中学1年理科。化学分野の学習で密度の求め方を学習します。ここでは計算問題もよく出題されます。中でも密度の計算は点数がわかれる問題です。それでは密度の計算3つのパターンをマスターしましょう。
密度とは
密度とは、物質1cm³あたりの質量のことをいいます。どんな物質であろうが1cm³で質量を比較したものが密度です。もっと簡単に言うと「つまり具合」のことを表している数値といえるでしょう。ぐっと中身が詰まっていてズッシリとしたものが密度が大きく、逆にスカスカなものは密度が小さいといえます。
密度の単位はg/cm³で、読み方は「グラム マイ リッポウセンチメートル」です。
密度は、物質により決まっているので、その物体の密度を調べることによってどんな物質でできているかがわかります。密度が大きいものは下の方に行き、密度が軽いものは上へ行きます。
気体の密度
固体や液体の密度は1cm³あたりで表しますが、気体の場合は1Lあたりの質量で表します。気体1cm³の場合だと密度が非常に小さくなってしまうからです。
❷密度の単位はg/cm³※気体の場合はg/L
❸密度は物質により決まっている※密度を調べると何の物質かわかる
❹密度が大きいものは下、小さいものは上に移動する
密度の計算方法
密度の計算方法は簡単です。1cm³あたりの質量を求めればいいのですから、次の式で求めることができます。
- 密度[g/cm³]=質量[g]÷体積[cm³]
例えば、質量が100gで体積が50cm³の物体があれば、その物質の密度は、
100g ÷ 50cm³ = 2.0g/cm³
になります。
密度の計算3パターン
密度の計算は次の3つのパターンに分かれます。
- 質量[g]と体積[cm³]から密度[g/cm³]を求める
- 密度[g/cm³]と体積[cm³]から質量[g]を求める
- 密度[g/cm³]と質量[g]から体積[cm³]を求める
簡単な計算ですので、しっかりと意味を理解しておきましょう。
質量100g、体積50cm³、密度2.0g/cm³の物質で計算例を示します。
密度を求める
1cm³あたりの質量gを求めればいいので、
100g ÷ 50cm³ = 2.0g/cm³
質量を求める
密度は1cm³あたりの質量を表してますので、密度に体積をかけて質量を計算します。
2.0g/cm³ × 50cm³ = 100g
体積を求める
100gの中に2.0gが何個入るのかを計算します。
100g ÷ 2.0g/cm³ = 50cm³
以上が密度の計算3パターンです。基本的な内容ですが大切です。
密度のテントウ虫シリーズ
密度の計算も、速さの計算のように、テントウ虫シリーズで計算方法を覚えても大丈夫です。「き・は・じ」と同じように使います。密度のテントウ虫シリーズは、「し・た・み」になります。
【対策問題】密度の計算
[問題]上皿てんびんとメスシリンダーを使い、下の実験1~2を行った。
(1)上皿てんびんの使い方として誤っているものを、次のア~エから1つ選び、記号で答えよ。
ア 水平な台の上で使う。
イ 薬品をはかるときは薬包紙を下にしく。
ウ 分銅はピンセットを使ってのせる。
エ 分銅は軽いものからのせていく。
(2)実験1の下線部で、上皿てんびんの指針がどうなったときに、つり合ったといえるか。
簡潔に書け。
(3)実験1~2より、この物体の密度は何g/cm3か。
(4)この物体Aを水の中に入れると、この物体は水に浮くか、沈むか。どちらか答えなさい。また、そう判断した理由も簡潔に答えよ。ただし、水の密度は1.0g/cm³とする。
【解答・解説】密度の計算
(1)エ
上皿てんびんで物体の質量を測定する場合、物体よりも少し重いと思われる分銅から上皿てんびんにのせていきます。乗せた分銅が、物体よりも重かった場合は、一つ軽い分銅を乗せます。重い分銅から乗せることで、少ない分銅で物体の質量を測定できます。
(2)目盛りの中央から左右に等しくふれたとき。
上皿てんびんでつり合ったかどうかを判断するときは、指針が目盛りの中央から左右に等しくふれているかどうかで判断します。
(3)2.0g/cm³
メスシリンダーの目盛りの位置から、物体の体積は、
56.0cm³-50.0cm³=6.0cm³
になります。質量が12.0gなので、密度は、
12.0g÷6.0cm³=2.0g/cm³
になります。
(4)沈む、理由:水の密度1.0g/cm³よりも物体の密度の方が大きいから。
水の密度は、温度によって若干異なりますが、おおよそ1.0g/cm³になります。これよりも密度が大きければ水の中に沈みますが、これよりも小さければ水に物体が浮きます。
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