中学2年理科。天気分野の「前線の通過と天気の変化」について説明します。天気は毎日変わりますが、その大きな要因の一つが「前線」です。前線とは、性質の異なる空気の境目のことで、通過することで天気が大きく変化します。例えば、寒冷前線が通過すると急な雨や雷が発生し、温暖前線ではしとしととした雨が長く続くことが特徴です。
この記事では、前線の種類ごとの特徴や通過時の天気の変化を詳しく解説します。テスト対策にも役立つので、しっかりポイントを押さえておきましょう!
気団と前線面・前線
寒冷前線や温暖前線、梅雨前線など天気予報でおなじみですが、まずは、前線ができる元となる気団や前線面、前線とは何かについて説明します。

気団
気団とは、性質が一様な空気のかたまりのことです。例えば海上にある空気は、水蒸気を大量に含み湿った空気のかたまりになります。また、南にある空気のかたまりは、暖かいという性質を持っています。このようにある性質を備えた空気のかたまりを「気団」といいます。
- 暖気団
暖気団とは、あたたかい空気のかたまりです。南の海上にある空気が暖気団になります。 - 寒気団
寒気団とは、冷たい空気のかたまりです。北の陸上にある空気が寒気団になります。
前線面と前線
前線面とは、性質の異なる空気が接している面です。性質の異なる空気は混じり合わずに境界面をつくります。この面を前線面といいます。前線とは前線面が地表に接しているところです。どんな空気が接しているか、どの気団が勢力が強いかで次の種類の前線ができます。
温暖前線
![]()
暖気が寒気の上にはい上がりながら、寒気を押し返して進む前線。通過後気温が上昇する。
寒冷前線
![]()
寒気が暖気の下にもぐり込み、暖気を急激に押し上げながら進む前線。通過後気温が下がる。
停滞前線
![]()
暖気と寒気が真正面からぶつかり、押し合っている前線。長い間日本上空にとどまり大雨をもたらす。
閉そく前線
![]()
寒気が暖気に追いついてできる前線。
それでは、それぞれの前線を詳しく見ていきましょう。
寒冷前線
寒冷前線とは、寒気が暖気の下にもぐりこみ暖気を急激に押し上げながら進む前線です。寒気団の勢力が強い場合にできます。寒冷前線では、暖気が真上に押し上げられるので、縦長の雲である積乱雲などの積雲状のくもが発生します。

寒冷前線が通過すると、寒気に包まれますので、前線の通過後気温は下がります。また、積乱雲などが上空を通過するので、短時間に狭い範囲に激しい雨(にわか雨)が降ります。突風雷を伴うような激しい雨です。
寒気に包まれますので、風向きは北寄りの風に変わることが多いようです。
❶雲…積乱雲などの積雲状の雲
❷雨のようす…狭い範囲に短時間に激しい雨が降る
❸気温の変化…通過後気温が下がる
❹風向の変化…通過後北寄りの風に変わる
温暖前線
温暖前線とは、暖気が寒気の上にはい上がり寒気を押し返しながら進む前線です。暖気団の勢力が強い場合にできます。温暖前線では、暖気がゆるやかな角度で寒気の上にはい上がるので、横長の雲である乱層雲などの層状のくもが発生します。

温暖前線が通過すると、暖気に包まれますので、前線の通過後気温は上がります。また、乱層雲などが上空を通過するので、長い時間に広い範囲におだやかな雨がしとしとと降ります。
前線の通過後、暖気に包まれますので、風向きは南寄りの風に変わることが多いようです。
❶雲…乱層雲などの層状の雲
❷雨のようす…広い範囲に長時間におだやかな雨が降る
❸気温の変化…通過後気温が上がる
❹風向の変化…通過後南寄りの風に変わる
停滞前線
停滞前線は、暖気と寒気が正面衝突したときにできる前線です。暖気と寒気の勢力が同じ場合、その場に長時間留まることから「停滞前線」という名前が付けられています。
![]()
この停滞前線は、日本では6月~7月の梅雨時期と、9月~10月の秋の時期によくできます。梅雨時期に停滞前線ができた場合には梅雨前線、秋の時期に停滞前線ができた場合には秋雨前線といいます。
閉そく前線
閉そく前線は、寒冷前線が温暖前線に追いついてできる前線です。暖気よりも寒気の方が進むのが速いため、寒冷前線が温暖前線に追いつくのです。
![]()
温帯低気圧が発生して時間が経つと、寒冷前線が温暖前線に追い付き閉そく前線ができます。
【問題】前線の通過と温帯低気圧の問題
図はある日に観測された日本の天気図である。次の各問いに答えなさい。

- 図のように、日本上空を通過する前線を伴う低気圧を何というか。
- 図のAは低気圧と高気圧のどちらか。またAの中心では上昇気流と下降気流のどちらが生じているか。
- 図のBは1に伴う前線である。Bの前線の名称を答えよ。
- C地点の気圧は何hPaか。
- C地点の風向きとして適するものを、次の中から1つ選べ。
ア 北西 イ 北東 ウ 南西 エ 南東 - C地点のこれからの天気の変化として適するものを、次の中から1つ選べ。
ア おだやかな雨→気温の上昇 イ おだやかな雨→気温の低下
ウ 激しい雨→気温の上昇 エ 激しい雨→気温の低下 - この後、日本海上空にある低気圧は、東、西、南、北のどの方角に移動していくか。
- 7のように低気圧が移動するのは、日本上空に何という風が吹いているからか。
- Bの全然付近に発達する、雨を降らせる雲を何というか。
【解答・解説】前線の通過と温帯低気圧の解答
- 温帯低気圧
日本が位置する温帯地域で低気圧ができると、北から冷たい空気、南から暖かい空気を地表付近で低気圧が集めるので、低気圧には空気の境界線である前線をともないます。この温帯地方でできる前線を伴った低気圧を温帯低気圧といいます。 - 高気圧、下降気流
周りよりも気圧が高いので高気圧となります。高気圧の中心では下降気流が発生し気圧が上昇します。下降してきた空気は地表付近で時計回りに周囲にふき出します。 - 寒冷前線
温帯低気圧の西側にできるのが寒冷前線です。寒冷前線の後方には寒気があり、前線の通過後は気温が下がります。 - 1004hPa
気圧が等しい地点を結んだ線を等圧線といいます。等圧線は4hPaごとに引かれますので、高気圧Aの周囲にある1020hPaの等圧線から数えると、C地点の気圧は1004hPaであることがわかります。 - ウ
地表付近では、低気圧の中心に向かって反時計回りに空気が吹き込んできます。C地点では、南西から暖かい空気が低気圧の中心に向かって吹き込んできます。 - エ
日本上空の天気は西から東に向かって変化します。この後C地点は寒冷前線が通過し、積乱雲による激しい雨が降った後、北寄りの風に変わった後、気温が低下します。 - 東
日本上空の天気は偏西風の影響により、西から東に変わります。 - 偏西風
日本上空を常に吹いているのが西から東に向かって吹く偏西風です。季節によって風向きが変わる季節風と間違えないようにしましょう。 - 積乱雲
Bの前線である寒冷前線では、暖気が寒気によって急激に押し上げられ、垂直方向に長い積乱雲が発達します。積乱雲は狭い範囲に激しい雨を短時間降らせる雲です。
コメント