【中学理科】偏差値60突破のための理科実践問題|合格を確実に!です。中学理科で偏差値60を突破するためには、単なる暗記にとどまらず、知識を活用して問題を解決する「応用力」と「思考力」が欠かせません。特に入試では、複数の単元が絡み合った複雑な問題や実験結果をもとに考察する問題が頻出です。この記事では、合格を確実にするための実践問題を厳選し、解説付きでお届けします。得点力を伸ばすコツや、間違えやすいポイントも丁寧に解説しているので、ぜひ挑戦して目標偏差値を突破しましょう!
偏差値60突破のための中学理科実践問題
【問題1】密度と物体の浮き沈み
下の図のように、ビーカーにさまざまな液体を入れ、その中に4種類の物体A~Dを入れ、物体の浮き沈みを調べる実験を行った。表はその実験の結果をまとめたものである。これについて、次の各問いに答えよ。
液体の種類 | 物体A | 物体B | 物体C | 物体D |
水 | 浮いた | 沈んだ | 浮いた | 沈んだ |
食塩水 | 浮いた | 沈んだ | 浮いた | 浮いた |
エタノール水溶液 | 浮いた | 沈んだ | 沈んだ | 沈んだ |
(1)食塩水(塩化ナトリウム水溶液)をつくるために、水100gに食塩25gを溶かした、このときできた食塩水の質量パーセント濃度は何%か。
(2)エタノール水溶液は、水50cm³とエタノール100cm³を混合して作った。このとき作ったエタノール水溶液の密度を求めよ。ただし、水の密度を1.00g/cm³、エタノールの密度を0.79g/cm³とする。
(3)物体A~Dを密度の大きいものから順番に並べ、記号で答えよ。
(4)(3)で密度が2番目に大きいものと3番目に大きいものの順番を決定できるのは、それらがどのような結果であったからか。簡単に説明せよ。
【問題2】凸レンズの作図の問題
以下の凸レンズの作図に関する問題に答えよ。
(1)下図のように、凸レンズを通過した光は、この後どのように進むか、作図せよ。
(2)下図のように焦点の外側に光源を置いた場合、できる実像を矢印で作図せよ。
(3)下図のように焦点の内側に光源を置いた場合、できる虚像を矢印で作図せよ。
(4)下図のように光源を置いたところ、スクリーンにはっきりとした実像ができた。このとき、凸レンズとスクリーンの間にある焦点を作図せよ。
(5)下図のように光源を置いたところ、スクリーンにはっきりとした実像ができた。このとき、アの光どのように進むか続きを作図せよ。
【問題3】酸化銅の還元の実験
下の図のように、酸化銅の粉末4.0gと炭素の粉末0.3gの混合物を試験管に入れ、ガスバーナーで加熱する実験を行った。加熱を続け、気体が発生しなくなったら、①ガラス管の先を石灰水からとり出し、加熱をやめて、②ピンチコックでゴム管を閉じた。試験管が冷えてから、中の物質を取り出して質量を測定した。これについて、次の各問いに答えよ。ただし、試験管内の物質はたがいに完全に反応し、過不足は生じなかったのとする。
(1)実験のように、固体を加熱する場合、試験管の口の方を少し下げて加熱する理由を、簡潔に答えよ。
(2)問題文中の下線部①のように、ガスバーナーの火を止める前にガラス管の先を石灰水からとりだす理由を、簡潔に答えよ。
(3)問題文中の下線部②のように、加熱をやめた後、ピンチコックでゴム管を閉じる理由を、簡潔に答えよ。
(4)加熱後、試験管にはある物質が残った。この物質の示す性質として、最も適切なものを、下のア~エからすべて選び、記号で答えよ。
ア 磁石につく。
イ 電気をよく通す。
ウ みがくと特有の光沢がでる。
エ 白色である。
(5)この実験で、発生した気体は何gか。ただし、銅と酸素が反応するときの質量比は4:1であるとする。
(6)この実験で起こった化学変化を、化学反応式で書け。
(7)この実験で、酸化銅に起こった化学変化を何というか。
(8)この実験で、酸化されてできた物質は何か。
【解答・解説】偏差値60突破のための中学理科実践問題の解答
【問題1】密度と物体の浮き沈み
(1)20%
質量パーセント濃度は下の公式で求めます。

溶媒である水100gに、溶質である食塩25gを溶かしたので、分母は100g+25g=125gになります。
25/125×100=20%
(2)0.86g/cm³
密度はテントウムシシリーズで考えます。

水の質量は、1.0g/cm³×50cm³=50g
エタノールの質量は、0.79g/cm³×100cm³=79g
エタノール水溶液の質量は、50g+79g=129g
エタノール水溶液の体積は、50cm³+100cm³=150cm³
したがって密度は、129g÷150cm³=0.86g/cm³
(3)B>D>C>A
水に食塩水にもエタノール水溶液にも沈んでいることから、物体Bが最も密度が大きいとわかります。食塩水だけ浮いた物体Dが次に密度が大きいとわかります。エタノール水溶液だけに沈んだ物体Cはその次に密度が大きいことがわかります。すべての液体に浮いた物体Aは、最も密度が小さいとわかります。
(4)物体Dは水に沈んだが、物体Cは水に浮いたため。
密度の大小を比べる場合、浮くか沈むかを見ればわかります。密度が2番目に大きい物体Dと、密度が3番目に大きい物体Cを比べると、Dは水に沈み、Cは水に浮くことがわかります。これにより、物体Dは物体Cよりも密度が大きいことがわかります。
【問題2】凸レンズの作図問題の解答
(1)凸レンズは光を屈折させる道具です。次の3つの光の進み方を覚えておきましょう。
①凸レンズの中心を通る光→直進する
②凸レンズの軸に平行な光→焦点を通る
③焦点をと追てきた光→軸に平行になる
(2)焦点の外側に光源を置いた場合、上下左右が逆向きの実像ができます。(1)の3つの光の進み方を利用して作図します。
(3)焦点の外側に光源を置いた場合、光源と同じ向きの大きな虚像が凸レンズ越しに観察できます。これも(1)の3つの光の進み方を利用して作図します。
(4)まず、凸レンズの中心を通す光を作図します。凸レンズの中止位を通る光は直進します。スクリーン上にはっきりとした実像ができているので、スクリーン上で光を1つの点に集まります。凸レンズの軸に平行な光を作図し、スクリーン上の1つの点に向かって線を引きます。この線と軸が交わっているところが焦点です。
(5)スクリーンにはっきりとした実像ができているので、凸レンズを通過した光は、スクリーン上で1つの点に集まっています。凸レンズの中を通る光をを作図し、その光がスクリーンと交わるところにアの光も集まります。
【問題3】酸化銅の還元の実験
(1)発生した液体が加熱部に流れ、試験管が割れるのを防ぐため。
固体を加熱する実験を行う場合、液体の水などが発生する可能性があります。発生した液体が加熱部に流れると、試験管が割れる可能性があります。
(2)石灰水の逆流を防ぐため。
ガラス管を石灰水に入れたままガスバーナーの火を止めると、試験管が次第に冷え、試験管内の気圧が下がり、石灰水が逆流し試験管が割れる恐れがあります。
(3)試験管内の銅が、空気中の酸素と反応しないようにするため。
ガラス管を石灰水からとりだしガスバーナーの火を止めると、その後試験管が冷え、試験管内に空気が入ってきます。試験管には還元されてできた銅があるので、空気中の酸素と反応し、再び酸化銅になってしまいます。
(4)イ、ウ
加熱後、試験管内には銅ができています。銅は金属なので、金属の性質を選んでください。磁石につくのは、鉄だけの性質なので選ばないように。また、銅の色は赤褐色です。
・展性・延性がある。
・熱や電気をよく通す。
(5)1.1g
銅と酸素の化学変化の質量比は、銅:酸素:酸化銅=4:1:5になります。
4.0gの酸化銅がすべて還元されると、生じる銅は、
4:5=x:4.0 x=3.2
質量保存の法則より、
酸化銅4.0g+炭素0.3g=銅3.2g+二酸化炭素1.1g
(6)2CuO+C→2Cu+CO₂
酸化銅を炭素で還元すると、銅と二酸化炭素が生じます。化学式を間違えないようにしましょう。また、右辺と左辺を=でつながないように。化学変化の前後で、物質の性質が変化するので、→を使うこと。
(7)還元
酸化銅のような酸化物から、酸素を取り去る化学変化を還元といいます。還元が起こるときには同時に酸化が起こることも覚えておきましょう。
(8)二酸化炭素
酸化銅が還元される反応の裏では、炭素が酸化される反応が起こっています。炭素が酸化されてできる物質は二酸化炭素です。
コメント