中3理科の生殖では、動物の生殖と植物の生殖の両方を学習します。カエルの受精と植物の受精を詳しく学習し、有性生殖の特徴をマスターします。減数分裂や発生などのポイントをおさえましょう。
有性生殖とは
有性生殖とは、自分と同じなかまをふやす生殖の中でも、オスとメスが関わって生殖を行う方法です。無性生殖と比べると面倒な手順になりますが、環境の変化に対応しやすい生殖方法になります。
- 無性生殖…体細胞分裂でなかまをどんどんふやす。
メリット→数をふやすのに都合がよい
デメリット→染色体の組み合わせが親と同じなので、環境の変化に弱い - 有性生殖…減数分裂で生殖細胞をつくり受精によってなかまをふやす
メリット→染色体の組み合わせが親と異なるので、環境の変化に対応しやすい
デメリット→数をふやすのに都合が悪い
動物の有性生殖
動物の有性生殖でもカエルの有性生殖が取り扱われます。有性生殖の手順は次の通りです。
- オスの精巣、メスの卵巣で体細胞から減数分裂によって生殖細胞(精子、卵)がつくられる。
- 生殖細胞どうしの核が合体し(受精)受精卵ができる。
- 受精卵が発生し胚ができる。
- 発生が進み個体の身体が形作られる。
- 自分でエサを取り始めるようになる。
有性生殖のポイント
精巣や卵巣で減数分裂が行われ、体細胞から生殖細胞である精子と卵がつくられることと、生殖細胞の精子と卵の核が合体する受精が行われ、受精卵ができることです。
また、受精卵は体細胞分裂を繰り返して発生し、胚になることも重要です。
染色体の数の変化も重要です。
- 減数分裂によって染色体の数が体細胞の半分になります。
- 受精によって生殖細胞どうしの核が合体し染色体の数が親と同じ数に戻ります。
- 受精卵以降は体細胞分裂によって細胞数が増えていくので、染色体の数は変化しません。
発生と胚
受精が終わって受精卵ができると、受精卵は体細胞分裂を繰り返して成長していきます。この過程を発生といいます。受精が終わった後は、体細胞分裂で細胞の数が増えていきますが、普通の体細胞分裂と少し変わったところがあります。下の図は、カエルの発生のようすを表したものです。
まず、覚えておきたいのが、受精卵が発生すると、名前が胚に変わることです。自分でエサを食べるようになるまで胚と呼ばれます。
普通の体細胞分裂と異なる点は、細胞分裂が終わっても細胞が大きくならずに、すぐ次の細胞分裂が起こることです。したがって、発生が進につれて、細胞一つ一つの大きさはだんだん小さくなっていきます。
植物の有性生殖
植物の有性生殖は、花のつくりの中で行われています。おしべの先端のやくでつくられた花粉が、めしべの先端の柱頭に受粉することで有性生殖が始まります。次の流れで進みます。
- おしべのやくの中で花粉がつくられる
- 花粉がめしべの柱頭に受粉する
- 花粉から花粉管が胚珠に向かって伸びる
- 花粉管の中を精細胞が移動する
- 胚珠の中の卵細胞と花粉管を通ってきた精細胞の核が合体する(受精)
- 受精卵ができ、受精卵はその後発生し胚になる
受粉後の花のつくりの変化
ここでよく出題されるのが、受粉後の花のつくりの変化です。めしべの根元に注目してください。
- 子房→果実
- 胚珠→種子
- 卵細胞+精細胞→受精卵→胚
上記の変化は頻繁に出題されます。しっかり覚えてください。
柱頭と花粉管の実験
柱頭に花粉をつけると、花粉から花粉管が伸びてきます。この柱頭と同じ条件をつくり、伸びる花粉管を観察する実験があります。
柱頭と同じ条件をつくりだすために、スライドガラスの上にのせる液体はショ糖水溶液(砂糖水)です。ショ糖(砂糖)の養分を使って花粉管が伸びていきます。ショ糖の量は多すぎても花粉管が伸びなくなってしまうので注意してください。
花粉の乾燥を防ぐ
プレパラートを作成したあとは、花粉が乾燥しないようにするために、水を入れたペトリ皿に割りばしをしき、その上にプレパラートを乗せ、ふたをする必要があります。
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