3+BaCl2+2H2O

(6)下がる。

水酸化バリウムと塩化アンモニウムを混ぜると、アンモニアが発生します。この反応は熱を吸収する反応で、温度が下がります。この他にも、〇〇アンモニウム、クエン酸(レモン汁)、尿素などのキーワードが出てくる反応が吸熱反応になります。

(7)反応熱

化学変化などで出入りする熱を反応熱といいます。発熱反応で放出される熱も、吸熱反応で吸収される熱も反応熱です。

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