【中学国語】徒然草の定期テスト対策問題・要点です。
【定期テスト対策問題】徒然草「仁和寺にある法師」
次の文章を読んで、後の各問いに答えよ。
さて、①かたへの人にあひて、年ごろ思ひつること、果たしはべりぬ。聞きしにも過ぎて、②尊くこそおはしけれ。そも、参りたる人ごとに山へ登りしは、何事かありけん、ゆかしかりしかど、神へ参るこそ本意なれと思ひて、山までは見ずとぞ言ひける。
少しのことにも、先達(せんだち)はあらまほしきことなり。
(1)下線部①かたへの人にあひて、を現代かなづかいに直しなさい。
(2)下線部②尊くこそおはしけれ は、「こそ」があることによって文末の語の「けり」が「けれ」と変化している。このように、上にくる助詞によって文末の語の活用形が変化することを何というか。
(3)仁和寺の法師の言った言葉はどこからどこまでか。最初と最後のそれぞれ三字を抜き出して答えよ。
(4)この作品に含まれているおもしろさは、仁和寺の法師のどのような言動によって表されているか。最も適当なものを、次のア~エの中から一つ選び、記号で答えよ。
ア 石清水へ案内者と出かけたので、無事に拝めて満足そうに語っていること。
イ 石清水参拝の念願がかなったものと思い込み、得意そうに話していること。
ウ 極楽寺と高良などを拝んだだけと分かって、懸命に言い訳をしていること。
エ 石清水までが遠かったため、一人、徒歩で出かけたのを悔やんでいること。
(5)「徒然草」の作者は誰か。次のア~オの中から一つ選び、記号で答えよ。
ア 紀貫之 イ 清少納言 ウ 西行法師 エ 兼好法師 オ 松尾芭蕉
【解答】徒然草「仁和寺にある法師」
(1)かたえの人にあいて
「へ」→「え」、「ひ」→「い」。語尾以外のハ行の音は、「わ・い・う・え・お」にする。
(2)係り結び
「こそ」には已然形の「けれ」で結ぶ。
(3)年ごろ~は見ず
終りは「とぞいいひける」に着眼。
(4)イ
本来拝むべき「石清水八幡宮」は、「極楽寺・高良社」の上にあることを読み取る。
(5)エ
【定期テスト対策問題】徒然草「城陸奥守泰盛」
次の文章を読んで、後の各問いに答えよ。
道を知らざらん人、かばかり( )なんや。
(注)*城陸奥守泰盛…鎌倉時代の人 *閾…敷居(しきい) *鞍…人を乗せるために馬の背に置く道具
(1)下線部①さうなき は「並ぶ者がいないほど優れた」という意味である。漢字を用いた場合の、この意味にふさわしい書き表し方として最も適切なものを、次のア~オの中から一つ選び、記号で答えよ。
ア 送無き イ 想無き ウ 早無き エ 双無き オ 層無き
(2)下線部②そろへて を現代仮名遣いで書け。
(3)下線部③乗らざりけり とあるが、泰盛がこの馬に乗らなかったのは、この馬についてどのように判断したからか。簡潔に書け。
(4)この文章の最後の一文は、泰盛の行動を踏まえたまとめの文となっている。文中の( )にあてはまる最も適切な語を、次のア~エから一つ選び、記号で答えよ。
ア 慌て イ 怒り ウ 恐れ エ 怠け
【解答】徒然草「城陸奥守泰盛」
(1)エ
「双」の漢字の意味は「ならぶ」。
(2)そろえて
「へ」→「え」。語尾以外のハ行の音は、「わ・い・う・え・お」にする。
(3)(例)鈍い馬で、まちがいがあるに違いないと判断したから。
「これは鈍くして、過あるべし」が、乗らなかった理由である。
(4)ウ
徒然草のあらすじ
吉田兼好が考えたことや、逸話、歴史説話など長短様々に収録されています。「無常観の文学」と称される彼の随筆には、人生の教訓が示されており、庶民にも親しみやすく、身近な古典として愛読されています。
徒然草には。まず序段があり、その後243段から構成されています。有名な序段はこうです。
「やるべき事もなく退屈だったので、一日中硯(すずり)に向かって、心に浮かんでくるいろいろな事を、ただ書いていると、妙におかしな気分になってくる。」
このようにして、つれづれなるままに、恋愛、人生、友人、仏教、自然などについて、ユーモアや皮肉を交えながら綴っています。
徒然草の有名な段
「仁和寺にある法師」や「能をつかんとする人」、「家居のつきづきしく」、「ある人、弓射ることを習ふに」などが有名です。有名な段はストーリーをなんとなく覚えているだけでも点数につながります。その他にも、受験やテストで狙われやすい段は以下の通りです。
- 十段「家居のつきづきしく」
- 三十二段「九月廿日の比」
- 五十二段「仁和寺にある法師」
- 五十五段「家の作りやう」
- 五十九段「大事を思ひ立たん人」
- 八十九段「奥山に、猫またといふものありて」
- 九十二段「ある人、弓射る事を習ふに」
- 百九段「高名の木登りといひし男」
- 百五十段「能をつかんとする人」
- 百七十段「さしたる事なくて人のがり行くは」
- 百八十五段「城陸奥守泰盛は、双なき馬乗りなりけり」
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