【中1理科】シダ植物とコケ植物の違いを徹底解説!特徴・分類・演習問題付き

シダ植物とコケ植物アイキャッチ画像 中1理科
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中学1年理科。身近な森や公園で見かけるシダ植物とコケ植物。どちらも花を咲かせない植物ですが、葉や茎のつくり、成長の仕方、水の運び方などに大きな違いがあります。本記事では、シダ植物とコケ植物の特徴や共通点、テストで押さえておきたいポイントをわかりやすく解説!違いをしっかり理解して、理科の成績アップにつなげましょう!

今回は植物の中でも種子をつくらない植物について学習します。胞子というものを使ってふえる植物で、シダ植物とコケ植物が登場します。からだのつくりまでしっかりと学習していきましょう。
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種子をつくらない植物

植物の中で、種子をつくってふえる植物を「種子植物」といいました。もう一度復習しておきましょう。

種子植物…花が咲き種子でふえる植物。

今回は、種子をつくらないでふえる植物です。では、何をつくってなかまをふやしていくのかというと胞子という粉のようなものをつくってふえていきます。カビの胞子とかよく聞きませんか?あれと同じものです。

種子をつくらない植物…胞子でふえる植物。

種子をつくらず胞子でふえる植物には、山の中など、比較的日当たりが悪い場所に生えているシダ植物や、水辺などのじめじめした場所に生えているコケ植物があります。シダ植物もコケ植物も胞子をつくってふえますが、からだのつくりに違いが見られます。

種子をつくらない植物シダ植物…根・茎・葉の区別があり、根で水を吸収するので、茎に維管束もある。
コケ植物…根・茎・葉の区別がなく、体全体で水分を吸収するので、維管束がない。

シダ植物のつくり

シダ植物のつくりでは、どこまでが根、茎、葉なのかをしっかりと覚えることが重要です。また、胞子が詰まっている袋である胞子のうの位置も覚えましょう。

シダ植物

シダ植物には次のような植物がいます。

シダ植物の種類ワラビ(イヌワラビ)
ゼンマイ
スギナ(ツクシ)

コケ植物のつくり

コケ植物には雌株(めかぶ)雄株(おかぶ)というつくりがあります。根・茎・葉の区別はありませんが、根のような仮根というつくりがあります。これは体を地面や岩などに固定するためのつくりです。水を吸い上げるための根ではないことに注意してください。

コケ植物

コケ植物は、その植物の名前に「~ゴケ」という名称がつけられているので、すぐにわかります。テストによく出てくるのは、スギゴケゼニゴケです。この2つは体のつくりまでしっかりと覚えましょう。

次は発展内容を学習です。標準的な教科書には登場しない内容ですので、学校で学習しない生徒は飛ばしてください。

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[発展内容]シダ植物の生活環

シダ植物は種子をつくらない植物で、胞子をつくってふえる植物でした。根・茎・葉の区別があり、根で水分を吸収するので茎に維管束がありましたね。通常はここまで学習するのですが、今回はもう少し詳しくシダ植物の生態を見ていきましょう。

まず、生活環という言葉を説明します。生活環とは、生物の成長、生殖に伴う変化がひと回りする間のようすを表したもので、わかりやすく環状に表現されたものです。どこで減数分裂が行われているのか、生殖細胞にはどのようなものがあるのかを確認しながら学習を進めてください。

胞子体と胞子

シダ植物の葉の裏には胞子のうがたくさんついています。胞子のうの中には胞子が詰まっており、ばねのような仕組みで弾き飛ばされ、風に乗って遠くまで運ばれます。

この胞子をつくる山に生えているおなじみのシダ植物のからだは、胞子体(または造胞体)と呼ばれています。胞子体が胞子をつくるときに減数分裂が行われますので、染色体の数は胞子から半減します。

シダ植物の生活環

前葉体(配偶体)

胞子は湿った場所に落ちると発芽して、2~10mmほどのハート形をした前葉体(または配偶体)になります。胞子体と比べると小さいので、一見するとコケのようにも見えます。前葉体には根のようなつくりがありますが、水分はからだ全体から吸収するので、この根のようなつくりはからだを固定する仮根になります。

前葉体には卵細胞をつくる造卵器と、精子をつくる造精器があり、生殖細胞がつくられます。しかし、胞子自体が減数分裂でつくられ、染色体の数が半減しているので、ここでは減数分裂せずに生殖細胞がつくられます。

造精器でつくられた精子は、雨の日など水が十分にあるときに泳ぎ出して造卵器の中の卵細胞に達し受精します。受精後、前葉体には根や茎、葉ができ、新しいシダ植物(幼シダ)が育ち始めます。

ツクシだれの子?スギナの子

ツクシは春になると土手やあぜ道などに顔を出します。このツクシはシダ植物に分類されます。実はこのツクシはスギナの一部なのです。

スギナとツクシ

スギナは、なかまをふやすために胞子をつくりますが、胞子をつくるための特別な葉がツクシになるのです。スギナとツクシは見た目が全然違いますが、同じ植物でだったのですね。このようすからできたのが「ツクシだれの子?スギナの子」という言葉なのです。

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【問題】種子をつくらない植物の問題

[問題]下の図1は、校内に生えていたイヌワラビのスケッチである。また図2は、イヌワラビの葉の裏側についていた袋のような構造物である。これについて次の各問いに答えなさい。

シダ植物

(1)イヌワラビのスケッチである図1において、根・茎・葉の組み合わせとして正しい記号を選んでいるものをア~ウの中から1つ選び、記号で答えよ。

ア 根:DとC 茎:B 葉:A
イ 根:D 茎:CとB 葉:A
ウ 根:D 茎:C 葉:AとB

(2)図2の袋のような構造Eは、図1のA~Dのどこについているか。A~Dの中から一つ選び、記号で答えよ。また、図2の袋のような構造Eの名称を答えよ。

(3)図2の袋のような構造Eから放出されているFの名称を答えよ。

(4)イヌワラビのように、Fでなかまをふやす植物を、次の中からすべて選び、記号で答えよ。

ア ホウセンカ  イ スギナ  ウ スギゴケ  エ タンポポ  オ スギ

【解答・解説】種子をつくらない植物の解答

(1)
イヌワラビのようなシダ植物は、根・茎・葉の区別ができる植物です。茎は地下に伸びる地下茎のかたちをとります。

(2)記号: 名称:胞子のう
イヌワラビのようなシダ植物は、胞子をつくってなかまをふやす植物です。胞子が詰まっている袋である胞子のうは、葉の裏側についています。

(3)胞子
胞子は種子とは異なり、受粉せずにできる粒です。胞子でふえるときは、無性生殖でふえていることになります。

(4)イ、ウ
胞子でふえる植物は、シダ植物とコケ植物です。
シダ植物…イヌワラビ、ゼンマイ、スギナ
コケ植物…スギゴケ、ゼニゴケ

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【問題】コケ類の問題

下の図1はスギゴケのスケッチ、図2はゼニゴケのスケッチである。これについて次の各問いに答えなさい。

コケ植物

(1)図1と図2で雌株をそれぞれ1つずつ選び、記号で答えよ。

(2)図1でaに当たる部分は、図2ではcとdのどちらになるか。記号で答えよ。また、その部分の名称も答えよ。

(3)図1のaから放出されるbは、なかまをふやすはたらきがある粒である。この粒bの名称と、bでなかまをふやす植物を、下のア~オの中から一つ選び、記号で答えよ。

ア ソテツ  イ マツ  ウ ゼニゴケ  エ サクラ  オ ゼンマイ

(4)図2のアの名称と、そのはたらきを簡潔に答えよ。

【解答・解説】コケ類の解答

(1)図1: 図2:
胞子でふえる植物であるコケ植物には、雌株と雄株があります。雌株に胞子のうがついていることも覚えておきましょう。

(2)記号: 名称:胞子のう
胞子が詰まっている袋である胞子のうは、雌株についています。

(3)名称:胞子 記号:ウ、オ

胞子は雌株にある胞子のうから放出されます。胞子でふえる植物には次のようなものがあります。
シダ植物…イヌワラビ、ゼンマイ、スギナ
コケ植物…スギゴケ、ゼニゴケ

(4)名称:仮根 はたらき:からだを地面や岩に固定する。

コケ植物には、根・茎・葉の区別がなく、からだ全体で水分を吸収します。したがって、コケ植物は乾燥が強い場所には生息できず、じめじめとした湿地に生えます。コケ植物には根がありませんが、からだを岩や地面に固定するために仮根があります。

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